【きょうの潮流】:「このままでは日本の学校はもたない」と教育研究者有志が教員の長時間労働解消のための署名活動を始めています。
【きょうの潮流】:「このままでは日本の学校はもたない」と教育研究者有志が教員の長時間労働解消のための署名活動を始めています。
教員にも残業代を支給すること、学校の業務量に見合った教職員を配置することを求め、そのための教育予算の増額を訴えています▼文部科学省の調査では小中学校の教員の労働時間は1日平均で11時間半になります。部活の指導などで土日も休めず、中学校では4割の教員が過労死ラインを超えて働いています▼深刻なのは、現在の制度では公立学校の教員はどれだけ働いても残業代がでない仕組みになっていることです。働かせる側にとってはいくら働かせても財政的負担は増えない。労働時間に歯止めがかからない大きな要因です▼過酷な労働は教職希望者を遠ざけ、「教員不足」を招いています。文科省が最近発表した調査結果によると、今年4月の学校開始時点で全国の都道府県・政令市の教育委員会のうち4割を超える29の委員会が、教員不足が悪化したと答えました▼先日政府が決定した「骨太の方針」は「(教員の)働き方改革のさらなる加速化」を掲げています。しかし具体策はなく、働かせ放題の「残業代ゼロ」を改める姿勢はありません▼健康を害する教員も増えています。教員不足解消にはほど遠い状況。このままでは本当に日本の教育はもちません。署名活動では、日本教育学会の会長や前会長も呼びかけ人になっています。その危機意識が政府にはあるのか。子どもたちのために運動を広げるときです。
元稿:しんぶん赤旗 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【きょうの潮流】 2023年06月24日 04:15:00 これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。