25人が死亡した大阪・北新地のビル放火殺人事件の谷本盛雄容疑者(61)が30日、死亡した。

谷本盛雄容疑者谷本盛雄容疑者

 一酸化炭素(CO)中毒などで重い症状が続いており、大阪府警は供述を得られておらず、真相解明は遠のいた。現場となったクリニックに通院していたとみられるが、事件直前の行動は判然としていない。

 自宅とみられる住宅では計画性をうかがわせるメモや、京都アニメーション放火殺人事件など、ガソリンを使った事件の新聞記事が見つかっている。

 事件現場からは果物ナイフとみられる刃物が見つかり、谷本容疑者の服のポケットには催涙スプレーが入っていた。消火栓や非常口の扉には、開けにくくなるような細工もしてあった。入念な計画性がうかがえる。

 谷本容疑者の兄は取材に「弟とは30年以上連絡を取っていない」と証言。容疑者が2010年まで働いていた大阪市内の板金工場の社長によると、社員とは仕事以外の付き合いはなく、知人や友人についても「聞いたことがない」という。容疑者の内心を知るような親しい関係者は明らかになっていない。(共同)