僕は確かにサッカーオタクだ。何がこんなに好きなんだろうと、時々振り返ることがある。サッカー記事でも、自分がどんなのを特に楽しがっているかな、とか。サッカー週刊誌でもサッカーダイジェスト以外はほとんど買わないし、そのダイジェストでさえ内容によって買わない時も多いから、好き嫌いはわりにはっきりしている。そんな点などから自分の「オタク観点」がよく見えてくる。感情の分析、表現は本来難しいものだが、とにかくやってみよう。
昔は中田英寿に、この数ヶ月では長谷部と長友それぞれへのインタビューなどに惹きつけられた。後2者のポイントを思い出してみると、例えばこんなところらしい。
まず、いずれもが世界的名選手と最近マッチアップしてきたその実体験を生き生きと語っている、その部分だ。そこで僕の印象に特別に残っている話は、マッチアップ選手とのやりとりとか、相手の優れた点の表現とかであったりする。自分のここを補えば十分以上に対抗できるという下りなどがあれば、僕も一緒になって興奮しているのかも知れない。つまり、1人の若者の、健康で一途な世界水準の野心の揺さぶられ方、自己反省、抱負などに、一部でも本人同様に浸り、興奮し、勇み立ってでもいるらしい。これは、考えてみれば実に幸せなことである。
ちなみに、分析・表現力が乏しく、単に抽象的な反省や抱負の言葉などが連ねられたインタビューにはさっぱり興味が湧かないみたいだ。ダイジェストに比べてマガジンはそう感じるし、サッカーは他のスポーツに比べて特に、表現力がない選手は大成しないスポーツなのだと思う。0コンマ何秒で組織流動し、ほとんど休みがないという11人同士の闘いは、「身体が覚えたからもう良い」では全く手に負えず、表現力こそ大切になってくるのではないかと思う。
表現ということでは代表選手は今、岡田監督から一人一人の「改善点レポート」を渡されている。聞けば、個人としてもベスト4を目指す水準のものらしい。長谷部も長友も、最近は特にその最先端を走る選手であるわけだ。そこに表現された世界水準への改善点を日々意識しつつ、ガーナのエシエンやオランダのファンペルシーらと実際に対決してみてこれを反省したりしながら、個人としても「世界ベスト4選手」を本気で目指しているわけだ。
そんな長谷部のインタビュー部分を抜粋して終わる。24歳(当時)にして09年5月ドイツ優勝達成チームの純然たるレギュラーになりおおせた選手である。
【 質問 ブンデスリーガでは、ドイツ代表の選手を相手にしても普通にプレーできている。
答「確かに代表クラスとやっても、あまり差は感じないですね。ドイツ代表のほとんどの選手がブンデスリーガでプレーしていますけど、正直怖さを感じたことはないです」
質 12月8日のチャンピオンズリーグのマンチェスター・U戦では、ポルトガル代表のナニとマッチアップして、ほぼ仕事をさせなかった。
答「ああいう攻撃を武器にしている相手にも、やられる気はしませんね」
質 マンチェスター・U戦の試合後には、手応えを得たと言っていた。具体的には?
答「攻撃の部分です。以前からある程度守備には自信を持っていましたが、最近は攻撃のときに、どんどん前に行けている。自分の調子がいいというのもあるんですけど、強いチームが相手でも攻撃面でいいプレーができて、これはやれるなと手応えを得られました」
質 あの試合では、簡単にワントラップで前を向いたり、積極的にドリブルで突っかけていた。
答「今、すごく気持ちがノッているんですよ。前へ前へというゴールへの意識が強くなっているのを自分でも実感しています」
質 今年5月にブンデスリーガで優勝した頃と比べても、さらに成長しているように見える。この半年で何か変化があった?
