九条バトル !! (憲法問題のみならず、人間的なテーマならなんでも大歓迎!!)

憲法論議はいよいよ本番に。自由な掲示板です。憲法問題以外でも、人間的な話題なら何でも大歓迎。是非ひと言 !!!

ニッポンは変わったのか?   落石

2009年09月15日 13時09分42秒 | Weblog
日本では、北朝鮮の拉致はケシカランとして
人道的な食料援助を中断しているようです。

一方、他の国は、どうでしょうか?
お隣の韓国などは支援はつづけています。
ヨーロッパなども人道支援は別という考え方が
支配的のようです。

これを知った時、ふっと先の戦争での
住民に対する虐殺・虐待が日本軍に多かったと
されることを連想しました。

相手が悪ければ、相手はすべて悪。
そこには人道的なスキマは残っていません。
悪くいえば、小児的です。
歯止めをかけるなにかが欠けている。

現在の北朝鮮への人道的な支援の中止も
同じ様なこころの狭さを露呈しているのでは?

あの小児的な精神、今も変わっていないのでは?
立派な憲法の精神は簡単には身につかないのかな?





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「友愛の政治」を考える(1)ぶれないで新政権      「池田香代子ブログ」より   

2009年09月15日 11時47分25秒 | Weblog
★私の様に秋の夜長ワイングラスを傾けながらネットサーフィンするのが唯一の生きがいの人には、共感できるHPの記事に出会うと無性にこれを伝えたく、いや人にとっては押しつけたくなる。困ったものです。
 さて、今回嵌まったのは「池田香代子ブログ」http://blog.livedoor.jp/ikedakayoko/archives/2009-09.html
 です。彼女の記事から三回にわたり紹介します。   (ネット虫)
==================
 さて、ニューヨークタイムズ紙が、鳩山次期総理の論文から、アメリカから距離を置いた部分だけ掲載して、あたかも反米政権が誕生するかのような意地の悪い報道をしました。ワシントンポスト紙も、次期総理の資質に未熟と、疑義を唱えました。それらを逆輸入したこのくにの一部メディアが、さっそく対米関係悪化を懸念してみせています。

鳩山論文、読んでみたらなんのことはない、金融資本主義やグローバリズムの行き過ぎとか、アメリカ一極から多極へとか、アメリカを筆頭にだれもがとっくに認めていることが書かれていました。

そのうえで、自由も平等も、ナショナリズムもグローバリズムも、行き過ぎはよくない、人が手段ではなく目的となり、だれもが幸せを感じられるのは、公共(NPO的なもの)がすこやかな社会であり、個人、家族、地域、地方、国、アジアと波紋のように広がりながら連帯し補いあう、そんなビジョンが友愛というキーワードで語られていました。当分はアメリカが世界の中心だろう、日米関係は基軸的に重要だ、とも。しろうとの目には、どこが問題なのか、よくわかりません。

新政権には、アメリカからの声などに臆さないでいただきたいと思います。インド洋アラブ海域での給油も、公約どおり、期限が切れたらやめればいいと思います。アメリカにも他の国々にも、こちらの考え方をきちんと説明すればいいだけの話です。

あれは、陸上で掃討されて海に逃げてくる「タリバン系テロリスト」を捕まえるために、各国の艦船があの海域にうようよしている、それへの支援ということになっていますが、タリバン系勢力はカルザイ政権を首都に封じ込めるほどアフガニスタン国内で勢力を盛り返しています。そんな勢力が海に逃げるでしょうか。わけのわからない話です。

次期総理や次期政権は、メディアの扇動に動じないでいただきたい。間違っても、性急に反米を否定するあまり、アメリカにすり寄るような発言はしないでいただきたい。そんなことをしたら、これまでの政権とどこが違うのだろうと、却ってアメリカの政府もメディアも面食らってしまうでしょう。

きちっと思想や立場を伝えたほうが、信頼関係は築けます。とくに、オバマ大統領という人には、そういう印象をうけます。その意味で、在日米軍のことで米政府高官がぴりぴりしたり、アメリカの新聞が為にする報道をしたりしたのは、むしろよかったかもしれません。

ところで、鳩山次期総理の「友愛の政治」、論文を読んでもいまひとつわかったようでわからないのは、わたしだけでしょうか。具体的にどういうことか、選挙中からもっとわかりやすく説明してほしかった。マニフェストをぱらぱらめくりながら、党の方針と党首の「友愛」の関係を、わたしなりに考えてみました。

友愛にふさわしい政策は、なんといっても子ども手当と、年金の一元化と基礎年金の創設、そして医療保険の一元化でしょう。子どもなら年31万円あまり、お年寄りなら年84万円が無条件で支給され、高校もタダになるので、子どもには18歳まではなんらかのカバーがなされることになります。年金と医療保険は時間をかけてゆるやかに整える、でも子ども手当と、医療保険一元化に逆行する後期高齢者医療制度の廃止はいますぐ実施、とされています。

まだ働けない人ともう働けない人は社会が支えましょう、ということです。これは、このところ話題になってきたベーシックインカムが遠望されるような施策です。ベーシックインカムとは、基礎所得とでも訳すのでしょうか、社会のすべてのメンバーに最低限の生活費を支給する、というものです。夢みたいな、嘘みたいな話ですが、実現は可能だとして、一部で真剣に論議されています。たしか、このあいだの国会でもちらっと触れた質問者がいました。新党日本の田中康夫さんも、以前からこの制度を唱えています。

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秋の声やーめた       蕪蕉

2009年09月14日 20時33分45秒 | Weblog
 友人に勧められ、ボケ防止に俳句を作り始めました。
 毎月の句会に提出する句づくりに難行苦行。

 孫は夏休みの宿題を手伝ってもらってギリギリで完成、褒められたと大喜び。
 爺も誰か助けてくれぬものか。

 何を季語に入れるかが第一関門。
 秋だから、月に萩に秋刀魚に栗に秋ナスなんでもありです。
 見るもの聞くもの食べるもの何でも秋の俳句にならぬものはないのです。

 さてさて私はといえば・・・
 今年は例年にもまして庭の虫がよく鳴く。
 追い込まれた私には「虫の声」「虫の音」しか耳に入らない。 
 「虫の音や・・」「・・虫の声・・」「・・虫の鳴きにけり」
 もう、上・中・下 虫の声は決定。
 しかし前後左右が定まらぬ。
 
 そこに、御登場の「秋の声」
 こういう時に限って洒落た玄人っぽい季語が使いたくなる。
 目に留まったのが「秋の声」である。

 解説に曰く。
 「生活の音、たとえば隣のキッチンで洗い物をしている音などが、きわめて明瞭にきこえてくるのは、季節でいえば秋。音に輪郭があるように感じられてくるのは、透明な秋の空気のせいなのだろう。具体的な音ばかりでなく、心の中に響いて来る秋の気配もまた、秋の声である。より深い味わい侘びにも通ずる季語である。」
 などと、書かれてあるのを読むと、もう居ても立ってもおられず、「虫の声」から「秋の声」へ鞍替え。ところがこの季語の名句は五万とあります。これに肩を並べるのは大変です。

幹々の行間よりの秋の声      鷹羽狩行  
秋声と聞く風音に親しみぬ     稲畑汀子 
隠岐の浜に軽石拾ふ秋の声     松崎鉄之介    
劉生の麗子像より秋の声      吉田呉天  
ボーイズビーアンビシャス秋の声  阿部静雄  
天平の秋声こもる螺鈿琵琶     長谷川翠  
秋声を樹々の吐息と聞きにけり   吉田小幸  
湖暮れてゆく淋しさに秋の声    黒川悦    
秋声を求め日本海を航く      稲畑廣太郎    
潮の香の急行列車秋の声      関口幹雄    
波寄せて白一文字秋の声      三村禮子  
無住寺に鵜塚を訪へば秋の声    石垣幸子  
耳に寄す貝にかそけき秋の声    藤本艶野    
難聴になって聞こえる秋の声    池田優  
貝殻に耳あてて聴く秋の声     藤井圀彦  
秋の声先師の墓にぬかづけば    樺山翠
いとけなき五輪塔より秋の声    青柳志解樹

 「焼き芋を売る声がする秋の声」
 「松茸に耳付けてみた秋の声」
 「政権も変わってうれし秋の声」
 「民主党まだ飽きられません秋の声」
 「自民党飽きられました秋の声」

 「秋の声、やーめた」

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「戦没者は戦後の平和と安定(繁栄)の礎(いしずえ)」か?

