Sixteen Tones

音律と音階・ヴァイブ・ジャズ・ガラス絵・ミステリ.....

そしてミランダを殺す

2019-01-16 10:58:44 | 読書
ピーター・スワンソン, 務台 夏子 訳,創元推理文庫(2018/2).

Amazon の商品説明*****
内容紹介
この展開、予想できるはずがない!
英国推理作家協会賞最終候補作
ある日、ヒースロー空港のバーで、離陸までの時間をつぶしていたテッドは、見知らぬ美女リリーに声をかけられる。彼は酔った勢いで、1週間前に妻のミランダの浮気を知ったことを話し、冗談半分で「妻を殺したい」と漏らす。話を聞いたリリーは、ミランダは殺されて当然と断じ、殺人を正当化する独自の理論を展開してテッドの妻殺害への協力を申し出る。だがふたりの殺人計画が具体化され、決行の日が近づいたとき、予想外の事件が起こり……。男女4人のモノローグで、殺す者と殺される者、追う者と追われる者の攻防が語られる鮮烈な傑作犯罪小説。
解説=三橋曉
*****

3部 全4章構成.第1部のタイトルになっている「空港のバーのルール」とは,ゆきずりの場所でゆきずりの相手とかわした会話の内容は残さないということ.しかしこの空港でのテッドの相手リリーは隠れた殺人狂.ぼくが予想した展開は第1部最後で実現してしまい,その後が長い.

各章のタイトルは,テッド,リリー,ミランダ,キンボールのいずれかで,その章はタイトルとなった人物のモノローグ.第1部の章タイトルとなるのはテッドとリリーだが,第2部以降ではテッドが消え,代わりに刑事キンボールが登場,リリー,ミランダを加えた3者によるドタバタとなる.

「ふたたび獲物を見つけて,私はわくわくしていたのだ.殺すという行為は,わたしにとって,長年掻いていなかったいなかった小さな痒みなのだった」と自己分析するリリーは美女で,キンボール刑事も虜にする.彼女によるいくつかの殺し場面がリアル.
結末には既視感.

原題 The Kind of Worth Killing.邦訳のこのタイトルはどうかなと思わないでもない.

帯の惹句によれば,「このミス」「週刊文春」「ミステリが読みたい」第2位.これらの3誌では第1位も一致して「カササギ殺人事件」.
☆☆☆☆
コメント
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