クリスティのミス・マーブルもの「13の謎」の最初の短編「火曜クラブ」は,吸い取り紙に残った hundreds and thousands という語が鍵になっている.辞書で見ると
hundreds and thousands
① 無数
hundreds and thousands of birds|無数の鳥.
② ⦅英国用法⦆(菓子などの飾りに使う)あられ砂糖(⦅米国用法⦆nonpareil).
で,謎解きで 1 ではなく 2 番目の意味で使われたことが明らかになる.
図書館に訳本が 2 冊あったので拾い読みしたら,hundreds and thousands という語が最初に出てきた時点で,2 番目の意味を括弧で示した訳 (高見沢潤子 草原推理文庫) と,1 番目の意味しか示さない訳 (中村妙子 ハヤカワ・ミステリ文庫) があった.
どちらにしても冴えない.できることならこういう短編は日本語に訳さずにパスしたいところだが,ミス・マーブルもの最初の短編集とあっては全編訳さざるを得ないのだろう.
ふたつの意味を持つ適当な日本語に置き換えるのでは,翻訳を逸脱してしまうだし...
じつは岩波新書「ミステリーの人間学」を読んでクリスティを再読したくなったんだけれど, 小説の中でミス・マープル自身がしきりに人間性の観察を強調していることを認識した.
hundreds and thousands
① 無数
hundreds and thousands of birds|無数の鳥.
② ⦅英国用法⦆(菓子などの飾りに使う)あられ砂糖(⦅米国用法⦆nonpareil).
で,謎解きで 1 ではなく 2 番目の意味で使われたことが明らかになる.
図書館に訳本が 2 冊あったので拾い読みしたら,hundreds and thousands という語が最初に出てきた時点で,2 番目の意味を括弧で示した訳 (高見沢潤子 草原推理文庫) と,1 番目の意味しか示さない訳 (中村妙子 ハヤカワ・ミステリ文庫) があった.
どちらにしても冴えない.できることならこういう短編は日本語に訳さずにパスしたいところだが,ミス・マーブルもの最初の短編集とあっては全編訳さざるを得ないのだろう.
ふたつの意味を持つ適当な日本語に置き換えるのでは,翻訳を逸脱してしまうだし...
じつは岩波新書「ミステリーの人間学」を読んでクリスティを再読したくなったんだけれど, 小説の中でミス・マープル自身がしきりに人間性の観察を強調していることを認識した.