Sixteen Tones

音律と音階・ヴァイブ・ジャズ・ガラス絵・ミステリ.....

朝のコント

2009-10-09 08:41:12 | 読書
フィリップ 淀野隆三訳「朝のコント」岩波文庫(1961/05)
購入したのは2009年夏の一括重版中の一冊で.12刷.

解説は訳者.挿画はあるが画家の名はなし.

没後100年となるシャルル=ルイ・フィリップの短編集で,217ページに24編.
カバーの紹介をお読みください.

辞書によれば,コントとは,1 短編小説.特に機知に富みひねりを利かせた作品.2 笑いを誘う寸劇.
ついコント55号を思い出したりするが,このタイトルは1の意味.しかしこれらの短編は,機智に富んでもいないし,ひねりが利いてもいない.
ここではありふれた事件ばかりでなく奇妙な事件も題材となっている.こうした事件に意外なオチがあれば小説になるが,事件は事件としてそのまま終わってしまうのだ.
ただし,ときどき「食人種の話」「サタンの敗北」などの,変なのが混ざっている.

最初はなんだこりゃ...と思ったが,読み進むうちに止められなくなる不思議な本.これに比べると,O・ヘンリーとかサキとかの短編はいかにも作り物めいて見えてしまう.
同じ作家・訳者・岩波文庫で「小さき町にて」というコント集もある.読むつもり.
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

reading

/Users/ogataatsushi/Desktop/d291abed711d558e554bf7af66ee57d7.jpg