2009年09月14日 10時28分53秒 | Weblog
★私も戦没者追悼の集会などで常套句の様に使われる「戦没者は戦後の平和と安定(繁栄)の礎(いしずえ)」という文言には「待てよ?」という気にさせられます。
 私が戦没者なら「おいおい・・冗談じゃない。」と言いそうです。
 この事柄は、戦後せんそうの総括の深い部分に関わっているように思えます。
 このことについてつい最近、井上澄夫が反戦の視点で次のような意見を述べて見えます。長文の引用ですが是非お読みくださればと思い紹介します。(ネット虫)
=================
「戦没者は戦後の平和と安定(繁栄)の礎(いしずえ)」ではない

                            井上澄夫

 去る8月30日に行なわれた衆院選の少し前、こういうニュースが流れたことを記憶している人は少なくないだろう。

 〈民主党の鳩山由紀夫代表は8月12日、靖国神社に代わる無宗教の国立戦没者追悼施設について、党本部で記者団に「取り組みを進めるという思いで考えていきたい」と述べ、建設に前向きな考えを示した。鳩山氏は靖国神社参拝について「A級戦犯が合祀(ごうし)されており、首相や閣僚が参拝することは好ましくない」と改めて表明。その上で「どなたもわだかまりなく戦没者の追悼ができるような国立追悼施設に取り組んでいきたい」と明言した。さらに、「天皇陛下も靖国神社には参拝されず、大変つらい思いでおられる」と指摘し、「陛下が心安らかにお参りに行かれるような施設が好ましい」と語った。〉
                 (2009年8月12日付『毎日新聞』)

この鳩山発言を公明、社民、共産の各党とほとんどのマスメディアが支持し、さらに中国や韓国でも好感されたことにはここでは詳しく触れない。国立追悼施設設立を衆院選の争点にすべきという論調も浮上したが、民主党はそうしなかった。しかし発言が総じて支持されたという事実は、鳩山連立政権(本稿執筆時はまだ成立していない。9月16日に特別国会で首相が指名される予定)でいずれ国立追悼施設設立が政策課題として取り上げられるだろうことを予感させる。
 
 しかし、本稿で考えたいのは、国立追悼施設設立推進の根拠になっている次のレトリック(修辞法)である。
 「今日の日本の平和と安定は、戦争によって、命を落とされた方々の尊い犠牲(中略)の上に築かれています。」(2009年8月15日の全国戦没者追悼式
〔東京・日本武道館〕における麻生首相の式辞)
 このレトリックは例年夏の全国戦没者追悼式ばかりではなく、さまざまな戦没者追悼の際、たびたび繰り返され、すでに一種の決まり文句になっている。たとえば、2003年7月16日に民主党次の内閣がまとめた「新しい国立追悼施設の設立について」はこう記している。
 〈第2次大戦後60年近く経過し、戦争体験は風化しつつあるが、今日の日本における平和な生活は、これらの戦争による死没者の犠牲の上に成り立っている。〉
 麻生首相の言い方と民主党の表現は多少ちがうが、まずは同工異曲であり、要するに「戦没者は戦後の平和と安定(繁栄)の礎(いしずえ)」ということだ。
〈戦争と平和〉のパラダイムで、戦没者の死の意味はこのステレオタイプにはめ込まれている。これを踏まえて展開される主張は、先の民主党の文書ではこうなる。
 〈国が関った戦争で、官民を問わず多数の尊い生命が失われたことが事実である以上、これらの死没者に、国民を代表する立場にある者(天皇陛下や内閣総理大臣、閣僚など)が、公式に追悼の意を表し、非戦平和を誓うことの出来る国家施設を持つことは、海外の例を見るまでもなく、当然の要請である。〉
 ここまで強い調子でなくても、「国のために尊い命を犠牲にした人々の追悼のあり方について、改めて国民的な議論を深め、結論を導き出す時期に来ているのではないだろうか」(2009年8月15日付『読売新聞』社説)というような論調は多数見受けられる。問題の焦点は「国による戦没者追悼のありよう」ということだ。

 国立追悼施設が必要であるという主張の根拠は「過去の戦争の犠牲者は今日の平和と安定(繁栄)の礎である」ことであり、だから「国のために命を失った人びとを国が追悼することが必要である」あるいは「国は国として責任をもって追悼すべきである」とされる。 しかし本当に「戦没者は戦後の平和と繁栄の礎」であるのか。もしこのレトリックが誤りであるなら、必要論の根拠は崩壊する。

 『地獄の日本兵─ニューギニア戦線の真相─』(新潮新書)の著者、飯田進さんは同書の「おわりに」でこうのべている。
 〈戦後、とりわけバブル景気華やかだったころ、数多くの戦友会によって頻繁に行われた慰霊祭の祭文に、不思議に共通していた言葉がありました。
 「あなた方の尊い犠牲の上に、今日の経済的繁栄があります。どうか安らかにお眠りください」飢え死にした兵士たちのどこに、経済的繁栄を築く要因があったのでしょうか。
怒り狂った死者たちの叫び声が、聞こえて来るようです。そんな理由付けは、生き残ったものを慰める役割を果たしても、反省へはつながりません。逆に正当化に資するだけです。実際、そうなってしまいした。
 なぜあれだけ夥(おびただ)しい兵士たちが、戦場に上陸するやいなや補給を絶たれ、飢え死にしなければならなかったのか、その事実こそが検証されねばならなかったのです。〉

 人の死はそれぞれその人固有のもので、戦死もどれ一つとして同じものではないはずだ。飯田さんの「飢え死にした兵士たちのどこに、経済的繁栄を築く要因があったのでしょうか」という血を吐くような言葉は、まさに真実をえぐり出している。
 藤原彰著『餓死(うえじに)した英霊たち』(青木書店)から引用する。
 〈アジア太平洋戦争で特徴的なことは、日本軍の戦没者の過半数が戦闘行為による死者、いわゆる名誉の戦死ではなく、餓死であったという事実である。「靖国の英霊」の実態は、華々しい戦闘の中での名誉の戦死ではなく、飢餓地獄の中での野垂れ死にだったのである。
 栄養学者によれば、飢餓には、食物をまったく摂取しないで起こる完全飢餓と、栄養の不足または失調による不完全飢餓があるとされている。この戦争における日本軍の戦闘状況の特徴は、補給の途絶、現地で採取できる食物の不足から、膨大な不完全飢餓を発生させたことである。そして完全飢餓によって起こる飢餓だけでなく、不完全飢餓による栄養失調のために体力を消耗して病気に対する抵抗力をなくし、マラリア、アミーバ赤痢、デング熱その他による多数の病死者を出した。この栄養失調に基づく病死者も、広い意味で餓死といえる。そしてこの戦病死者の数が、戦死者や戦傷死者の数を上回っているのである。/各戦場別に推計した病死者、戦地栄養失調症による広い意味での餓死者は、合計で127万6240名に達し、全体の戦没者212万1000名の60%という割合になる。〉

