Sixteen Tones

音律と音階・ヴァイブ・ジャズ・ガラス絵・ミステリ.....

残るは食欲

2015-09-19 09:29:41 | お絵かき


「残るは食欲」は阿川佐和子さんのエッセイ集だが,ずっと「残るは食イケ」というタイトルと思い込んでいた.

てんぷらのネタは,A 級ではさいまきだが,B 級グルメでは大正海老あるいはブラックタイガーになる.
ふつうは筋を切って真っ直ぐにするが,大きいのが 90 度お辞儀をしているように揚げるのも面白い.

CD ケースに内側からアクリル絵の具.ガラス絵の要領である.
反省点 : 油が黒すぎ,海老は赤すぎ,向こうにあるピーマン (のつもり) が手抜きであった.
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織田廣喜「絵筆とリラと」

2015-09-18 08:30:32 | お絵かき


ぶんろ書店の閉店記念?に一冊と
 松尾 孝司「絵筆とリラと 織田廣喜聞書」西日本新聞社 (1998/09)
を購入.定価 2000 円に 500 円のラベルがあったが,閉店セールで 250 円.

Amazon「MARC」データベースより*****
尽くす愛、老いの愛…。常に寝たきりの妻の傍らで制作、二科会とともに歩みつづける洋画家・織田広喜の絵画への情熱と、妻リラさんとの愛の軌跡。夫婦の生きるかたち、生きる喜びを綴る。*****

織田廣喜 (1914-2012) は前二科会理事長.福岡県出身でこの本は福岡の西日本新聞連載の「聞き書きシリーズ」が母体になっている.
リラ夫人がくも膜下出血で倒れ,植物人間化して亡くなるまでの 15 年の記録でもあり,先日ここに書いた「長生きはめでたいことなのか 」へのアンチテーゼみたいな内容.とは言え,お手伝いさんは4人,うち3人は交代で介護という体制で,世間の常識とはかけ離れている.

やはり貧乏時代の苦労話が面白く,写真の夫人もハツラツとしている.
基調は「偉くなるのは良いこと,絵が売れるのは良いこと」であって,良く言えば健康的,悪く言えば俗物的.これが東郷青児以来の二科の伝統なんだろう.新聞へのサービスらしく,九州の二科会会員を紹介したページもある.

織田画伯の小品はデパートの展示会などでもよく見かける.どれも同じようで,あまり高くない.たくさん描きすぎたのだろう.
ミュゼ・オダ,織田廣喜美術館と,二つの個人美術館があるそうなので (滋賀県にあった織田廣喜ミュージアムは閉館),機会があれば若いときの大作を鑑賞したい.
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広島市中心部の古書店事情

2015-09-17 08:40:23 | 読書

紙屋町の裏通り・文盧書店が閉店.老夫婦でやっていたようだ.
屋号を意識したことがなかったが,このたびテントで確認.ぶんろ書店というらしい.
店頭に月遅れの雑誌が山積みになっていて,J 子が日参ではなく月参していた.電車の忘れ物だから安いという噂も.ハードカバーも掘り出し物豊富.あまり整理されていないので,文字通り掘りださなければならなかった.
ただでさえ安いのに,閉店セールで半額.

アカデミイ書店紙屋町支店が移転.11/15 から新店舗で営業とのこと.
写真は金座街本店.客に年寄りが多く,我が散策コースにも入っている.2階に少し専門書がある.

紙屋町シャレオ (広島市唯一?の地下街) 古本まつり 広島県古書籍商組合主催.不定期,

東京のように古書店街というものがないので,気軽にはしごができない.
「古本交差点」と称し,数店がビルの一室で2年ほど開店していたが,これも5月で閉店してしまった.
前世紀の我が家の徒歩圏,つくば・天久保ショッピングセンターには古書街があったが,そこも現在残っているのは1店だけと聞いている.
店舗販売は衰退の一途だが,ネット販売は上り坂らしい.
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長生きはめでたいことなのか

2015-09-16 09:23:15 | エトセト等


朝日新聞 8/30 朝刊の「声」欄への投書について, 9/16 朝刊に何人かの意見が載っていた.

