【社説・12.31】:ツワブキのように
『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【金口木舌・12.31】:ツワブキのように
名護岳の山頂へと登ると、ツワブキの黄色い花が登山道を鮮やかに彩っている。寒くなると花を咲かせ、12月から1月が見頃とされる。きょうは大みそか。2024年はもうすぐ終わる
▼今年は、元日の能登半島地震から始まった。震度7を記録し、津波も発生。北陸3県で500人近くの死者を出し、家屋の被害で避難所生活を続ける人も多い。9月の豪雨災害が追い打ちをかけ、復旧に大きな影響を及ぼした
▼沖縄も水に翻弄(ほんろう)された1年だった。3月末まで少雨傾向が続き、ダム貯水率は40%前半まで著しく低下した。11月には一転して、記録的な大雨が降った北部豪雨が発生した。不安を抱え、新年を迎える方も多いだろう
▼異常気象、地震などの災害は前触れもなく起こる。備えが住民、行政の双方に求められている。災害発生時の手順や対応をいま一度見直し、県全体で考えたい
▼ツワブキの花言葉の一つは「困難に負けない」。厳しい環境下で根を張り、育つことに由来するそうだ。名護岳山頂から見渡せる北部地域を見ながら願った。来年、災害に苦しんだ北陸、本島北部住民の暮らしが穏やかであるように。
元稿:琉球新報社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【金口木舌】 2024年12月31日 04:00:00 これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。
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