ニューギニアやガダルカナルなどで飢え死にした兵士を含め、戦没者は「戦後の平和と安定(繁栄)のために」死んだのではない。天皇裕仁の命令によって、殺し・殺され、あるいはただ殺されていったのだ。大本営(天皇直属の統帥部)による兵站(へいたん)軽視の無謀な作戦指導によって、糧食を絶たれ、飢えてジャングルの土になり、制海権と制空権を奪われても沖縄での戦闘を「之が最后の決戦」(『昭和天皇独白録』、文春文庫)とする愚かな「聖慮」(後注参照)
のせいで原爆や空襲で焼き殺されたのである。
 ※ 1945年2月、元首相の近衛文麿は天皇裕仁に、このままでは敗戦必至として「一日モ速(スミヤカ)ニ戦争終結ヲ講スヘキ」と上奏した。しかし裕仁は「もう一度戦果をあげてからでないとなかなか話は難しいと思う」として近衛の進言を拒否した。だが、その時点で戦争を終結していれば、東京大空襲とそれに続く全国各地への空襲や艦砲射撃も、凄惨を極めた沖縄戦も、広島と長崎への原爆投下も、ソ連の参戦もなかったのである。しかも戦後の1947年9月、天皇裕仁は側近の寺崎英成を通じてGHQに「アメリカが、日本に主権を残し租借する形式で、25年ないし50年、あるいはそれ以上、沖縄を支配することは、アメリカの利益になるのみならず日本の利益にもなる」というメッセージを伝えて沖縄を米国に売り渡した。
 ところで、戦没者を「戦後の平和と安定(繁栄)の礎」と位置づける心理的動機はいろいろある。戦争で生き残った者が戦没者に後ろめたさを感じて、ということもある。無惨な死を直視できず、精神のバランスを保とうとするため、ということもあろう。あるいは、無念の思いを噛みしめつつ死んでいっただろう戦死者の霊が自分(たち)に祟(たた)らないようにしたい、ということもあるにちがいない。
 戦没者の死を「戦後の平和と安定(繁栄)」に結びつけるのは、彼ら・彼女らの死にプラスの価値を与えることだ。それらの死の〈おかげで〉「戦後の平和と安定(繁栄)」がもたらされたのだから、決して犬死にではなかった、無意味な死ではなかったと、死者たちに言いたいのだ。だが実は、そうやって戦死を美化し称賛する生者たちは、そうすることで自分自身の精神の安定を得たいのである。
 「犬死に」という言葉を聞くと激昂する者たちがいる。それは、一見、戦没者への熱い思いに基づく人間的な反応のようにみえる。英霊を侮辱するな、というわけだ。しかし多くの場合、その種の反応は、天皇のために死ぬことを至上の価値とすることや「大東亜戦争の崇高なる戦争目的」を丸ごと信奉することから生まれる。要するにそういう時代錯誤の化石的な狂信に取り憑(つ)かれている自分が批判されたと思って憤激するにすぎない。

 しかし、「戦没者は戦後の平和と繁栄の礎」というこのレトリックによる最大の受益者は、いうまでもなく、日本の支配層である。なぜならこの常套句は戦争責任の追及を封じ込める役割を果たすからである。無数の戦没者の死が「戦後の平和と安定(繁栄)の礎」となったのなら、それは美談であり、そこからは誰がそれら無数の死をもたらしたのかという問題意識は出てきようがない。戦争責任の追及は封印されてしまうのである。
政府は毎年「終戦記念日」に全国戦没者追悼式を挙行する。それは追悼と銘打ってはいるが、実は「戦後の平和と繁栄」をもたらしてくれた戦没者に感謝するためで、儀式の本質は戦没者の慰霊と鎮魂である。厚生労働省社会・援護局の「全国戦没者追悼式について」(2004年8月)によれば式次第はこうである。
 開式の辞   厚生労働副大臣
 天皇皇后両陛下御臨場
 国歌斉唱
 式辞 内閣総理大臣
 黙とう
 天皇陛下のおことば
 追悼の辞 衆議院議長、参議院議長、最高裁判所長官、戦没者遺族代表(1名)
 天皇皇后両陛下御退場
 献花(この間奏楽) 内閣総理大臣、衆議院議長、参議院議長、最高裁判所官、各政党代表など
 閉式の辞 厚生労働審議官
 「全国戦没者之霊」と書かれた白木の柱に天皇と皇后が頭(こうべ)を垂れることが式典のクライマックスだが、この儀式は天皇と皇后の拝礼によって戦没者たちの魂が慰められ鎮(しず)まるという物語が共有されることで成り立つ。しかし、国がどれほど盛大な追悼式をやろうと、それは死者たちには何の関係もない。彼ら・彼女らは存在せず、もはや決して語ることはないのだ。

 「戦没者は戦後の平和と安定(繁栄)の礎」というレトリックは虚構(フィクション)である。海外派兵をしている日本が平和であると筆者は思わないが、仮に平和が維持され、社会が安定しているとしても、それは生きている者たちの努力によってそうなっているのであって、戦没者のおかげではない。
 しかし、それにもかかわらず、国立追悼施設がいま問題になるのは、一つには、中国や韓国などから閣僚の参拝が批判を浴びている靖国神社のA級戦犯合祀問題を回避して、問題を安直に処理したいからである。要するに、靖国神社は宗教法人(施設)だが、新たな国立追悼施設を無宗教の施設とするなら、誰でもわだかまりなく訪れることができる、天皇や閣僚、外国の国賓・高官も例外ではないというわけだ。
 もう一つは海外で自衛隊員が戦没する可能性があるからである。自衛隊は戦力ではないというタテマエで自衛隊員の死は戦没ではなく殉職であるといくら強弁しようと、交戦で死ねばまぎれもなく戦没・戦死である。その「新たな戦没者(殉職者)」を国家が厚く遇することがないなら、「事に臨んでは危険を顧みず、身をもつて責務の完遂に努める」(自衛隊法52条「服務の本質」)よう、隊員の士気を鼓舞することができないと防衛省・自衛隊は考えている。イラク派兵の前に陸上自衛隊は殉職者を靖国神社に祀ることができないかどうかを検討したが、憲法の政教分離原則があるため断念した。それゆえ、戦争法制の整備が次々に強行される中で、戦没(殉職)自衛隊員の追悼のありよう(霊の扱い)は定まっていない。だから国立追悼施設が必要とされるのである。
 (2009年9月11日記)

【付記】鳩山連立政権の下で国立追悼施設設立がいつ政治日程に乗せられるかはわからない。しかし遅かれ早かれ設立構想は浮上すると思われる。本稿はその事態に備えて設けた入口である。今後も批判を続けたい。
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「イラク戦争は誤り、アフガニスタン戦争は必要」か?帰還兵の証言を聞会のご案内

2009年09月14日 00時01分23秒 | Weblog
★戦争反対の声にも押されて政権についたオバマ氏が「イラク戦争は不要な戦争だったが、アフガニスタン戦争は必要な戦争だ」(8月18日)として増派を検討する中イラクとアフガニスタンからの帰還兵2名を招請して、「冬の兵士日本ツアー」を9月16日から23日まで行ないます。(★「冬の兵士」Winter Soldierはベトナム戦争を告発した証言集会を踏襲して、昨年3月米国メアリーランド州で開催された集会の名前です)
「国際貢献」論議の前にイラクとアフガニスタンという二つの戦場の真実をしっかり見つめよう、というのが一連の証言集会の趣旨です。「冬の兵士 良心の告発」というドキュメンタリを普及させている冬の兵士製作委員会という小さな市民の会が全国に呼びかけ、各地のご協力により下記のとおり開催できることになりました。

★招請する二人の帰還兵のプロフィールやメッセージについては、次のウェブサイトをご参照ください。日本語テロップ付きの動画メッセージもあります。

http://wintersoldier.web.fc2.com/ 

さらに岩波書店から、「冬の兵士イラク・アフガン帰還米兵が語る戦場の真実」という証言集も出版されました。ドキュメンタリ、証言集、証言集会はすべて相互に補いあうものです。戦場の真実と人間の真実に迫ります。
★名古屋での集会も下記の様に予定されています。是非、ご参加ください。   (まもる)

【名古屋証言集会】 9月22日(火・祝)

13:00 「冬の兵士」映画上映
14:30  証言集会 伏見ライフプラザ 12F 第1研修室
名古屋市中区栄1丁目23-13 電話052-222-5781
主 催:「冬の兵士」証言集会名古屋実行委員会
参加費:800円(高校生以下無料)
問合せ先 不戦へのネットワーク
 名古屋市昭和区鶴舞3-8-10 電話052-731-7517
 久野秀明 携帯 090-8670-9197
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鳩山民主党代表に新憲法制定議員同盟「顧問」の辞職要請を続けましょう。   ネット虫

2009年09月13日 22時13分40秒 | Weblog
★共同声明[鳩山由紀夫民主党代表に新憲法制定議員同盟「顧問」の辞職を要請します]への賛同のお願いでは、
15日を締め切りに呼びかけておりますが、表記の賛同者は、インターネット中心の呼びかけで10日あまりの期間に156団体、1149個人、合計1305団体
・個人に達しております。
http://www.annie.ne.jp/~kenpou/seimei/seimei128.html
もう少し日にちがありますので、まだの方でご協力頂ける方はよろしくお願いし
ます。
以上、ご報告と再度のお願いまで。
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なぜ秋田県なのか?   らくせき

2009年09月13日 13時34分43秒 | Weblog
2007年、08年に日本で実施された全国学力テストで
秋田県の小・中学校が連続1位となり、日本全国を驚かせた。
日本で決して発展した地域とはいえない秋田県の児童・生徒たちは、
「学力は経済力ではなく生活習慣が左右する」ということを示してくれた。
「子どもの学力は食卓で作られる」
「教師と協力して家庭学習を習慣化せよ」
などの指針が書かれている。

    

これは、朝鮮日報が、日本で出版された本の紹介というかたちで
秋田県のことを取上げた記事です。
学力問題の原因のひとつが家庭にあり、都市化が極端にすすんでいない
伝統的な家庭の残っている中都市が成績が良いということかな?

