Sixteen Tones

音律と音階・ヴァイブ・ジャズ・ガラス絵・ミステリ.....

完全な閉管に最適な音階 ?

2018-03-06 08:38:53 | 新音律

2/203/1 のつづき.

三つのグラフは不協和曲線と称するもの.横軸はセントで,100セントが平均律の半音で,1200セントが1オクターブで,横軸は2オクターブまで.いちばん上の図には左端をドとしたときの階名が入れてある.

縦軸は左端の音との不協和度で,一番上のグラフの左半分では,ミ・ファ・ソ・ラ付近で不協和度が小さくなる.このような主音との不協和度が低くなる音を拾っていったのがドレミ...である.レとシはそれぞれ下のドと上のドに近くて,不協和度が高いのだが,この辺りに音がないとメロディができないので,存在するのだろう.

不協和曲線は,楽音のスペクトルから計算する.それぞれの図の元となったスペクトルを右上の囲みに示した.一番上のスペクトルには,基本波・2倍波・3倍波・4倍波・5倍波...が揃っている.弦楽器・開管楽器のスペクトルである.いちばん上のグラフは,ドレミ...はこうした楽器に適している,というより,こうした楽器のための音階であるということを示している.

まんなかのスペクトルは基本波・3倍波・5倍波...から成り,偶数波に欠ける.「完全な閉管」のスペクトルである.上に比べると殺風景.オクターブに相当するのは周波数比3にあたる1900セントである.既存のドレミ...は不適当で,曲線に谷を与えるセント値を拾い,さらにいくつか補充して,新しい音階を作るのが良さそうだ.

ところが,中のグラフの周波数スペクトルは基本波周波数の2倍 (2倍波の周波数) を公差とする等差数列であるから,われわれは missing second を錯聴するかもしれない.そこで中のスペクトルに2倍波を補充したスペクトルを仮定し,これに対する不協和曲線を求めた結果がいちばん下である.上・中と共通する谷も存在する.オクターブは1200セントとも1900セントとも受け取れる.

とにかく,中あるいは下の曲線に極小値を与えるセント値を中心に「完全な閉管に最適な音階 」を作って作曲したり演奏したらおもしろそう.いくつかヒットする音があば平均律で行きたいが,難しいかもしれない.
手製のパンフルートと,MAXでつくった電子音の共演で遊べるのではないかな...
コメント
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