【金口木舌・12.16】:暮らしとつながる海
『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【金口木舌・12.16】:暮らしとつながる海
学生時代に沖縄美ら海水族館に行ったとき、一緒にいた知人が水槽を眺めて「おいしそう」とつぶやいた。水族館の生き物と食卓に並ぶ魚介類が結びつかず、思わず笑ってしまった
▼東京都の一般社団法人シェフス・フォー・ザ・ブルーは、水族館で魚料理を楽しむイベントを開催する。水族館で泳ぐ魚には私たちが食べている種類も多く、食卓と海の生態系が密接に関わることを理解してもらうことなどが目的という
▼水族館で鮮やかなサンゴ礁や色とりどりの魚を眺めると、海の素晴らしさを再認識する。豊かな海洋環境と多様な生態系。その両者を維持することで、私たちは魚介類を口にできるのだと気付く
▼実際の海の中はどうだろう。地球温暖化などでサンゴ礁の白化が進み、生態系に影響を与える。何気なく捨てるプラスチック類は海に流れ、海洋生物の命を脅かす。このままではいけないと危機感を抱く
▼海の生態系と私たちの暮らしは深く結びつく。島国の沖縄は海から多くの恩恵を受けてきた。海を守るために一歩を踏み出せば、水族館で見るような美しい世界をいつまでも残すことができる。
元稿:琉球新報社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【金口木舌】 2024年12月16日 04:00:00 これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。
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