最近の学力問題は、家庭の貧困とも関係がありそうですが、
秋田県は、そんなにお金持ちでもないでしょう。
どうなんでしょうね?

家庭というものが持っているソフトウエアの力。
お金に換算したら、かなりの金額ということでしょうか?


   

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”日本大好きさん”との旅(5)   文科系

2009年09月13日 11時55分25秒 | 文芸作品
”日本大好きさん”との旅(5)   文科系

3日目、朝から一路、近江八幡へ。わざわざ安土城に近い所にホテルを取り、時間を倹約するためらしい。なんせ、その日の内に屋島へ行ってまたこのホテルに戻り、翌日に安土城を見学するのだという。ちなみに彼女は、義経の次に織田信長が好きなのだ。そういえば、先回の訪日では墨俣城や岐阜城を案内したが、それも彼女の申し出からだった。彼の軍事的天才性や、西洋など異国情緒趣味もよく知っていて、驚いたものだ。僕は一向宗や叡山焼き討ちの例を話して「恐ろしい男だよ」と、これには流石に反論したのだが。
なお、我々は、この駅で別れたから、後は電話とメールなどの後日談となる。メールは、全て原文のまま転載しておきたい。

先ず、出国の時の電話。
先ず、Hさんから日本語で
「Tさん、有り難うございました。娘のことでは特に、大変お世話になりました。娘はあなたを理想の男性、夫だと言っています。今、代わります」
これはほとんどお世辞だろうから書いていて照れくさいが、次いでCさん。たどたどしい日本語で、おおむねこんなことを言いたかったらしい。
「有り難うございました。また、カナダに来て下さい。その時にもう一度また一緒に旅をしたいです。ギターは上手くなっておきます」

次いで、第1報メールがこれ。
「T先生:
夢を叶えるのは本当に有難うございました。安土城はいい運動です。琵琶湖も見えました。
屋島何もありません、ただ義経の戦うところを全部みました、嬉しかった。9月末、東京範囲の地震の噂がきいていますか。じゃ、また。」

それへの返事を僕も書いた、こんな内容を大変下手な英語で。
「金沢も片山津も温泉も人類学博物館も面白語った。が、とりわけCさんの趣味、情緒が興味深く、一緒にギターを弾いたのは忘れられない。ゴッホと北斎のことでは、改めてどうか、彼女に僕のお詫びを伝えておいて欲しい。」

第2報は、僕にこんなメールが来た。
「T さん:
お手紙、有難うございました。日本に旅行したとき、本当に世話になった。有難うございました。C(娘さん) は、自分のやりたいことまたわからなくて本当に悩んています。
もしかして、私は自分彼女に教育をあげるのは足りない。そう、いつも自分に責めている。
父はCを10年間育った、そのために父愛が欠け、彼女は恋父情結がある。その悩みの為に、TさんとT先生一諸にCを手紙をかきましょか? じゃ。また」

僕らがこのメールにイエスと書いたのは言うまでもない。この旅からまた、我々のどんな交友が、新たに始まるのだろう。
この3日のような新たな行動、実践には興味が尽きず、それがまた我が心身をフレッシュにしてくれるような実感がある。

(完)
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民主党の韓半島政策は?  落石

2009年09月12日 20時46分46秒 | Weblog
国内・対米政策などで忙しい民主党。
案外、重要なのが韓半島政策。
とくに北朝鮮とどういう関係を築くのか?
アメリカとの関係が表なら裏の関係、
どうしたら良いんでしょうね?

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福島さんの入閣ポストは「環境大臣」がオススメ

2009年09月12日 09時59分41秒 | Weblog
★ニュースによると、重野社民党幹事長は民主党に対して、「雇用担当か環境大臣」での福島党首の入閣を要望したということです。
わたしは、やはり「福島環境大臣」にこだわりたい。もちろん、どのポストになっても、身軽な点を生かして思い切った政策を打ち出していただきたいと思います。さとうしゅういち氏がJANJANにこんな記事を載せています。(ネット虫)
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【福島さんの入閣ポストは「環境大臣」がオススメ
CO2「25%削減」公約達成へ、民主との役割分担が可能】
                      さとうしゅういち2009/09/11
 民主・社民・国民新3党の連立合意が9月9日成立し、福島瑞穂・社民党党首と、亀井静香・国民新党代表の入閣が決まりました。少数政党の入閣についてはさまざまな議論はあります。「独自色を失う」という警戒感もあるでしょう。

 ■福島環境大臣、亀井経済財政担当大臣がオススメ
 しかし、わたしは、福島さん、亀井さんともに、入閣が決まった以上は「少数政党」の特色を出せるポストに就かれるのがよいと思います。
福島・社民党党首(左)には環境大臣をやっていただけると、両方にお得だ、と民主党員の筆者(右)は考える。 お2人とも筆者にとって大学の大先輩です。福島さんについては彼女が議員になる前から面識があります。わたしは他党派(民主党)にいますが、男女共同参画や環境など一致する課題でお付き合いしています。亀井さんについては、彼が自民党時代から、わが佐藤家と代々のお付き合いがあります。お2人に、民主党を両脇から固めて是非ご活躍いただきたいと思います。

 わたしのお薦めは、ずばり、「福島環境大臣」と「亀井経済財政担当大臣」です。今回は、福島さんについて、その理由を申し上げたいと思います。

 ■思い切った政策転換が必要
 鳩山由紀夫次期総理は、既に温室効果ガスの25%削減を表明。国際社会からも歓迎されています。

 自民党もそれなりの対策を打ち出しはしました。だが、自民党のそれはいわば消費者にエコカーを買わせたり、省エネ住宅にさせるなど負担を強いるものです。お金を無理に使わせるもの、ともいえます。そうではなく、抜本的に社会の仕組みを変えることで、生活の中であまり無理なく、省エネルギー・省資源が出来るようにすればいいのです。 
 ・民主の温暖化ガス「25%削減」へ私の提言, 国の役割と地域の役割を明確にした「脱石油モデル」の構築を 2009/09/09
 この塔野沢記者の記事におおむねわたしも賛成です。
 こうした政策に、総合的に踏み込んでいるのは、わたしが見たところでは新与党3党はもちろん、国会に議席を持っている政党では社民党ではないか、と思います。
 もちろん、日本共産党は、雇用や労働、医療、介護、子育て、教育、農業など、多くの分野で庶民の目線に立った政策を立案されていると、率直に認めます。共産党員の皆さんがそういう分野で大衆運動を盛んにされているため、ノウハウも蓄積されているのです。民主商工会、農民連、新婦人の会など枚挙に暇がありません。

 ■社民党の独自性が出せる「環境大臣」
 ただ、環境とかエネルギーの問題に限定すれば、社民党のほうが力を入れて踏み込んでいると思います。ひとつには、原水爆禁止運動の柱で、社民党系と世間でいわれる原水禁(原水爆禁止日本国民会議)系の世界大会では、反原発運動の取り組みを蓄積しています。そのためにも自然エネルギーの研究などを進めてきた、という経緯もあるからです。
 ・「脱原子力社会を」「横須賀原子力空母母港化を許さない」原水爆禁止世界大会 2008/08/06
 社民党は今回の総選挙でも、脱原発、固定価格買取制度はもちろん、配電・送電・発電の分離も主張しています。
 ・地球温暖化防止戦略~いまこそエネルギー政策の大転換を~(社民Official Web)
 これがラジカルなところです。東京電力や中国電力を初めとする日本の電力会社は、配電も送電も、発電もほぼ独占(寡占)し、その既得権の上にあぐらをかいています。そして、環境に悪い(遠方の大規模発電から送電するような)システムが改善されません。これでは、地域のエネルギーを地域でまかなおうとしても、この寡占システムが障害になりかねません。この寡占システムを解体しつつ、クリーンエネルギーを優遇しないと、根本的な問題解決にならないのです。

 福島さんからは、「連合(労組)の多くが民主党基軸になったことで、逆に社民党は身軽になり、原発問題などでも原則的なことがいえるようになった」とうかがっています。

 左翼の方には「官僚的だ」と叱られるかもしれませんが、当面は、外交では相手があることですから、あまり成果は期待できません。しかし、環境問題については、鳩山代表の「25%削減」は世界中から歓迎されています。それを本気で実施するには「福島環境大臣」しかない、と思います。他党のことで、まことに僭越なのですが、このポストこそ、社民党の独自性が生きる分野ではないでしょうか?

