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Sixteen Tones

音律と音階・ヴァイブ・ジャズ・ガラス絵・ミステリ.....

森林官が見た 山の彼方の棲息者たち

2018-09-19 09:26:35 | 読書
加藤博二 河出書房新社 (2018/8).1937 年刊「深山の棲息者たち」の再刊.なぜ今? とは思うが,同じ著者による「森林官が語る 山の不思議 飛騨の山小屋から」も,おなじ出版社から 2017/9 に刊行されている.

全24話.タイトルから好奇心を刺激したものを挙げると,
 山女,密造酒,巌窟ホテル,猿の宝もの,性神を祀る村,娘のいない村,略奪結婚,...
山の未婚の男女は精神的恋愛には無縁だが性的には早熟で奔放.しかし結婚後は至って固いというのが著者の認識らしい.

しかし
 森林官の生活,山火事,雪崩,雪の猟師
のような生活に密着したタイトルも読み応えがある.

ワンゲルと称して山の中をうろついたのは 1960 年代以降だが,多少はこの本の刊行時の雰囲気が残っていたような気もする.

Amazon の内容(「BOOK」データベースより)*****
奥山の残酷と至福の物語。山役人というものは山奥を生活の場とする。山の彼方で、山暮らしに一生を終わる、さまざまな人と袖振り合う。炭焼き、猟師、山宿の親爺、サンカ、薬売り、山芸者、山娘、蘭を愛でる病人…だれもがみな、懐かしい想い出のひとたちだ。*****

文体には,戦前の大衆文学のような趣があった.
カバーは吉田博の版画.
☆☆☆☆
図書館本.
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