最後に、安倍自民党政権のワガママの論理を報道し、応援するマスコミの振りまくウソとデタラメについて、愛国者の邪論なりに、まとめてみました。ご覧ください。
1.川口環境委員長や自民党、マスコミの主張する「厳しい日中関係」によって「国益」が危ぶまれている原因を作ったのは誰か、それは、どのような主張・思想によってもたらされているか、全く、いっさい不問ということです。
ハッキリしています。安倍首相その人です。社説を読む限り、報道を視る限り、このことをいっさい明らかにしていません。このことは、安倍首相の免罪・擁護の立ち居地が透けて見えてきます。
安倍首相のこれまでの発言、すなわち、靖国参拝、脅しに屈しない、国際公約である日本国憲法の改憲ハードル=規制を緩和=改悪することをいちいち外国に説明しない、侵略の定義は定まっていない、東京裁判は勝者の裁判、河野・村山談話・近隣諸国条項の見直しなど、どれをとっても、安倍氏そのものが「国益」をないがしろにしている元凶であることは明瞭です。
そのことはアメリカから批判の声があがったことで、トーンダウンしたことを想い起こせば、いっそう明白です。しかし、「厳しい日中関係」と「国益」を口実に、自らを正当化し、逆に解任決議を提出した野党を攻撃するのです。本来であれば、「国益」をないがしろにしてきた安倍発言を使って川口環境委員長の「口実」の理不尽性・不道徳ぶりを追及すべきです。しかし、環境委員長としての職責を全うしなかった川口環境委員長をマスコミが擁護しているのです。呆れます。
もう一つは、自民党も参加し、川口環境委員長らがつくりあげてきた「ルール」が、今後の我が国や世界の発展に貢献するものになっていない、安倍首相が犯した「国益」を危ぶむ行為であるにもかかわらず、それを挽回するためとスリカエ、「ルール」が「国益」の足を引っ張っている、「国益」挽回に合致していないとして、国会の「ルール」の見直しを「提案」しているのです。
これは、盗人が、カギがかかっていませんでしたので空き巣に入りました。空き巣から財産を守る為にはカギをかけてくださいと提案しているようなものです。
中国・北朝鮮の「脅威」を煽り、憲法の平和主義にもとづく外交努力を怠り、放置しておいて、憲法を改悪する土壌づくりを醸成していることと同じ論法です。しかも、マスコミを使って、です。
2.今回の問題について安倍首相の取った行動と発言は大いに問題と言わねばなりません。この追及が甘いと言わなければなりません。偽りの支持率の最大の要因が、ここにあります。
以下の記事と社説に、如実に出ています。
川口順子元外相が死守した「国益」 「ブーメラン」投げた民主党の“勘違い”2013.05.11 http://www.zakzak.co.jp/society/politics/news/20130511/plt1305111007001-n1.htm
…川口氏は7日夜、官邸に安倍晋三首相を訪ね、10分間会談している。楊氏らとの会談を報告するためだ。報告の内容は明らかではないが、政府関係者は「日本の政治家と中国要人が会わない状況で、楊氏の『声』を聞いたことが大事だ。首相が『有意義だった』と感じるものだったようだ」と説明し、野党が批判する「私的な外交」ではないと強調する。首相も翌8日には「尖閣諸島の問題も議論された。日本の立場を主張するのは有意義だった」と川口氏の立場を支持した。…(引用ここまで)
川口委員長解任めぐり、与党欠席で異例の予算審議 (08日16:22)
http://news.tbs.co.jp/20130508/newseye/tbs_newseye5326652.html
8日の参議院予算委員会。「国会のことは国会にお任せしているということでございますが、できるかぎり円満な形で委員会が開会されることが望ましいと」(安倍首相)(引用ここまで)
川口氏解任決議案 9日の参院本会議で採決< 2013年5月8日 17:42 >
http://www.news24.jp/articles/2013/05/08/04228201.html
…安倍首相も8日朝、川口委員長を擁護した。…「できる限り円満な形で、委員会が開会されるのが望ましいと。楊潔チ元外相も出席して尖閣(諸島)についての議論もされたわけですから、そこで川口委員(長)が日本の立場をしっかりと主張するのは有意義だったんだろう」(引用ここまで)
川口環境委員長解任へ=民主、7日にも決議案-参院(2013/05/07-13:41)
http://www.jiji.com/jc/zc?k=201305/2013050700380
…一方、7日の同委理事懇談会では、野党各党に加えて公明党の理事が川口氏の辞任を求めた。川口氏は「自民党と相談して対応を決めたい」と述べるにとどめた。 自民党の石破茂幹事長は記者会見で、川口氏の出張延長は尖閣諸島問題に対応するためだったことを明らかにした。その上で「国益にかなったものだ。野党側に1日延長を要請しており、手続き的に瑕疵(かし)はない」と反論した。(引用ここまで)
