2008 年に Nature に出たとき話題になったらしいが,言われて初めてちゃんと原論文を読んだ.
この現象,triboluminescence と言うのだそうで,Wikiにもあった.巻かれたテープをはがすときに発光する現象は1930年代から知られているが,X線は1953ロシア人の発見.
下の図はテーブをはがしつつある状態.表面裏面に局所的に正負に帯電した領域が生じ,正領域から対岸の不領域に引かれて飛び出した電子が,大気中では途中でガスと衝突して可視光を出す.真空中では,右の図のように電子は 対岸に達し,制動放射で x 線を出す,と説明していた.x線のエネルギーは 10keV 台だが,パルス幅が ns 台と短いのが特徴.
真空にしないと x 線は出ないので,ふつうの使い方では健康には影響なし,です.
原論文では実用化を云々しているが,テープを浪費するところが馬鹿馬鹿しい.著者のグルーブは2008-9 年あたりにはいろいろやっていたらしいが,その後動きがない.
局所的に帯電というのは,セーターを脱いだときに感電することを思い出させる.
バンデグラフ加速器は,摩擦で生じた電荷を貯めて高電圧を発生する.テープ x 線現象も,エッセンスは中学高校の学習用おもちゃバンデグラフと同じかも.