文藝春秋9月号.芥川賞受賞作である沼田真祐「影裏」はすでに単行されている.Amazon の内容紹介によれば
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大きな崩壊を前に、目に映るものは何か。
北緯39度。会社の出向で移り住んだ岩手の地で、
ただひとり心を許したのが、同僚の日浅だった。
ともに釣りをした日々に募る追憶と寂しさ。
いつしか疎遠になった男のもう一つの顔に、
「あの日」以後、触れることになるのだが……。
樹々と川の彩りの中に、崩壊の予兆と人知れぬ思いを繊細に描き出す。
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出だしの生出川 (おいでがわ 興味があったので調べたら実在していた!) に釣りに出かける場面は山岳小説みたい.芥川賞がこんなに快適でいいのか! と心配したが杞憂であった.だんだんつまらなくなり,あと何ページ... と勘定しているうちに読了した.
選評のうち,村上龍の「作者が伝えようとしたことが発見できなかった」に共鳴.片岡義男作品のように,伝える内容も努力がありそうもなければ,安心して読めるのだが,それでは芥川賞にならない.この「影裏」には東日本大震災,同性愛,経歴詐称などの話題がてんこ盛り.僕という読者の場合はそれらをうまく集約できなくて欲求不満になった.
文春そのものは例によって月刊週刊誌,と言いたいが,歴史的にみれば週刊文春が細分化したのがいまの週刊誌たちなんだろう... と,ここまで書いて調べたらそれは違って,サンデー毎日 1922-,文藝春秋 1923- であった.でも大手出版社の週刊誌や女性週刊誌は 1950 年代以降の創刊が多い.
大特集は「泥沼の自民党大研究」だが,大山のぶ代マネージャーの手記が切実に感じられた.
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大きな崩壊を前に、目に映るものは何か。
北緯39度。会社の出向で移り住んだ岩手の地で、
ただひとり心を許したのが、同僚の日浅だった。
ともに釣りをした日々に募る追憶と寂しさ。
いつしか疎遠になった男のもう一つの顔に、
「あの日」以後、触れることになるのだが……。
樹々と川の彩りの中に、崩壊の予兆と人知れぬ思いを繊細に描き出す。
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出だしの生出川 (おいでがわ 興味があったので調べたら実在していた!) に釣りに出かける場面は山岳小説みたい.芥川賞がこんなに快適でいいのか! と心配したが杞憂であった.だんだんつまらなくなり,あと何ページ... と勘定しているうちに読了した.
選評のうち,村上龍の「作者が伝えようとしたことが発見できなかった」に共鳴.片岡義男作品のように,伝える内容も努力がありそうもなければ,安心して読めるのだが,それでは芥川賞にならない.この「影裏」には東日本大震災,同性愛,経歴詐称などの話題がてんこ盛り.僕という読者の場合はそれらをうまく集約できなくて欲求不満になった.
文春そのものは例によって月刊週刊誌,と言いたいが,歴史的にみれば週刊文春が細分化したのがいまの週刊誌たちなんだろう... と,ここまで書いて調べたらそれは違って,サンデー毎日 1922-,文藝春秋 1923- であった.でも大手出版社の週刊誌や女性週刊誌は 1950 年代以降の創刊が多い.
大特集は「泥沼の自民党大研究」だが,大山のぶ代マネージャーの手記が切実に感じられた.
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