Sixteen Tones

音律と音階・ヴァイブ・ジャズ・ガラス絵・ミステリ.....

ケプラーの「天球の音楽」

2010-04-07 08:51:09 | 新音律

千葉市立科学館でプラネタリウムを見学.渋谷で初めて見たときは感激した.たしか高校時代.あの時代にくらべれば,遥かに星の数が増えているのだそうだが,ぼく的には中央の巨大な蟻んこ投射器がすっきり丸くなり小さくなったのが良い.

そこで思い出したのが,以前 みなが仙人様も言及されたケプラーの天球の音楽.惑星の公転速度は,面積速度一定の法則に従い,太陽から遠いと遅く,近いと速い.この速度を可聴周波数に変換すれば音楽?になる.ちなみに地球では最小・最大比は 15/16 で,これは純正律のmiとfaの比である.ケプラーは当時の30年戦争にかこつけて,地球に はmisety (悲惨) と famine (飢餓) が繰り返し訪れると言ったそうだ.

各惑星について周波数変換して重ねるのは,計算機音楽ではかんたんなこと.ケプラーの時代には水星から土星までだったが,はじめて音楽化したのはRuffとRogers (1979) らしい.ここでは後に外された冥王星を含めた9惑星となっている.もちろん重ねた結果は不協和音の連続だが,ときどき協和音が生じる瞬間があって,それを発見するのが楽しみらしい.

これが音楽とすれば作曲は神 (発掘はケプラー) だろうが,人間に聴こえるように編曲?する際にいじれるパラメータがいくつかある.数字の厳密さにこだわっているのは Greg Fox の Carmen of the speresだろう.ここでは純粋な正弦波をつかっているが,いっぽうその名もずばり The Music of the Spehres というサイトでは音色を工夫して聴きやすくしている.どちらの作品も無料でダウンロードできる.ただし,どちらも長い! 水星から冥王星までを聴こえるようにしたためである.

日本語では音楽研究所のサイトには「ケプラーの惑星音階」というページがあり,音楽化するソフトウェアも公開されているが,Mac の OS ではだめらしい.

このYouTubeはプリンストンの計算機音楽のグループによるもので,英語の解説つき.



天球の音楽をプラネタリウムで聴くという試みもありうる.しかし,音感の鋭い方の中には不協和音を連続して聴くと気分が悪くなる方もおられる.ふつうプラネタリウムでは,途中入退場おことわりとされているが,ルールを緩めるんだろうか.
コメント (2)
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