Sixteen Tones

音律と音階・ヴァイブ・ジャズ・ガラス絵・ミステリ.....

寝ても覚めても夢

2015-12-21 07:34:24 | 読書
ミュリエル・スパーク, 木村 政則訳,河出書房新社(2015/1).

Amazon からの引用 *****内容(「BOOK」データベースより)
意地の悪さが痛快な、イギリスのブラックユーモアの女王が贈る、奇妙な家族の物語。映画監督のトムは、撮影中の大事故で瀕死の重傷を負った。九死に一生を得て現場に復帰するも、ままならぬことばかり。タイトルは二転三転、製作陣からは横槍が。得意なはずの女優たちの扱いにも手こずる始末。そんななか、トムの次女が失踪した。まったくかわいげのない娘ではあるが心配だ。金目当ての誘拐か、有名人の父親に反抗しての蒸発か。行方がつかめぬまま、今度はトムの知人が銃撃され…現実が見えない男とドライな女たちの滑稽な駆け引き。*****

訳者あとがきさえ読めば,本文は読まなくてもいい,というのは言い過ぎか.ただし「ミステリーにあふれた」というのは,誤解を招く.

この小説の中には,失業者ばかりだが,皆全然困っている様子がなく,不倫ばかりしている.別な世界,別な宇宙の話.著者が作った前提を受け入れた上で楽しまなければいけない点は,SF と同じだ.そう割り切れば悪くはない.いろいろ深読みができそうだが,その気にはなれない.
短編集がすでに出版されているが,この作家は短編の方が良いかもしれない.

著者はタイムス誌の「戦後,偉大な英国人作家50人」に選ばれたとのこと,「戦後,偉大な日本人作家50人」を選んだと仮定したら,50位あたりにスパークに対応する作家が存在しそうに思う.

図書館で借用.
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