投書は,
「少子化対策はいろいろと検討されているが,高齢化対策はもっぱらいかに長生きさせるかという観点だけで行われている.しかし当の高齢者はどんな状態でも長生きしたいと考えているだろうか.自分は介護を受けて寝たきりになり,排泄もままならない日が来たら,生きながらえたくはない.介護を拒否し,安楽になることを願うものだ.そのように社会が措置してくれることを願う.これは多くの高齢者の願いではないだろうか?」
という趣旨.また,
「社会の活力の維持には,構成員の適切な新陳代謝が必要です」
とも言っている.

これに対する賛成意見が3,82 歳の医師は「日本の医療費の半分以上が高齢者に使われている.延命のために高額な手術を行い高度な医療技術も使い,更に高度な介護を必要とする高齢者をつくっているだけ」とおっしゃる.

71 歳氏「自らの意思で死の時期を選択し,安楽に旅立つことを支援する法整備を望む.そのための薬の開発を医薬業界に認め,それを処方した医師が自殺関与罪や同意殺人罪に問われないようにせよ.このような法律も受け入れる社会であって欲しい.」

69 歳パートさん「多くの人は介護が必要になると,子供たちに迷惑をかけ,子供たちの人生まで壊してしまう可能性がある.子が親を介護中に手をかけるという悲惨な事件もある.亡くなられた親より,手をかけた子どもの方が不憫.介護が必要になったら拒否して安楽を希望する旨を,健康なうちに一筆したためておき,実際にそのようにしてもらえる社会なら親としても安心.」

これに対して「介護を受けて笑顔で生きて」という介護支援専門員さんの反対意見が1.

最後に写真の鈴木裕也氏 (この方が投書したのかと思った) が日本尊厳死協会副理事長として,おだやかな賛成意見を述べていた.

現実には,老人医療費が膨張して福祉予算は早晩パンクするから,税金を払う若い人には良い方向と思われそう.社会構成員の新陳代謝も促進するだろう.
反面,延命医療という金づるを失うことを医者は死活問題と捉えそう.
宗教界から一言ありそう.
遺産相続が絡んで犯罪に発展しそう←ミステリの読みすぎ?

もちろん子供がいない 16 トンとしては,安楽死合法化に賛成.
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LA・ジャズ・ノワール---失われたジャズ史の真実

2015-09-14 09:05:56 | ジャズ
中山廉樹 河出書房新社 (2012/2).
装幀永松大剛,タイトルのロゴが良かったので図書館で借用.失礼ながら,この著者は同じような本をたくさん書いておられるという先入観を持っていたのだが,この本は面白くて 230 ページを一日で読んでしまった.

「BOOK」データベースより*****ジャズ正史からは消された街、ロサンゼルスこそ、もうひとつの「ジャズ誕生の地」ではないだろうか。「明るくさわやか」なウエスト・コースト・ジャズの血塗られ姿に、「異形の才能を生み出した原点」を見出す圧倒の新史。*****

16 トン的にウエスト・コースト・ジャズを認識したのは.映画「真夏の夜のジャズ」のジェリー・マリガンで,以来「造られた白いジャズ」のイメージにとらわれていたかもしれない.しかし同じ映画のチコ・ハミルトンの「ブルー・サンズ」の印象 (エリック・ドルフィー,ナサニェル・ガーシュマンなど) も強烈だった.この本にはマリガンもハミルトンも登場するが,いっぽうスタン・ゲッツ,シェリー・マンなどウエストのスタープレイヤーたちの扱いは,オーネット・コールマンやポール・プレイなどの「異形の」ジャズに比べるといかにも軽い.

強烈なのは麻薬の悲惨さである.ワーデル・グレイの屍体は砂漠で発見され,チェット・ベイカーはビルから転落死.フランク・ロソリーノはふたりの息子に発砲し自身も頭部を撃ち抜いて自殺する (ただしロソリーノの場合,麻薬との関連はこの本では明らかでない).