 ■「抵抗勢力」を支持基盤に抱える民主党議員
 一方、民主党は、支持団体に、電力、自動車や鉄鋼などの労組を抱えています。これらの組合は、いままではどうしても、労使協調路線の下、環境問題でも会社側と歩調を合わせてしまってきました。

 本当は、労組こそ会社をチェックし、「これからは、クリーンエネルギー分野とか自転車交通、公共交通などで食うようにすべきだ」と、トヨタならトヨタの経営陣に諫言すべきなのでしょう。しかし、残念ながらそういうことは余り聞きません。それどころか、派遣切り問題でも「仕方がない」と傍観者になってしまったりしているのが実情です。電力総連も、鉄鋼業界などの産別組合の基幹労連とともに、政府の検討委員会が示した中期目標の6つの選択肢のうち最も緩やかな「90年比4%増」を支持しているありさまです。

 言い換えれば「今までの自民党政治の枠組みを前提にして、雇用を守る」ことに終始してしまっているのではないでしょうか? もちろん、民主党の直島政調会長もこうした労組をたしなめています。
 ・「25%減」民主支援労組が批判 政調会長は理解求める

 しかし、環境という「横糸」で、国の産業や街づくり、エネルギー、農業などの政策を強力に見直すことを考えれば、社民党には環境大臣のポストを取っていただくのが良いのではないでしょうか?

 「福島環境大臣」への期待は、わたしだけではありません。東京都内の民主党支持という経営者の30代男性も「環境大臣は、民主党系労組(電力総連など)の圧力を受けづらい社民党代表にやってもらうのも一つの手だと思います」と提案。香川県に住む40代の会社員男性も「電力総連なんて、90年比8%減の自民党より過激な反環境主義で、経団連と全く変わらない。論外だ。こういう組合を抑えるためにも、社民党は環境大臣のポストを民主党に要求すべきではないかと思う」と指摘します。

 ■民主も社民も国民もお得な「福島環境大臣」
 民主党は民主党で利点があります。ちょっと卑怯かもしれませんが、支持労組の恨みをなるべく買わない形で、国際公約を達成する可能性が高まります。もちろん、その際、民主党側は福島さんをきちんと全力で支えないといけません。そうしないと、国際的にも国内的にも支持を失います。「抵抗勢力」の批判が福島さんに浴びせられたなら、我々民主党員はきちんと福島さんを守りつつ、労組を説得する側に回ればよいのです。

 社民党は独自性を出せます。支持基盤に電力労組がない社民党に環境政策を強力にさせることで、民主党は国際公約を達成しつつ、支持基盤の不満も抑えられます。もちろん、電力会社などとは関係ないような一般国民にとっても、社民党的な環境政策なら生活面で無理をせずに環境を改善できます。

 「福島環境大臣」で、こうした役割分担をうまく行なえば、民主にも社民にもお得な話だと思います。
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経団連/アメリカと民主党を巡る出来事   文科系

2009年09月12日 00時12分07秒 | 国際政治・経済・社会問題(国連を含む)
 総選挙以降、「新政権」を巡って早くも、日本全体に数々の変化が続出しているが、昨日の新聞も、僕には「隔世の感」があるような二つのニュースを報じている。一つは経団連と「新政権」の関係におけるある「象徴的な出来事」を。もう一つは、インド洋給油問題をめぐるアメリカとの関係に関わって。
一つずつ見ていこう。それぞれ初めの【】は見出しであり、後のそれは本文抜粋である。

【 経団連 縮まらない距離感 民主 】
これは、毎日新聞11日朝刊2面の記事である。小見出しは「温首相メッセージ 代理訪問で伝達」というもの。中身はこういうことだ。
9日に御手洗・経団連会長が温首相と会談した時、「鳩山代表と早期に会談を望む」とのメッセージを預かったが、会長ではなく経団連職員が代理で、この10日に民主党役員室長に届けたというもの。こんな表現がしてあった。
【 今回は、経団連側が『官邸で総理と会うのとは意味が違う』と、会長の党本部訪問を避けたとみられる。
 民主党が経団連を『政・官・財の癒着の象徴』とみなしていることも響いている。鳩山代表は衆院解散後、日銀の白川方明総裁や稲森和夫・京セラ名誉会長、日本総合研究所の寺島実郎会長らと相次いで会談したが、経団連幹部とは公の場で接触していない。鳩山代表との会談のきっかけとの見方もあった温メッセージ伝達が代理訪問に終わり、疎遠さはかえって鮮明になった 】
そう言えば、経団連の政党評価点・通信簿では、民主は自民よりもかなり低かったなと、思い出していた。


【 米報道官の「給油継続」要請 駐米大使が不快感 】
これは、10日に伝えられた米国防総省・報道官の同発言に藤崎一郎駐米大使が「決めるのは日本だ」と不快感を示したという記事である。11日夕刊4面に載っていたものだ。
【 藤崎大使は『日米にはこれまでの信頼関係があり、報道官を通じてやり取りする関係ではない』と強調。政権発足前に政策に口をはさんだモレル報道官の姿勢を批判した。
 モレル報道官は9日の記者会見で、民主、社民、国民新の3党が給油活動の打ち切りを検討していることに関し『活動継続を望む。日本は大国であり国際的な責任がある』などと述べた 】
藤崎氏の【不快感】は正しいものと思うが、その評価は難しい。こんな気もする。一つは、民主政権に評判が悪い外務省の、新政権へのゴマすり。官僚高官たちのうち、悪評高い個人は「駆け込み天下り」続出が示すようにあわてて逃げ出したようだし、残る奴はあわててゴマすりなのかなー。と、そう思ったりする。

いずれにしてもこういう光景は、「民主、自民の本質は同じ」という人から見れば、ポーズか策略的なものかであって、所詮意味のないものということになるのかも知れない。だとしたらそもそも、どうやって現実を動かすことができるのだろうか。国家道具説とは所詮そういったものだと、そう僕には思えてならない。
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国家戦略局と事務次官会議ほか                    (文科系氏のコメント再掲)

2009年09月11日 10時46分55秒 | Weblog
★コメントに時々もう少し多くの読者に読んでいただきたい記事が載ります。
 コメント欄は最初からその記事に関心のある方しか目に触れることが少ないのが残念でもあります。
 最近では政権交代にかかわって、国家戦略局が注目を浴びていますが、それについての論考が、このブログでほとんどありませんでした。
 そこへ、文科系氏が「新政権への日本共産党のスタンスに関わって」九月3日の投稿に引き続きコメント欄に「事務次官会議と国家戦略局」をはじめとして国家戦略局についてのタイムリーなコメントを載せてくれましたので、管理人の判断で投稿欄に再掲したいと思います。 今後も価値ありと判断したコメント、要望のあったものについては投稿欄に再掲します。(ブログ管理人)
 
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★事務次官会議と国家戦略局 (文科系)
                2009-09-06 13:17:34
かねて思っていたことに関わって、昨日NHK番組で触れられてより明確になったので、まとめてみたい。
事務次官会議主導政治と国家戦略局主導政治との、大きな違いについてだ。

