Sixteen Tones

音律と音階・ヴァイブ・ジャズ・ガラス絵・ミステリ.....

コーラスの音律 : ダーク・ダックス伝説

2020-07-22 11:14:48 | 新音律
名著「ゼロ・ビートの再発見 - 平均律への疑問と古典音律をめぐって」復刻版 (株)ショパン(2004/3) には,ダークダックスのコーラスは純正律であるというくだりがある(第1部1章①).先日,SNS 上でダークダックス・コミュを管理しておられる方から,この小生のブログにコメントをいただいたのを機会に,この「ダークダックス伝説」をスペクトルで確かめてみる気になった.

サンプルは,アカペラで歌うロシア民謡「赤いサラファン」の,この楽譜で4小節目の最初の音.「赤いサラファン縫うてみてもー」の「も」である.Amadeus Pro version 2.8.3 によりスペクトルをとった.似たようなところに複数の線があるのは,歌い手が複数だからと思ったが,下のソノグラムによれば,ビブラートのためとわかった.
線スペクトルを音符に換えてみた.D4 B3 F#3 A#2音がそれぞれトップテナー,リードテナー,バリトン,バスである (パート割の同定は東京 citizen 氏による).ステレオのチャネルを個々に解析すれば,誰が (パクさんが・マンガさんが...) どのラインと,もっとはっきり同定できるであろう.



F#4 対 D4,B4 対 D4 の周波数比を赤い数値から求めて表にすると,この場合の和音は純正律ではなく平均律に基づいていることがわかる.

たった1音でつべこべ言うな ! もっとたくさんサンプルを取らなければはっきりしたことは言えない,と言われそうだし,そのとおりではあるが,けっこう面倒くさい.興味をお持ちの方はご自分で試してください.
純正律であろうと平均律であろうと,ダーク・ダックスは良いです.

コメント (21)
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