答「今季が始まって約5ヶ月が経ちましたが、攻撃面で自分の色を出せるようになってきたんですよ。ドイツに来た当初、Jリーグでボールを運ぶ感覚でプレーしていると、周りから足が出てきて、ボールを取られてしまうことが多かった。今季やっと、攻撃の感覚がつかめてきました」(中略)
質 (ブレイクのきっかけとなった)シャルケ戦では81分に右サイドを抜け出し、グラウンダーのクロスで決勝点をアシストしている。
答「クロスを上げる前のワンタッチ目のトラップが、僕の理想ですね。マッチアップしていたドイツ代表DFのベスターマンを、簡単にかわすことができた。シャルケ戦は本当にターニングポイントになりました」(後略)】
ちなみに去年のドイツは、世界2位にいた期間が最も長かったチームであり、かつワールドカップなどのここぞという本番ゲームに極めて強い国である。技術的と言うよりも、体と心が特別に屈強で、組織的守備に身体を投げ出すと言ったお国柄と言える。
昔は中田英寿に、この数ヶ月では長谷部と長友それぞれへのインタビューなどに惹きつけられた。後2者のポイントを思い出してみると、例えばこんなところらしい。
まず、いずれもが世界的名選手と最近マッチアップしてきたその実体験を生き生きと語っている、その部分だ。そこで僕の印象に特別に残っている話は、マッチアップ選手とのやりとりとか、相手の優れた点の表現とかであったりする。自分のここを補えば十分以上に対抗できるという下りなどがあれば、僕も一緒になって興奮しているのかも知れない。つまり、1人の若者の、健康で一途な世界水準の野心の揺さぶられ方、自己反省、抱負などに、一部でも本人同様に浸り、興奮し、勇み立ってでもいるらしい。これは、考えてみれば実に幸せなことである。
ちなみに、分析・表現力が乏しく、単に抽象的な反省や抱負の言葉などが連ねられたインタビューにはさっぱり興味が湧かないみたいだ。ダイジェストに比べてマガジンはそう感じるし、サッカーは他のスポーツに比べて特に、表現力がない選手は大成しないスポーツなのだと思う。0コンマ何秒で組織流動し、ほとんど休みがないという11人同士の闘いは、「身体が覚えたからもう良い」では全く手に負えず、表現力こそ大切になってくるのではないかと思う。
表現ということでは代表選手は今、岡田監督から一人一人の「改善点レポート」を渡されている。聞けば、個人としてもベスト4を目指す水準のものらしい。長谷部も長友も、最近は特にその最先端を走る選手であるわけだ。そこに表現された世界水準への改善点を日々意識しつつ、ガーナのエシエンやオランダのファンペルシーらと実際に対決してみてこれを反省したりしながら、個人としても「世界ベスト4選手」を本気で目指しているわけだ。
そんな長谷部のインタビュー部分を抜粋して終わる。24歳(当時)にして09年5月ドイツ優勝達成チームの純然たるレギュラーになりおおせた選手である。
【 質問 ブンデスリーガでは、ドイツ代表の選手を相手にしても普通にプレーできている。
答「確かに代表クラスとやっても、あまり差は感じないですね。ドイツ代表のほとんどの選手がブンデスリーガでプレーしていますけど、正直怖さを感じたことはないです」
質 12月8日のチャンピオンズリーグのマンチェスター・U戦では、ポルトガル代表のナニとマッチアップして、ほぼ仕事をさせなかった。
答「ああいう攻撃を武器にしている相手にも、やられる気はしませんね」
質 マンチェスター・U戦の試合後には、手応えを得たと言っていた。具体的には?
答「攻撃の部分です。以前からある程度守備には自信を持っていましたが、最近は攻撃のときに、どんどん前に行けている。自分の調子がいいというのもあるんですけど、強いチームが相手でも攻撃面でいいプレーができて、これはやれるなと手応えを得られました」
質 あの試合では、簡単にワントラップで前を向いたり、積極的にドリブルで突っかけていた。
答「今、すごく気持ちがノッているんですよ。前へ前へというゴールへの意識が強くなっているのを自分でも実感しています」
質 今年5月にブンデスリーガで優勝した頃と比べても、さらに成長しているように見える。この半年で何か変化があった?
答「今季が始まって約5ヶ月が経ちましたが、攻撃面で自分の色を出せるようになってきたんですよ。ドイツに来た当初、Jリーグでボールを運ぶ感覚でプレーしていると、周りから足が出てきて、ボールを取られてしまうことが多かった。今季やっと、攻撃の感覚がつかめてきました」(中略)
質 (ブレイクのきっかけとなった)シャルケ戦では81分に右サイドを抜け出し、グラウンダーのクロスで決勝点をアシストしている。
答「クロスを上げる前のワンタッチ目のトラップが、僕の理想ですね。マッチアップしていたドイツ代表DFのベスターマンを、簡単にかわすことができた。シャルケ戦は本当にターニングポイントになりました」(後略)】
ちなみに去年のドイツは、世界2位にいた期間が最も長かったチームであり、かつワールドカップなどのここぞという本番ゲームに極めて強い国である。技術的と言うよりも、体と心が特別に屈強で、組織的守備に身体を投げ出すと言ったお国柄と言える。