最初に注意して欲しいことは、これ。
事務次官会議は全員一致制であって、1省でも反対があれば決まらない仕組みなのである。いかに各省既得権益を保証し合う組織であったかがよく分かる。
たとえ不合理、不経済な大きなダブリがいくつかの省内部に存在しても、けっして改善できない体制だということである。つまり、全く異なった時代に作られた制度が、なかなか変えられない組織中枢だということでもある。金も人件費も無駄ばかりということで、時代の移り目への対応は、財務省が音頭でも取るのだろうか。

さて、こんなことを考えてみて欲しい。こんな組織でこの「100年に一度の危機」、世界体制の移り目が乗り切れるものであるか。
政治で一番難しいことは、まさに組織のそれであって、こういうことだろう。「全体」を見ること、その中から「改善の勘所」をみなで押さえ、そこに焦点を合わせて皆で行動しあうこと、これだ。こんな危機にこんな事務次官会議で対していれば、数々の悪循環も放置してあることだろうし、「群盲像をなでる(失礼)」以外に何ができるかといいたいのである。

これにたいして、国家「戦略」局とは、よく名付けたものだと思う。うまく名付ければことが上手く運ぶわけではないし、悪循環しあった全体の「改善の勘所」以外の所に戦略が合わされれば、ヒトラーのようなとんでもないことが起こる心配も確かにある。
だが今は、以上のような視点を備えて、薬害エイズ問題で官僚と渡り合った菅直人氏がこの局長になったことだし、今後の「公正さ」、「全体改善の勘所」をちょっとは見ていたいものである。
国民も悪循環しあった全体の、その部分を守る運動だけではなく、この国家戦略局と同レベルの論議をしたいものである。これに反対するにせよい賛成するにせよ、「全体を見て、その勘所を」と僕も心していたいと思っている。

★「誤導された「部分要望」 (文科系)
                 2009-09-06 13:55:28

ガソリン暫定税廃止、道路特定財源取りやめ、高速道路無料化に各自治体首長が反対のようだ。これは残念ながら、自民党・官僚政治が意識的に作った「悪循環」の中から必然的に出てくるもの、物の分からない「群盲象をなでる」類の主張だと思う。
地方景気が特別に悪くされてきたことに対する、既得権死守の叫びとしては分かるのだが、次の一例だけで誤ったものとして崩されるという性格の物だと思う。
高速道路無料化の場合の詳細な経済的効果を、官僚が隠していたことが判明した。それもすごく大きい効果数字が出ているのである。なのに、それを隠して、値下げの場合の経済効果数値だけを出していたのである。
つまり全国の知事たちは、全く不十分な、判断を誤る数字だけで議論をしていたのである。官僚がやることはこんなことだ。僕らもそうならないように、誤導されないように心していたい。断片的知識ではなく、根本に関わる知識と正しい仮説・論理が必要なのだろうと思う。


★関連する新たなニュース (文科系)
              2009-09-07 11:59:30
小さい記事ですが、毎日新聞一面にこうありました。上の①の推論がそれなりに正しかったと自負しています。
「(岡田克也幹事長が福島瑞穂氏と会談し)福島氏の入閣も非公式に打診したとみられる」
大きな内容を持つニュースと思います。マスコミの予想はこうでしたから。
民主党が、数に物をいわせて、あるいは小沢一郎氏の意向で、他党に対しては(特に社民党などには)かなり横暴を通すのではないかと、報道されていました。
数でいえば308対7。公明党のような強い選挙協力を得られたわけでもありませんでした。自民党であれば閣僚を渡す数でしょうか。①に述べたとおり「自民党と違ってかなり公正に振る舞う」兆候ということだと、僕は思います。
三つ上のコメントにも書いたとおり、インド洋給油問題でも社民党とよく話し合って、その要望を聞いているようですし。
他方自民党サイドでは圧力団体の動揺が大きく始まっており、彼らがいかに利権団体化していたかが、改めてあぶり出されていますね。医師会、農協。また、滋賀県などの県議会で「自民会派11人離脱へ」(毎日新聞本日付)などの記事も出ていました。
世の中全体が「洞ヶ峠を極めこむ」の挙に出始めたようです。どんどんそうなるのでしょう。次の参院選も、民主は慎重に行動していますから自民勝利などとうてい予想はできない情勢ですし。
60年の自民党・官僚長期政権の数々の土塁、国中に張り巡らされた、不公正な利権構造は、これからもどんどん流動していくでしょう。これはとても大きいことだと思います。
代わりにこういうものを民主党が利用するようにと、官僚が手を換え品を換えて誘い込んでいる様子が知らされていますが(それが官僚の利権保証だからでもあるからです)、民主党には自民党にはないようなかなりの抵抗力があると、僕は見ています。これも公正さということ。とにかく今までの自民党・官僚体制は長すぎて、悪くなりすぎた。ここが現政局を見る場合に肝心な一つの視点だと思いますが。

★国家戦略局と官僚(1) (文科系)
                  2009-09-08 16:42:43 )

この両者、早くも火花ばちばちとやり始めた。この2,3日、新聞を読むのが面白すぎて、好きなギター練習も忘れるほどだ。
この火花を散らす双方とも、「国家道具説」の諸君の目には、同じ穴の狢の争い、目くそ鼻くそを笑う類と見なされるのだろうか?
本日のニュースはこんなところだ。これからしばらく、こんなことをここに書き込んでいこう。

【 主要閣僚人事が続々と内定する中、テレビでは財務相内定がなかなか報道されず、同省幹部は『うちは主要ではないのか』とつぶやいた」
「別の幹部は、『菅さんは副総理も兼ねるので財務相は格下。財務相は要というより下請け部隊になるのでは』と嘆いた 】(8日「毎日」朝刊2面)

さて、その菅直人国家戦略局担当相が、やってきた悪名高き国交省官僚トップに早くも、キツーイ1発である。痛快この上ない!
【 菅氏は3日夕、衆院議員会館の事務所を訪れた谷口博昭事務次官ら国土交通省幹部に『霞ヶ関の新しいビジネスモデル』と題した自らのインタビュー記事を手渡した。
『霞ヶ関解体で天下り団体を減らし、税金をより有効に使う』
『(解体に伴う地方分権で)国土交通省の職員数は5分の1で済む』と書かれた記事に、ある幹部が『国会含め全体のシステムが変わらないといけませんね』と感想を漏らすと、菅氏は語気を強めて『だからそれを変えるんだ。文句があるなら「国土交通党」を作って選挙に出なさい』。約30分にわたり『官僚主導を政治主導に』とまくしたてた 】(同紙3面)

さて、菅氏の国家戦略局担当就任は、小沢氏の人事ではないと思う。これも、民主党政権に「国家道具説」を適用するような主張を、退ける話と言えよう。菅氏は、薬害エイズ患者救済という公正さの看板があるからだ。だからこそ、こういえよう。「国家道具説」支持者といえども、官僚と菅氏のこのやりとりを、同じ穴の狢の言い合いとは、言えないだろうと。
財務相発表などが遅れているのも、連立政党と協議してからということのようで、これも以下にも公正であって、小沢的ではない。


国家戦略局と官僚(2)  文科系 (文科系)
2009-09-08 17:37:30

今届いた本日の夕刊に、こんな記事が載っている。

国家戦略局の柱になるべき3党政策協議で、当面の7項目に新たな2項目が加えられたという。 これだ。次いで、不一致点と、今後のその処理方を、外に対してオープンにしているのも、好感が持てる。
【 地球温暖化対策と憲法理念の順守の2項目を新たに盛り込むことで合意した。文言調整のため午後も協議を続けるが、焦点の外交・安全保障政策では、社民党が日米地位協定改定などを盛り込むよう要求したのに対して民主党は難色を示し、8日夕にも開かれる3党幹事長会議での協議に結論を委ねた。(中略)
 海上自衛隊のインド洋での給油活動、ソマリア沖の海賊対策に関しては文言調整の必要があるとして政策責任者レベルでの決着を見送った 】(1面)
なお、夕刊2面は、「もやい」の湯浅誠氏のインタビューがほとんどだが、湯浅氏はインタビューの前日に菅直人と面談しているとのことである。その上でこのような所感を述べている。
【「菅さんと政治メッセージ上のスタンスは近い」と湯浅さんは激変での混乱を懸念しつつ、期待感を強める 】
こういう大きな大きな新潮流に対して時代遅れの「国家道具説」などで対していれば、どんどん世の中から取り残され、孤立していくのではないか。


