Sixteen Tones

音律と音階・ヴァイブ・ジャズ・ガラス絵・ミステリ.....

「てのひらのえんぎもの」という本

2019-01-28 09:56:41 | 読書
一昨日の裸雛を知った本.
佐々木一澄「てのひらのえんぎもの-日本の郷土玩具」二見書房(2019/1)
について.
カットはもう終わった展覧会「日本の郷土玩具」のポスターより.

網羅的ガイド本ではなく,少数例について深く狭くとりあげる方針.たっぷり主観的な「ですます調」.いちおう北から南へと地方別に分類されているが,「北海道・東北地方」という項目に北海道の郷土玩具は見あたらず.そのかわり東北ものは豊富...

原則的に見開き2ページがイラスト,続く2ページが文章.しかしこの原則は随時破られる.
郷土玩具の作り方が具体的に箇条書きで示され,工房のイラストが挟まれることもある.浜松張子では,現在制作に当たるお嫁さんが描く表情が先代=義母のものと比較されるとか,その晩年の義母に「娘と一緒にはりこづくりがてきるなんて,ほんとうに幸せ」と言われたとか...

京都の「起き上がりめぐり」,東北6県の伝統こけしの表情などは,イラストで比較されている.南部系こけしにだけ顔がない.今ではほとんどの南部こけしは顔があるが,もとをたどればこどもの「おしゃぶり」だったから彩色はなかったと聞いたことがある.

「廃絶した玩具たち」という悲しくさびしいイラスト集もある.

巻末には本で取り上げた工房・販売店の住所電話HPリスト.
図書館で借りたが,自分の本棚に欲しくなっている.
コメント
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