安倍首相・石破幹事長の言い分が万歩譲って正しいとしてみても、「ルール違反」と「ルール」無視とゴマカシが判ります。それは川口環境委員長の「実績」と「経歴」を尊重するのであれば、会議の内容も事前に判明していたこともある訳です。最初から、「特使扱い」として「親書」を託すとか、の方法があったはずです。
しかし、そうした対応はいっさいありませんでした。しかも、環境委員会委員長として委員会をサボったことについても説諭し反省を促すどころか、「有意義」などと容認・擁護・正当化し、自らが種を蒔いたことにも目を瞑っているのです。自民党総裁、日本国の首相として不適格であることが、ここでも明らかです。
更に言えば、「国益」を強調するのであれば、安倍首相に報告した「会談」の内容を、国会にも報告すべきです。しかし、それはしていません。私的だったからでしょうか?大爆笑もんです。以下、「国益」の部分について、その説明責任を求めている社説を掲載しておきます。自らの主張を正当化するのであれば、会談の内容を正々堂々と公開すべきです。以下の社説は、そのことを示しています。
北海道 川口氏解任 議員外交に汚点残した (5月10日)
http://www.hokkaido-np.co.jp/news/editorial/464551.html
一義的な責任は川口氏にある。議院運営委員会理事会で2日間の中国出張の許可を受けたが、楊潔◆(ヨウ・ケツチ)国務委員との会談が実現することになったとして、滞在を1日延長した。 延長の日に設定されていた環境委員会は委員長不在で流会となった。職務放棄と言われても仕方ない。 これを許せば、他の委員も外国出張を勝手に延長して委員会を欠席する事態が続出しかねない。委員長の重責をわきまえず、議会政治の基本を揺るがす軽率な行為だ。 自民党は川口氏が「国益を守った」として擁護した。国益をかけた交渉は基本的に政府間で行うものだ。国会議員の立場で中国要人に意見を伝えたことが、国会より優先すべき「国益」だと言うのは無理がある。 それでも正当化するなら、会談の成果を具体的に示すべきだろう。(引用ここまで)
河北 川口委員長解任/無益な対立、誰も望まぬ 2013年05月10日金曜日
http://www.kahoku.co.jp/shasetsu/2013/05/20130510s01.htm
川口氏の丁寧な釈明と出張の報告を条件に矛を収めるのが筋だろう。 むしろ、委員会を中止して会談に臨むだけの成果があったのかどうか、川口氏に徹底的に問いただしてこそ、野党の存在感を見せつけ、有権者の共感を得られたのではないか。(引用ここまで)
東奥日報 国民不在の不毛な対立/川口委員長解任 2013年5月10日(金) http://www.toonippo.co.jp/shasetsu/sha2013/sha20130510.html
一方で楊氏との会談内容や成果などについて川口氏や安倍首相らの説明も足りなかった。妥当性を主張するばかりでは理解を求める姿勢に欠けよう。 それと与党側に国会審議を軽んじる緩みが感じられる。(引用ここまで)
神戸 後半国会/不毛な駆け引きは無用だ 2013/05/09
http://www.kobe-np.co.jp/column/shasetsu/201305/0005973388.shtml
たしかに尖閣問題や靖国問題で冷え込んだ日中関係を考えると、外相経験者の川口氏と中国政府要人との会談に改善の糸口を期待する面はあっただろう。 ならば、楊氏との会談で得られた「国益」の中身について、川口氏と与党は国会に説明するべきではないか。 しかし、きのうの参院予算委でも安倍晋三首相や岸田文雄外相から納得のいく答弁はなかった。与党側には「辞任も選択肢」などと決着を急ぐ動きさえある。 委員長一人の首ぐらいで政権運営は揺らがないという自信の表れだとしたら、おごりというほかない。(引用ここまで)
中国 川口委員長解任 国益のためというなら '13/5/10
http://www.chugoku-np.co.jp/Syasetu/Sh201305100085.html
川口氏は「日中関係改善の大きな国益を守った」と強調するが具体性に乏しい。逆に、元外相とはいえ一議員に頼らざるを得ない安倍政権の対中外交のふがいなさが浮き彫りになるばかりである。 安倍晋三首相は中国との「戦略的互恵関係」を強調してきた。ところが習近平体制の発足以来、閣僚級の会談すら実現していない。北九州市で先日あった日中韓環境相会合でも、中国は格下の事務次官クラスを代理出席させた。 日中関係の悪化が、尖閣諸島をめぐる中国の挑発的行為によるものであるのはいうまでもないが、安倍政権も自ら冷や水を浴びせるような行動や発言が目立つ。閣僚の靖国参拝や歴史認識問題をめぐり、中国や韓国、ひいては同盟国である米国の政権中枢からも憂慮する声が上がっている。 国益を守ることになっているのか。安倍政権として本気で結果を出すには、尽くすべき外交努力が数多くあるはずだ。(引用ここまで)
