Sixteen Tones

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画家と化学者 色立体その 2

2009-12-27 10:27:18 | 科学
ドレミ...を指定するように,色を指定できないか.電話でイラストレータが印刷屋に「赤」といっても,それだけでイメージを伝えることはできない.そこで色の名前を体系化する必要が生じ,色立体はその途中でできたらしい.
現在 色立体というとマンセルの色立体のことだそうだ.マンセルは 20 世紀初頭の画家である.

マンセルの色立体はでこぼこしていて,純色のうち,最も明度が高いのは黄で,最も彩度が高いのは赤とされている.感覚的には「なるほど」と思うが,どういう根拠で定量化したのか (標準とされる体系だから立派な根拠があるとは思うが) よく分からない.

こちらの図はオストワルトの色立体.オストワルトはノーベル化学賞を受賞していて,岩波文庫に「化学の学校」という著書があったが現在絶版.色への接しかたは分光分析的.
彼の立体はマンセルのものよりずっとすっきりしている.W 白 B 黒 C 純色 の三角形をWCを軸として360度回転させるとオストワルトの立体になる.三角形の内部はW,B,Cの混合率をあらわし,Wに近ければ明るく,Bに近ければ暗く,Cに近ければ彩度が高い.

オストワルトの体系では明度・彩度は表に出てこないが,立体にすれば座標の取り方は同じである.また色相の決め方にもこだわりが感じられる.色を8つに限ってドレミファに例えたり,明度の尺度を対数にしたりするところは,音楽を意識している.

ぼく的には,画家の言うことより化学者の言うことのほうが分かりやすい.
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