Sixteen Tones

音律と音階・ヴァイブ・ジャズ・ガラス絵・ミステリ.....

「クロームハウスの殺人」

2022-08-30 08:25:49 | 読書
G.D.H. & M・コール, 菱山美穂 訳「クロームハウスの殺人」論創社 (論創海外ミステリ   2022/6).

夫婦合作.巻末の羽住典子による解説「夫婦合作という形式の推理小説」によれば,このペアは長編だけで 27 冊を刊行しているそうだ.16 トンは6年前に短編集「ウィルソン警視の休日」を読んでいた.国内では折原一・新津きよみ夫妻に合作があるが,こちらのおふたりは合作は二度とごめん らしい.

原書の刊行は 1927 年.イギリスの古き良き探偵小説らしい快調なすべり出しだが,登場人物が多く,巻頭の登場人物リストは人数を絞りすぎ.地図も欲しいところ.

オートバイを使ったアリバイ工作は今では単純すぎる.ミステリとしてはまぁまぁだが,小説としてはおもしろい.
主人公は大学講師で,素人探偵として徒手空拳で事件に立ち向かう.外見で善玉悪玉を判断する.一歩おいた客観的な記述がおかしみを誘う.
日本人学生を指導する場面がある.百年前の日本人観は今とあまり変わらないようだ.

最後に主人公が叔母に結婚を相談して馬鹿にされるのがおかしいが,夫婦どちらのアイデアだろうか.

図書館で借用.

コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 庭先法面の崩壊 | トップ | 美術館のふしぎな学校 »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

読書」カテゴリの最新記事