★国家戦略局と官僚(3)   (文科系)
               2009-09-10 13:20:13
見られるとおり僕は、国家戦略局を中心に置いてここでコメントを連載している。今後も続けるつもりだ。
最大の動機は、上記エントリー、拙稿が自分流で判断して、今の僕の政治論評の中で最も大切な物と位置づけているからである。ここが押さえられなければ、日本共産党は当面消えていくだろう。「確かな野党」を掲げて戦った東京都議選に惨敗したように。逆にここが押さえられ、「建設的な野党」が遅ればせながらぼつぼつとでも実行されていけば、生き残ると思う。生き残るだけではなく、献身的な党員たちの努力が当面の国民生活改善にもっと生かされていくのではないか。そればかりではなく、理論的改善も進まざるをえないはずなのだ。誤った「国家道具説」が脇に置かれ、「国家関係説」的な政治行動が広がっていかざるをえぬと思うのである。たとえ理論的にはなし崩しであるにせよ。
こんな理論対立が当面の激しい現実闘争にどんな意味がある?と言わないで欲しい。こんな意味がある。

人は当面の政治なり歴史的事件なりを見るとき、「客観的に事実を見て、語っている」などと語るならば、厳密に言えばみな嘘になる。自分の言動を自覚していないと言った方がよいかも知れない。
民主党の行動を見る場合を例にとって考えてみよう。「基本は大企業本位」、「軍事国家も目指している」などということだけが色眼鏡の役割をすれば、一切の民主党政策にそう対することになってしまう。細かい変化はどうでもよく、それらは何も見なくって、現実の運動、流動を高見で批判することにしかならないはずだ。つまり、とうてい事実など見ていないのである。それが客観的?
こんな態度は、最近の志位和夫委員長の見解から見てさえ?というものだろう。彼は、本日の新聞でこう述べたらしい。
【 あいさつに訪れた公明党新役員を前に『(鳩山代表が25%削減目標)を言われたことは歓迎だ』。さらに『一致点があるなら大いに今進めている方向を後押しすることも大事だ』と呼びかけ、環境問題で『民・公・共』の『部分共闘』の可能性を探るムードさえ漂わせた 】
どうだろう。民主党の25%削減が「譲歩」だとか「策略」だとか、そんなことどうでも良いではないか。同じく、「インド洋給油」は?「日米地位協定見直し」は?「事務次官会議の解散」によって官僚横断機関などなくし、各省個別で「国家戦略局・政府の文字通り事務機関とする」は?

ここの投書に、この志位発言よりも「遅れた物」が多すぎはしないか?

毎日新聞本日4面で、編集委員与良正男が良い観点を書いている。要約してみる。
まず、民主党を疑ったり、懸念を表明したり、「それ見たことか」などというのはひとまずもうやめようではないか。こんなのは急ぎすぎというものであって、今大切なことはこうだ。
国民が希望を託して1票を投じたのだから、「民主党の尻をたたくのが私たちの仕事ではなかろうか」。

【 例えば一口に官僚と言っても、幹部の話を聞けば確かにそんな(戸惑いの)話を口にするが、『今までは前例踏襲の仕事ばかりでうんざりしていた。今度は自分が考えてきた政策が実現できるかも』と政権交代に大きな期待を寄せている若い官僚たちが少なからずいることを私は知っている 】

【 政権交代に戸惑っているのはメディアかもしれぬ。だが、考えてみよう。省庁の縦割りを排し、予算の骨格や外交の基本方針を首相直属で一元化して決定するという国家戦略局が仮に上手く機能するようになったとする。その時には、私は○○省担当記者だ、政治部だ、経済部だ、社会部だなどと言っている場合ではなくなるはずだ。
これはとてもいいことだ。政治報道も変わっていくチャンスだと私は考えている】

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危機にある名古屋の里山保全に宮崎駿監督がエール

2009年09月10日 00時10分01秒 | Weblog
★全国ネット紙のJANJAN ↓に、 http://www.news.janjan.jp/area/0909/0909099967/1.php
宮永正義さんが 「 守れるか?宅地開発計画が進む大都市に残された豊かな自然」
というタイトルで地元名古屋の開発環境問題を取り上げています。是非読んでいただきたくて紹介します。  (ネット虫)
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 今や全国標準となったユニークな選挙スタイル「自転車街宣」の元祖・河村たかし名古屋市長が天白区平針字黒石に広がる里山を訪ねたのは、当選を決めた4月26日の直後、5月10日のことだった。およそ2時間の視察を終えた市長の感想は「ここはなんとか残さないかんわな~」という率直なものだったという。9月6日、専門家らがその里山で実施した学術調査に同行してみた。

 大量の農薬や化学肥料を使わず「戦前からの農法」をかたくななまでに守り、耕作してきた所有者が亡くなった昨年、開発業者が約5haの土地を買収した。
 愛知でなら、誰でも一度は試験を受ける「平針運転免許試験場」の西に広がる一帯は、奇跡的に農薬汚染を免れた在来植物などが繁茂する「水田やため池、湿地に雑木林」が広がり、日本の原風景といえる里山が1セットになっている。
 この問題で住民側は、業者は「分譲地」として開発許可申請を出しているが、実態は「宅地分譲地並びに私立小学校用地の開発」の虚偽申請だとし、更にいくつかの問題点を挙げ、名古屋市に再審査などの要請をしている。
 これを受け市長は「許可」を保留しているが、公園や緑地には指定されていない市街化地域のため、市長が「判を押せば事業開始」というところまで来ている。市は対策として買収を前提に調整を図っているようだが、解決の道は不明のままだ。

 しかし生物多様性条約締結国第10回会議(COP10)の名古屋市開催を来年秋に控えた市長にとって、大都市にわずかに残された「伝来の身近な自然を残せる」か、それとも「開発を優先する」か。就任以来、明確な業績がないだけに、悩ましい問題ではあろうが、決断次第では後世に残る功績となる可能性も高い。
生物多様性とはありふれたものがいろいろいること。
 そんななか、里山保存を訴える「平針の里山保全連絡協議会(代表:宗宮弘明名大教授)」宛てに1通の封書が届いたという。日付は09年7月12日。差出人は「隣のトトロ」の宮崎駿監督だった。以下、原文のまま転載させていただく。

 【平針の里保全連絡協議会のみなさんの活動を心から応援します。】
                    淵の森の会長  宮崎駿 
 人口が増える時代はすぎました。都市が拡っていく時代もおわろうとしています。今は虫くいのバラバラになった国土を再建する時代に入っています。
 乱開発してしまった土地を、人間といきもの達にすみやすい空間につくりなおす時代です。
 私達は、東京の東村山市と埼玉の所沢市の境界で、わずかに残った林を育てる活動をしています。
 遠くはなれていますが、志はひとつ。どうかみなさん、智恵と力とお金をあつめて、時間をかけて、少しでも良い結論にたどりつくよう奮闘して下さい。   

◇続いて、地元の方の声を紹介しよう。
 ぐるっと回って30分くらいのコンパクトな場所に奥山・ため池・棚田と里山の景観が楽しめます。木々の間をぬけると 目の前は急に開けて 駐車場・マンション・真新しい家々に驚きます。 
 平針運転免許試験場は名古屋市のはずれにありますが 昼間は10分刻みで市バスが 乗降する人が 免許証書き換えの車が 行き交う交通量の多い所です。その近くに 里山が残っていたのは 奇跡としか思えません。
 よくぞ残ってくれたこの里山、何とかこのまま次の世代に引きつがなくては。そんな思いで署名や募金を集めながら里山のPR活動をする毎日です。是非、平針の里山保全連絡協議会のHPを見て下さい。 貴舩育子

 どんどん開発が進み、ごくありふれた自然とも隔離されつつある都会の暮らしにとって、多様な自然がまとまって残った緑地は、たとえ規模が小さくても貴重な存在だ。子供たちの環境教育の場として、また気軽に自然に触れ合える場として、残すべき価値があると思うが、果たして市長はどんな最終決断を下すのか?引き続き、今後の動向を追いたい(宮永正義)
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ガーナ戦、「日本流」の勝利  文科系