ローリンド・アルメイダとバド・シャンクが始めた新しい音楽の LP がブラジルに空輸され,ボサノヴァとなって逆輸入されたというのは,なるほどと思わせる.
終盤では困窮していたデヴィッド・アクセルロッドが銀行口座への「何かの間違いじゃないか」と思うほどの高額な振り込みに驚く.彼のアルバム「ソング・オブ・イノセンス」中の一曲がサンプリングに使用された結果であった.著者はヒップホップがウェストコーストの一般的なイメージの虚構性を暴いたと説く.

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演奏によるエネルギー消費と心拍

2015-09-13 11:35:33 | 科学


心拍の変化には心理的要因と生理的要因がある.音楽の演奏で気分が高揚したり癒されたりすることが心拍数に反映することが前者だが,それ以前に演奏は肉体的負荷を伴う.心理的要因に興味があるとき,生理的要因による心拍変化はバックグラウンドになる.スケール練習みたいに機械的で感情に訴えない演奏をしたときの心拍を測定した例があれば,バックグラウンドとみなせるだろう...と思ったら,

Hidehiro Nakahara, Shinichi Furuya, Peter R. Francis and Hiroshi Kinoshita
Psycho-physiological responses to expressive piano performance
International Journal of Psychophysiology 75 (2010) 268-276

があった.しかしこの論文の著者の一人,木下博氏ががウェブにアップされた
http://www.yamaha-mf.or.jp/onkenscope/kinoshitahiroshi1_chapter2/
の方が,より新しい知見も含め要領よくまとめられていた.図は上記ウェブから転用させていただいた.

両手での 4 オクターブの上行・下行の連続スケールをメトロノームの 5 段階テンポ(bpm=240・320・400・480・552)と 3 段階の音の強さ(p・mf・f)の組み合わせ(計 15 条件)を 11 名のピアニストに各条件で,4 分間演奏させた平均とのことである.

安静時の心拍は毎分 71 拍,椅子に座って安静にしているときの消費エネルギーは,0.022kcal/min/kg.ピアノ演奏を他の運動と比べると,自動車で走り回るよりはきつく,家で家事(料理や掃除)をしているときの値程度であって,歩行や自転車乗りでの値に比べると明らかにゆるいことになる.

16 トンとしては指定されたテンポはかなり速く重労働と思う.被験者も 552bpm というほぼ最速に近いテンポでの両腕によるスケールを 4 分間続けるのはきついという意見だったそうだが,この測定によればこのようなテンポでも心肺機能への負荷は比較的軽いことになるのだそうだ.

ピアノ以外の楽器の演奏によるエネルギー消費はhttp://www.yamaha-mf.or.jp/onkenscope/kinoshitahiroshi1_chapter3/ に同じ木下氏がこの記事の続編としてアップしておられる.ドラムス演奏の 0.067kcal/min/kg,足踏みオルガンの 0.054kcal/min/kg が目立って大きい以外はピアノの場合と似たり寄ったりであった.

先日の「引き込み現象?」実験を見直すと,ゆっくりしたバラードで心拍が 10bpm 上がるのは,やはり生理的要因だけでは説明がつかない.被験者を変えて実験するのが先決か?
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ガリヴァーの帽子

2015-09-13 09:11:30 | 読書
吉田篤弘 文藝春秋 (2013/9).

クラフト・エヴィング商會名義のブックデザインに惹かれて図書館で借用.でも中身はそこそこだった.

最初に「... あとがきにかえて」をチェックしたら,「美しく年老いた物語」という連載から4編とあった.「名もなき花の」と一緒に借りたので,似たような本を選んでしまったかと思ったが,中身は年老いた物語らしくはなかった.しかし,この4編は長過ぎ.思いついたたことをつぎつぎに書き足していったみたいだ.でも最後まで読んだ.

残りの4編のうちの3編は,「掌編あるいはコント」だそうで,長さはちょうどいい.しかしやはり先の4編同様,稲垣足穂から毒を洗い流したような作品群.
残る1編「イヤリング」はO・ヘンリーみたいで,この著者にしては異色かもしれない.

