Sixteen Tones

音律と音階・ヴァイブ・ジャズ・ガラス絵・ミステリ.....

あの日、マーラーが

2015-12-10 11:13:52 | 読書
藤谷治 朝日新聞出版 (2015/8/7)

Amazon より,内容(「BOOK」データベースより)*****
2011年3月11日。東京・錦糸町の錦糸ホールで新世界交響楽団のコンサートが開かれようとしていた。演目はマーラーの交響曲第五番。しかし、14時46分、東日本大震災が発生する。そんな中、3カ月前に離婚したばかりの八木雪乃、音楽評論家の永瀬光顕、アイドルおたくで今は楽団のヴァイオリニストのファンである堀毅、夫亡きあと、三田のワンルームマンションで暮らす川喜田すずらは会場に向かうが…。.
*****

震災当日に実際にあったコンサートをモデルにした小説.ダニエル・ハーディング指揮,新日本フィルハーモニー交響楽団の演奏で,会場はすみだトリフォニーホール.その模様は1年後,NHK『3月11日のマーラー』として放映された.

小説でも,こんな局面でコンサートなんか...という疑問が再三投げかけられる.テレビ映像では終盤に,ハーディングを囲む観客たちの記念写真が現れるが,1/4ほどの人びとの顔にモザイクがかかっていたそうだ.

さて小説は,上記データベースのように,4人の観客を軸に展開する.他にはオーケストラにエキストラとして第二バイオリンの末席に座る演奏家,ホールの事務担当者なども登場する.実は16トンはマーラーの五番は聞いたことがないか,あるいは聞いたかもしれないが忘れた程度なので,素直に感情移入できたのは若くてメタボでアイドルおたくの堀くんと,年齢が近いすずさんだった.音楽評論家・永瀬氏の言うことは小難しいが,全体的に中間小説調.第一楽章の出だし以下,演奏の描写が上手い.

図書館で借用.

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