Sixteen Tones

音律と音階・ヴァイブ・ジャズ・ガラス絵・ミステリ.....

閉管での missing second

2018-03-01 10:33:07 | 新音律
パンフルートのような「完全な閉管」は奇数倍音しか出さない.ド・ミ,ド・ソの組み合わせが調和するのも,偶数倍波が仲介しているからだ.
しかし「完全な閉管」からも,じつは2倍波だけは聞こえるのではないか?


これは missing fundamental なる現象の説明.100Hz,200Hz,300Hz,...,1000Hz の 10 個の純音を同 時に聴くと,基本波 100Hz の高さの音と感じる,上記 10 音から 100Hz の純音だけを消し去り,200Hz,300Hz,..., 1000Hz の9個の純音を同時に聴いたときにも,100Hz の 音を感じる.さらに,200Hz も取り去って 300Hz から始まる8音を聴いても,100Hz の音を感じる.この 100Hz を missing fundamental すなわち「存在しない基本波」と 言う.

図(e)は300Hz,400Hz,500Hzだけを足したときだが,(f)の100Hzと同じ周期があるように見える.しかしスペアナでは100Hz,一番上のグラフの点線は出てこない.公差100Hzに騙されるのだ.

これがチャチなスピーカーでも低音が感じられる理由だそうだ.

この前から気になっている閉管からの音.先日のスペクトルを模式的に描いたのが下の一番上.2f_0の等間隔で規則正しく並んでいる.最初の例で公差が錯聴されるのなら,この閉管の場合も公差が錯聴されそうだ.


3・5・7・9・11倍波を足すと一番下の図形になる.スパイクが2f_0間隔に並んでいるが,よく位相まで見ればスパイクもやはり基本周波数f_0の一部ではある.ヒトの耳はスパイク周波数を2f_0と感じるだろうか?

正弦波の組み合わせから音を作るのは簡単.しかし一番下の音から,2f_0が聞こえたか/聞こえなかったかと言われると,微妙.「オクターブの等価性」というもう一つの錯聴問題が絡んできそう.
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