Sixteen Tones

音律と音階・ヴァイブ・ジャズ・ガラス絵・ミステリ.....

心拍メトロノーム予備実験 II 引き込み現象 ?

2015-09-09 08:28:53 | 新音律
心拍メトロノームの興味のひとつはリズムの引き込みであった.動画の2本のろうそくの炎は同期して,すなわち同じリズムで伸びたり縮んだりする.こちらにもいくつかの動画がアップしてある.放っておけば自然も人工物もシンクロしたがるのだ.
複数人で,たとえばジャズコンボで演奏するときにリズムを合わせる (シンクロする) のは,単に「合わせている」からだろうか.本当にスイングすれば,もっと深いところで生理的にリズムが合うのではないだろうか.
たとえば演奏中に心拍を測定したらどうなっているだろう?



複数で演奏するとき,互いに心拍を聴き合うことはできない.聞けるのは他人が出す音だけだ.それなら計算機が出す音を聴いて,それに合わせて楽器を演奏しても同じだろう.計算機のリズムと心拍が同期するのではないか?
というわけで,演奏と並行して心拍を測った結果が先日のブログ「心拍メトロノーム予備実験 I」である.テンポを与えたのは PC 上の Band-In-A-Box のリズムセクションで,リズムはスイングである.心拍測定には karadafit Heart を用いた.
演奏すると心拍は速くなった.テンポが速いほど心拍も速くなるが,同期はしなかった.心拍が遅くなることがないのは,演奏 (楽器はビブラフォン) が肉体的負荷をともなうためであろう.

前回は3拍子曲だったので,この度は4拍子に曲目を変え,演奏時間も長くしてみた.テンポは演奏直前の cpm 心拍に 10 を加えた値に設定した.



横軸が時間,縦軸が心拍数で,両矢印で示した区間で演奏した.
演奏の始めと終わりでは前回同様心拍数が一時的に高揚した.
贔屓目に見て,引き込み同期と思えるのが Round Midnight であった.四分音符=85 のテンポ設定に近い値まで心拍が上がった.
ブルース Bag's Groove では 160 に設定したテンポに対し心拍がその半分,80 になることを期待したのだが,75 弱という結果であった.
前者ではベースが 85 でウォークするのに対し,後者では 160 であり,そのため前者のほうが同期しやすいと思われる.先日の「実験 I」ではワルツの毎分の小節数が心拍と一致することを期待したのだが,結果はイマイチであった.少なくともこの奏者 (自分のこと) の場合は,心拍の同期にはバスドラとかベースとかのはっきりしたリズムが必要なのかもしれない.

考察,ただし大部分は前回の繰り返しです.
1) 自分すなわち 74 歳を被験者として採ったデータが標準的ではないかもしれない.感性が鈍くなってして,心理から生理への伝達がうまく行っていない可能性大である.最近は飲んでから酔うまでが長い!
2) 実際のバンド演奏と違い,Band-In-A-Boxl に合わせるのではイマイチ心が弾まない.自然界で観察される現象,蛍の一斉点滅や蛙の合唱などには群集心理 (のようなもの) が作用しているようだが,計算機にはココロがないから,こちらは受け身にしかなり得ない,.
3) 「テンポが早ければ肉体的に負担が大きいから心拍が早くなる」とは断言できない.この奏者の場合,手数すなわち演奏を楽譜化したときのオタマジャクシの数は,テンポが早ければ多いとは限らない.テンポが早ければ単純な演奏だが,遅いと余裕が生じていろいろなことをする傾向があるからだ.これをはっきりさせるには演奏自体を録音すればよいのだが,iPhone が一つしかない.
4) 心拍の測定結果を数値データに変換して残す方策が必要.PlotDigitizer というアプリを試みたが,PC 画面でいちいち測定点をぽちらなければならないので,嫌になった.Bluetooth の生データは数値だから,自分でアプリを作れればいいのだが...
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

reading

/Users/ogataatsushi/Desktop/d291abed711d558e554bf7af66ee57d7.jpg