■嵐のあとで / くにづきみき (日本コロムビア)
全く日本列島の天候は不安定そのもので、先日の台風が過ぎ去っても、各地の集中豪雨は繰り返しが収まらず、なかなかすっきりしませんねぇ……。
そこで本日は、そんなこんなの悪天候は人の気分にもダイレクトに繋がる?
なぁ~んて、独善的な屁理屈でご紹介させていただきますのは、「くにづきみき」と名乗る、サイケおやじにとっては「この人」シリーズの女性歌手が昭和49(1974)年2月に出したとされるシングル盤A面曲「嵐のあとで」というわけです。
もちろん、ジャケ写ポートレートの雰囲気から既に皆様ご推察のとおり、これは作詞:あさひな知彦&井上忠夫が企図したフェロモン歌謡の正統派という仕上がりで、ミディアムテンポで力強いビートと共謀して歌う彼女の節回しは、蓮っ葉な女の純情と悔悟を上手く表現していますから、なかなかに歌唱力は評価出来るんじゃ~ないでしょうか (^^)
しかも ――
許して 愛して 棄てられてぇ~~
女は 女は なにもない あ……
―― という、サビのキャッチーなフレーズとノリは、これぞっ!
井上忠夫が十八番の手法だと思えば、竜崎孝路のアレンジもブラスやストリングスを躊躇いなく用いていますから、個人的にはヒットしていた記憶は薄いものの、隠れ傑作としての人気は今も高いと思われますが、いかがなものでしょう。
うむ、イントロからのリズムアレンジやリフの使い方は、もちろんピンク・レディーの「あの曲」じゃ~なくて、1971年にマーク・リンゼイとレイダースが放った洋楽メガヒット「嘆きのインディアン / Indian Reservation」でしょうねぇ~~ (^^)
ちなみにマーク・リンゼイとレイダースは、ポール・リヴィアーとレイダースの後継バンドであり、覚え易くも、きっちり本物のロックをやっていた人気者でありましたから、我が国でも影響を受けたソングライターやミュージシャンは少なくないと思いますよ (^^)
閑話休題。
ということで、主役たる「くにづきみき」については全く知るところもありませんが、これだけの歌唱力と雰囲気のあるルックスを兼ね備えていたので、ブレイクしたという印象が残っていないのはサイケおやじだけ……?
う~ん、ますます昭和歌謡曲の奥底が知れなくなっているのでした。