Sixteen Tones

音律と音階・ヴァイブ・ジャズ・ガラス絵・ミステリ.....

孤島の祈り

2019-01-29 07:31:06 | 読書
イザベル・オティシエ, 橘 明美 訳,集英社 (2018/2).
訳者は「その女アレックス」シリーズも手がけている.

Amazon の商品の説明 (抜粋) *****
運は尽きた.ペンギンも喰らった.
氷河を抱く絶景の無人島に取り残された夫婦に迫る運命とは――
女性海洋冒険家による、驚異のサバイバル小説.
慎重派のルイーズと、楽天家のリュドヴィック。「思いきり生きよう!」と冒険に出た若い夫婦は、南極近くの無人島に上陸した際、突然の嵐に船を奪われてしまう。
ペンギンを捕獲して腹を満たす日々。極限の生活は、人間の身体と心を蝕む。
ふたりは、お互いの信頼の絆を失っていく……。
女性で初めてレースにおける単独帆船世界一周を果たした海洋冒険家が、人間の脆弱な生と愛を描く。フランスのベストセラー漂流小説!*****

以下 ネタばらしあり.

ロビンソン・クルーソーが漂着するのは温暖な孤島だが,こちらは南極近くの孤島で,季節は秋から冬.廃墟と化した捕鯨基地に,辛うじて衣・住は確保するが食は大問題.もうひとつの問題は夫婦関係 (むしろこれが作品全体のテーマだったかもしれない).
主として妻=ルイーズの立場から,女流作家により,夫はステレオタイプに描かれていて,ちょっと気の毒.この長身・イケメン・向こう見ずでわがままなお坊ちゃんの行動が次々にトラブルを招く.逆に妻はチビだが実はスーパーウーマン.結局は登山家の妻が夫を見捨てる形で運よく (運が良すぎてしらける!!) 生き残る.ここまでが第1部.これでもか・これでもかというサバイバル描写は,読むのがつらいが,そこそこ楽しそうな場面もないではない.

第2部は生還した妻の,夫を見捨てたことへのトラウマと,マスコミや世間との格闘が描かれる.やや冗長.

おもしろかった!!

図書館本.☆☆☆☆
コメント
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