Sixteen Tones

音律と音階・ヴァイブ・ジャズ・ガラス絵・ミステリ.....

告白

2010-04-17 09:10:01 | 読書
湊かなえ 双葉文庫 (2010/04)

「週刊文春ミステリーベスト 10」1 位・本屋大賞1位とか,気になっていたのが文庫化されたので購入.一気読みしてしまった.

幼い娘を生徒に殺された女教師の復讐譚.この先生はモンテ・クリストみたいに甘いところは見せない.連鎖的に殺人が続き,徹底して救いがないところがかえって快感.PTA に非難されそうな小説.

各章がそれぞれ,語り手の独善的な視点によるモノローグ.いわば芥川の「薮の中」形式だが,ちょっと冗長.まんなかの 2 章くらいは不要...というより,最初の章だけでも十分な気がする.長くなれば,興味は持続するが,読後 陳腐だったなあという思いも増大.それがエンタメ小説というもの,か.

映画化し 6 月公開予定.女教師役は松たか子だそうだ.小説ではヒロインは安全圏から登場人物を操っているだけだ.すこしは危ない目に遭ってくれないと映画としては物足りないんじゃないかな.
監督中村哲也へのインタビューがこの文庫本では解説代わり...というより,このページは映画の解説・宣伝みたい.映画化という視点で小説を読むとこうなるか,と思って読めばおもしろいが.

*** 寒いのでテンプレートを冬のに戻した.春よ来い. ***
コメント (2)
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