なんだかわからなかったが,高級なものを読んだような満足感は残ったかな.

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名もなき花の

2015-09-12 09:48:11 | 読書


吉永 南央「名もなき花の 紅雲町珈琲屋こよみ」 文春文庫 (2014/7/10).

シリーズ第1作「萩を揺らす雨」を読んだことをテレビ化されたときに思い出した.つい先日読んだ「青い翅」も悪くなかった.そこで「紅雲町珈琲屋こよみ」シリーズからもう一冊を図書館で借用.

近頃流行りの,一話完結とは言いかねるがいちおうは連作のような形式.なんとなく最後まで読んでしまった.長月・霜月・睦月...がタイトルに含まれて一年分.お草さん (探偵役のおばあさん) もひとつ歳を取ってしまったわけだ.
年寄りはいろいろ思い出すが,それはたいてい思い出したくないことばかり...ということを,よくわかっているな,と思う.著者は 50 際くらいらしい.

後半になってから,三十過ぎのカップルの訳ありの恋愛模様にお草さんがやきもきし,それに絡まって過去の,円空仏に関連する論文不正事件にストーリーが収束する.著者は部美学美術史学科卒業だそうだ.しかし現実の理工系の不正事件のようにわかりやすくない.
ちょっとミステリの味がする小説という読後感.

コーヒーの入れ方を伝授する場面があった.まず手動ミルの汚れをチェックするのだが,挽き方の細かさの設定 (チェック) はいいのかな?
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金目銀目ちゃん

2015-09-11 11:18:49 | お絵かき


親指にしがみつくポーズはネット動画の一場面を拝借し潤色した.
CD ケースの内側から (ガラス絵と同じように)  アクリル絵具.虹彩の部分には内側から金色銀色のフォイルを貼り付けたのだが,角度をいろいろ変えないとうまく反射しない.
ややロンパリ気味になってしまった.

英語では odd-eyed というそうだ.白猫に多いらしい.
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心拍の位相

2015-09-10 08:21:26 | 新音律
「心拍メトロノーム」のタイトルでいくつか記事を書いてきたが,実際に聴診器で聞こえるのは,冒頭の図のまんなかの段の心音 I と心音 II である.III, IV はたいてい聞こえない.上の段は心電図で,左心室の収縮・膨張のタイミングがわかる.心音は収縮・膨張をもたらす弁の動作音とされている.
自分で録音したものをアップしたかったが,冷静に聞くと雑音ばかりだった.この Youtube のはよく聞こえる.



周期を同じに設定した,ふたつのメトロノームを並べたときに観測されるのは「位相引き込み現象」である.いっぽう昨日アップした2本のロウソクの炎の例では,周期にも位相にも引き込みが観測できる.



下の図では,上段のふたつのパルス列は周期も位相も同じである.最下段のは上のふたつと周期は同じだが,位相が違う.
このところ問題にしているのは心拍と,音楽のテンポとの周期の同期であって,位相同期はもうひとつ高次の問題ではある.



それはそれとして,心拍の場合も位相まで一致することは可能だろうか.そもそも心拍において「位相」と認識されるものがあるのだろうか?
というのは,冒頭の図の三段目は手首で採る脈拍のタイミングで,心音 I と心音 II の間に来る.すなわち心音とは位相が異なる.血液という流体が流れるために要する時間が位相差をもたらすのだ.

音楽のテンポという問題意識から位相にまで考えを巡らすのは無理かもしれないが,もっと一般化して運動と心拍の関係を研究した例はあるのかな...と思ってネットをサーフしたら
竹内,西田,美津島「歩行運動における心拍 - 運動リズム間の同期現象の誘発」理学療法学 39 (2012) 178-185.
がヒットした.ただしこの論文のミソは「サロゲートデータ法」を適用したことらしい.

関連して ? こちらは恋人同士の心拍が同期するという記事.
Lovers' hearts beat in sync, UC Davis study says
有料なので原論文のダウンロードは見合わせている.でも,ふたりの心拍の位相がどうなっているかは知りたいところ.
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