路地裏のバーのカウンターから見える「偽政者」たちに荒廃させられた空疎で虚飾の社会。漂流する日本。大丈夫かこの国は? 

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《社説②》:マクロン仏大統領再選 欧州安定に役割果たす時

2022-04-26 02:05:40 | 【外交・外務省・国際情勢・地政学・国連・安保理・ICC・サミット(G20、】

《社説②》:マクロン仏大統領再選 欧州安定に役割果たす時

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:《社説②》:マクロン仏大統領再選 欧州安定に役割果たす時

 フランス大統領選挙で中道の現職、マクロン氏が極右のルペン氏を破り再選を果たした。ロシアのウクライナ侵攻で世界の秩序が揺らぐ中、国民は欧州の安定や強い対露制裁を選んだ。

 マクロン氏の得票率は58・5%で、新型コロナウイルスやウクライナ情勢への対応について一定の評価を得た形だ。 

 一方、ルペン氏は前回の33・9%を上回り、極右候補者として初めて4割を超えた。

 マクロン氏が苦戦した背景には、現状への不満やエリート層への反発があった。

 経済のグローバル化で失業したり、成長の恩恵にあずかれなかったりした労働者の間には、「富裕層を優遇している」との根強い批判がある。就任翌年の2018年に、燃料税引き上げに抗議する大規模デモも起きた。

 マクロン氏についてルペン氏は、物価高に十分対応していないと批判するなど、「生活者重視」をアピールして支持を広げた。 

 ただ、欧州連合(EU)や北大西洋条約機構(NATO)よりも自国優先を唱える姿勢に、国際協調を乱すとの懸念があった。そのため国民は消去法的にマクロン氏を選んだ側面もある。

 「みんなの大統領になる。他陣営に投票した人の怒りや対立(の解消)も私の仕事だ」。マクロン氏は当選後、こう語った。社会の分断が進む現状を認識し、解消に取り組む姿勢を示した。 

 フランスでは伝統的政党の共和、社会両党の衰退が顕著だ。6月の国民議会(下院)選で急進左派、極右の勢力が躍進する可能性が高い。マクロン氏は低所得者層の声に耳を傾け、政権基盤を固める必要がある。

 その上で取り組まねばならないのがEUの安定と結束だ。英国がEUから離脱し、ドイツではメルケル前首相が引退した。 

 ロシアの暴挙に歯止めを掛け、ウクライナ難民を支援するためには、EUの強い指導力が不可欠だ。議長国の大統領としてマクロン氏の担う役割は大きい。

 自国第一主義を批判し、国際協調を重視するマクロン氏の再選を、欧米や日本の政府は歓迎している。「メルケル氏後」のリーダーとして責務を果たす時だ。

 元稿:毎日新聞社 東京朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【社説】  2022年04月26日  02:01:00 これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

 


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