Sixteen Tones

音律と音階・ヴァイブ・ジャズ・ガラス絵・ミステリ.....

建築と音楽

2008-12-07 19:31:58 | 新音律
五十嵐 太郎, 菅野 裕子 NTT出版 (2008/9)

*****出版社による内容紹介*****
「建築とは凍れる音楽である」この言葉は何を意味しているのだろうか? 本書では必ずしも正面から取り上げるわけではない。あまりにも強引な関連付けはむしろ危険ですらある。音楽と建築をつなぐ議論では、もともと異なる対象を共通の場所に置くために、どこか似ているところを発見しなければならない。そこで思考の跳躍が要請される。つまり、アナロジーの思考が両者をつなぐのだ。文学的・象徴的・構造的にさまざまなレベルを設定しうるだろう。
*****

久しぶりの堅い本.五十嵐氏は東北大学准教授.専門は建築批評と建築史.菅野氏は横浜国立大学大学院工学研究院建築学コース助教とのこと.全部で13章からなり,章ごとに著者が異なる.目次は
http://www.nttpub.co.jp/search/books/detail/100001658
に出ている.音響の本ではない.建築を空間芸術・音楽を時間芸術として,ふたつを対等に論じようとした本と言えば良いのだろうか.

序論のタイトル「美しき女神ムーサ、そして思慕し続けるデミウルゴス」だけ見ると,自分には縁のない本のようだが,中身はおもしろい.ただし,こういう美文調は,建築の本では常識らしいが,慣れていないので読みづらかった.図が小さいのも不満.歴史音痴には,年表があったらありがたかったのだが.

空間の単位と時間の単位の対比のなかで,音楽における時間の単位は小節であるとし,小節の起源と歴史がかなり詳しく述べられていて,なるほどと思った.
バッハの音楽がバロック建築ではなく,それ以前のゴシック建築に共通するものが多いとか,なるほど.
サティ,クセナキス,コルビジェなど,聞いたことのある名前が出てきて,なんとなく安心したところで読了.
コメント
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