2009年09月10日 00時03分19秒 | スポーツ
ガーナ戦、これこそ「日本流」の勝利だと思う。その鍵、総括の結論は、間違いなくこうだろう。
「相手を疲れ果てさせて、終盤に大逆転。5分で3得点」
「瞬発力のアフリカ勢を組織力で走らせ、後半に走持久力で競り勝ち」

ゲーム開始直後に思った。ガーナが日本ボールに対して、プレス、詰めてくる! アジア勢では、日本相手にこんな闘い方はどこもしないような。だがしかし、日本ボールには受け手が何人か走っているから、ボールは回る。相手のプレスは単発的で、けっして上手いとは言えないし。他方、相手ボールに対しては、かなり見え見えのパスだから、面白いようにカットが決まる。こうして、組織的走り方など、攻守の組織戦では、日本断然有利だ。当然だろう。あの世界第3位のオランダにも「ボール繋ぎ、ボール奪取などの組織走力技術」では70分ほどまでは互角以上の闘いを見せた日本なのだから。(前投稿参照)

さて、こうして、FWの抜け出しに合わせたスルーパスが、面白いように決まる。 先ず12分、前田がドフリーに。シュート、枠外! 次に、ケンゴに。やはり枠外。「ほんとにドフリー二つもはずすなんて、何やっとるんだ! 玉際で敵の脚が伸びてくるのかなー?」。と思った17分、岡崎が抜け出して、やはりドフリーのシュート。これは枠内、キーパーがキャッチ。
が、29分、敵1得点。敵右コーナーキックにファーで大男と競り合った長友がハンド、PKである。あそこは、長友を責められない。敵が高すぎたから、負ければ得点だったと思う。
だがさて、日本攻勢は依然として続いている。俊輔の枠内シュート、相手ゴール近くの相手反則から、日本フリーキックもたびたびだった。

この展開に僕は、こう考えていたものだ。
「相手は、疲れるぞ!これだけプレスに走り、そのくせボールも取れず、抜け出した日本FWにこれだけ追いかけダッシュを繰り返していては! それにガーナ選手は、走持久力としては疲れやすい体質じゃないかなー。無酸素筋系のようなむきむき体質の選手が多くて、有酸素筋が多そうな日本選手とは対照的だから」
「後半の後半が勝負だな」
本当にそう思ったのだ。

後半開始。その直後に信じられないことが起こった。
敵キーパーがけった長距離パスが日本ゴール近くへ。日本DF・中沢がそれにゆうゆうと追いついて、クリアー。と見ているその中沢めがけて後ろから走り込み、競り合いをかけた敵FW、見事に体を入れ替えてボールを奪ってしまったのだ。そのままゴールである。見たこともないような「敵ゴーールキーパーのロングパスが即アシスト!」 かなり先行していたのに追いつかれ、競り合いに負けた中沢はアジアナンバーワンDFとも言われ、これを子どものように扱った敵FWは、ギャンという。フランスはレンヌの稲本の同僚だ。まーもの凄いことである。こんなのを見せられると、見ている僕も顔面蒼白。ましてや、選手はーーーとそう思ったものだが、心配は無用だった。
攻め上がったトゥーリオにボールが通り、このシュートは枠内。日本優勢・敵は単発攻撃というリズムは、依然として続いていく。と見る間に、ケンゴが1得点。左の距離のある難しい奴だったが見事に決めてくれた。
私見だが、この得点がゲームを分けたと思う。1点取れば、終盤には敵が疲れ果てるだろうことは選手には分かっていただろうし、あとは疲れた敵に走りかって、フリーでリラックスして打てるかも知れないと、そう期待していたに違いない。

こんな調子が続いて以降、敵1得点で1対3。そこからの後半33分からだったか、5分で3得点。左角度のない所から玉田、抜け出した岡崎のヘッド、左から来たパスを敵と競り合った稲本が正面左の長めのシュート、と続いて、4対3の大逆転だった。あれだけ身体能力の高いガーナが終盤のゴール前で彼らを3度ともフリーにしたのは、こういうことなのだ。「走り回されて疲れ果てていた」「日本の走力、組織的パス力が勝った」と。これ以外の分析はありえないだろう。でなければ、あれだけの瞬発力、最後の競り合いに身体もぶつけられたろうし、それでもだめなら前半のように脚も出てきたに違いない。なんせ、ワールドカップアフリカ予選通過に際しては、無失点で乗り越えてきたチームらしいから。アフリカには多分、日本のように組織的に走り回れるチームはいないのだろう。

最後に一言。後半25分頃玉田(前田と交代)とともに入った本田(俊輔と交代)は、オランダ戦とは見違えるように走った。守備にもよく走り、敵攻撃には懸命に自陣にも走り戻っていた。けっしてスマートな走りとはいえなかったが。得点こそ取ってはいないが、この走りも、途中交代まで走り回って敵を疲れさせた前田や俊輔の走りとともに、「5分3得点」の最重要要件だったはずである。
こういうゲームこそ、得点者だけを見てはいけない。超絶個人技のガーナと違って、4点すべてが皆の走持久力と組織力とでもぎ取ったものだったと考える。

「驚異的身体能力・個人技のガーナ!」
「それに負けずに、2度の2点差を逆転し返した走力、組織力の日本」
まさに、岡田サッカーがはまったゲームだと思ったことだ。こんなに敢闘精神に溢れたスリリングなゲームは、めったに見られるものではない。

もっとも、忘れてはいけないことを、最後に一言。
あれだけの個人能力があるガーナが、世界32位と意外に順位が低い。サッカーで最も難しい組織力に難点があるのは間違いないのである。対する日本は、3位のオランダ監督をさえ驚かせた組織力・走力を持っている。得点力がないから40位と沈んでいるのだが、勝っても全く不思議はない順位差であって、そんなに喜ぶこともない。ただ、これだけは見えた。「敵を振り回し疲れさせ、終盤に走り勝って点を取る」。これが日本式の点取り法なのだ。
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民主・社民・国民新3党連立合意・・・外交・憲法は?

2009年09月09日 21時55分49秒 | Weblog
★朝日新聞の報道によれば民主・社民・国民の三党は、新しい連立政権を樹立することとし、三党連立政権合意書を発表したという。
 この中で「平和」に関する合意について転載します。内容についてご意見ください。※合意全文は下記をご覧ください。 http://www.asahi.com/politics/update/0909/TKY200909090292.html     (まもる)
===================
9、自立した外交で、世界に貢献

 国際社会におけるわが国の役割を改めて認識し、主体的な国際貢献策を明らかにしつつ、世界の国々と協調しながら国際貢献を進めていく。個別的には、国連平和維持活動、災害時における国際協力活動、地球温暖化・生物多様性などの環境外交、貿易投資の自由化、感染症対策などで主体的役割を果たす                                              ▽主体的な外交戦略を構築し、緊密で対等な日米同盟関係をつくる。日米協力の推進によって未来志向の関係を築くことで、より強固な相互の信頼を醸成しつつ、沖縄県民の負担軽減の観点から、日米地位協定の改定を提起し、米軍再編や在日米軍基地のあり方についても見直しの方向で臨む                                          ▽中国、韓国をはじめ、アジア・太平洋地域の信頼関係と協力体制を確立し、東アジア共同体(仮称)の構築をめざす▽国際的な協調体制のもと、北朝鮮による核兵器やミサイルの開発をやめさせ、拉致問題の解決に全力をあげる▽包括的核実験禁止条約の早期発効、兵器用核分裂性物質生産禁止条約の早期実現に取り組み、核拡散防止条約再検討会議において主導的な役割を果たすなど、核軍縮・核兵器廃絶の先頭に立つ▽テロの温床を除去するために、アフガニスタンの実態を踏まえた支援策を検討し、「貧困の根絶」と「国家の再建」に主体的役割を果たす。

 10、憲法

 唯一の被爆国として、日本国憲法の「平和主義」をはじめ「国民主権」「基本的人権の尊重」の三原則の遵守(じゅんしゅ)を確認するとともに、憲法の保障する諸権利の実現を第一とし、国民の生活再建に全力を挙げる。
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