Sixteen Tones

音律と音階・ヴァイブ・ジャズ・ガラス絵・ミステリ.....

ご隠居さん

2015-09-29 08:36:33 | 読書
野口卓「ご隠居さん」文春文庫(2015/4).

「BOOK」データベースより
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腕利きの鏡磨ぎである梟助じいさんは、落語や書物などの圧倒的な教養があり、人あたりもさわやか。さまざまな階級の家に入り込み、おもしろい話を披露し、ときにはあざやかに謎をときます。薀蓄は幅広く、情はどこまでも深い。このじいさんの正体やいかに…。江戸の“大人”を描く、待望の新シリーズ誕生!
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6編から成り,最初の2編「三猿の人」と「へびジャ蛇じゃ」は落語の解説みたいだったが,尻上がりにおもしろくなった.
次の「皿屋敷の真実」では梟助じいさんの話の聞き手と,講釈の登場人物が重なる.「熊胆殺人事件」は文字通りミステリで,「椿の秘密」は強いて言えば SF ファンタジー? 

最後の「庭蟹は,ちと」は人情噺ふうで,このじいさんの正体が明かされる. 「熊胆...」は,じつはあまり面白くなかったのだが,この中の話し相手である旗本の推理が「庭蟹...」でものを言う.
正体をバラしてシリーズ化が可能なんだろうかと思うが,書店には2冊目「心の鏡」が出ていた.

文庫書き下ろし.解説 柳家小満ん.参考文献リストあり.

著者は 67 歳で「軍鶏侍」で小説家デビューしたとのこと.
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