南日本 [川口氏解任] 政策論争はどうなった ( 5/10 付 )
http://373news.com/_column/syasetu.php
日中関係は尖閣諸島や歴史問題をめぐって険悪な状況にある。元外相の川口氏があらゆる機会を利用して、事態の打開に努めようとしたのは分かる。 だが、環境委が中止になることを承知で、中国側との会談に臨んだのは事実だ。国会より国益を優先したと主張したいのなら、野党を批判するだけでなく、国益の中身も語る責任があろう。(引用ここまで)
何が「国益」か 田中 良紹 | ジャーナリスト 2013年5月10日 0時27分 http://bylines.news.yahoo.co.jp/tanakayoshitsugu/20130510-00024848/
次に、追及の甘さはありますが、発表された社説のなかで、最もまともだなと思った社説を掲載しておきます。ご覧ください。
琉球新報 川口氏解任 国益めぐる本質論議を 2013年5月10日
http://ryukyushimpo.jp/news/storyid-206374-storytopic-11.html
最後に、テレビがウソとデタラメをどのように報道したか、掲載しておきます。ここで使われている言葉と論理と「事実」が、洪水のように流され、津波のように押し寄せていました。こうした報道が繰り返されて、日米軍事同盟容認・深化派、憲法改悪派・多国籍企業応援団が跋扈しているのです。今後も憲法改悪に向けて、こうした報道ぶり、「攻撃」はいっそう熾烈を極めていくことでしょう。しかし、憲法があります。まだまだ鎬を削っていくことでしょう。国民のたたかいがある限り、国民の生活がある限り、負けないでしょう。歴史が証明しています。
こうした手法が国民にどのような影響を与えていくか、今後も検証していきたいと思います。
産経 【川口委員長解任へ】 野党、初の共闘も外交より政局、参院選向け党利党略一致 2013.5.9 07:52 [参院選2013] http://sankei.jp.msn.com/politics/news/130509/stt13050907570000-n1.htm
TBS 川口環境委員長を解任、衆参両院で初 (09日11:15)
http://news.tbs.co.jp/20130509/newseye/tbs_newseye5327520.html
神奈川 川口環境委員長の解任決議案めぐり県内与野党、擁護や疑問の声も/ 2013年5月9日
http://news.kanaloco.jp/localnews/article/1305090005/
NHK 川口委員長の解任決議が可決 5月9日 11時26分http://www3.nhk.or.jp/news/html/20130509/k10014449281000.html
テレビ朝日 憲政史上初 川口環境委員長解任 国会は正常化へ (05/09 11:45)
http://news.tv-asahi.co.jp/news_politics/articles/000004965.html
NHK 川口氏「野党の劣化示す事件」 5月9日 12時0分http://www3.nhk.or.jp/news/html/20130509/k10014450681000.html
日テレ 委員長解任決議可決、川口氏「誠に理不尽」 2013年5月9日 12:21
http://www.news24.jp/articles/2013/05/09/04228254.html
NHK 川口委員長解任 後半国会に影響は 5月10日 4時12分http://www3.nhk.or.jp/news/html/20130510/k10014472861000.html
読売 川口氏解任「国益より政局」批判…野党に誤算 (2013年5月10日07時19分)
http://www.yomiuri.co.jp/politics/news/20130510-OYT1T00229.htm
東京 【政治】川口氏解任 与党「国益無視の暴挙」 野党「国会ルール破り」 2013年5月10日 朝刊
http://www.tokyo-np.co.jp/article/politics/news/CK2013051002000141.html
赤旗 委員長の任にふさわしくない川口氏帰国延期問題 市田書記局長が会見 2013年5月9日(木)
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik13/2013-05-09/2013050901_03_1.html
J-CASTニュース 野党の「参院川口委員長解任」に批判 主要メディアや評論家「首をかしげざるを得ない」 2013年5月9日(木)19時24分配信