昨日から、今日にかけて、アメリカの北朝鮮への「挑発的軍事行動」が明らかになりましたので、記録しておきます。
3月から5月にかけて、日々繰り返されていた北朝鮮の「挑発的言動」の背景に、米韓合同軍事演習があること、日米韓政府と軍隊の情報操作と、それをそのま垂れ流すマスコミ、それに対応して、憲法改悪の地ならしをする日本国政府、それを応援する日本のマスコミという構図を告発してきました。
同時に、北朝鮮に対しても、以下のように述べてみました。
1.1919年3月1日の、朝鮮独立宣言の精神である「非暴力不服従」を高く掲げること、
2.日本帝国主義の植民地政策を告発し反対するのであれば、かつての日本帝国主義のやり方と同じような手法からきっぱりと卒業すること、
3、そのためには、まず拉致問題について、真相を明らかにし、反省し、謝罪し、被害者を帰国させること、賠償することで、二度と同じ過ちをしないことを国際公約すること、
4.アメリカの核兵器の脅威にさらされている北朝鮮の立場を国際社会にアピールするためには、アメリカの核兵器抑止力論と同じ立場ではなく、核兵器廃絶の立場に立つこと、ヒロシマ・ナガサキ・ビキニ・フクシマ・世界のヒバクシャの立場に立つこと、
5.そのためにも、国連の決議を受け入れること、6カ国協議の枠組みに戻り、また日朝平壌宣言の具体化をはかり、非軍事・非暴力の東アジア平和共同体づくりに参加すること、
こうした視点を踏まえて、さらに、
6.朝鮮民族の自決権を保障していくためにも、非同盟・中立の立場と朝鮮半島の平和的統一のための非軍事のプロセスを明らかにすること、
を加えてみました。これこそが、1919年の朝鮮独立宣言の具体化ではないかと思うのです。
さて、こうした構図を踏まえながら、この2日間のニュース報道の在り方を検証してみました。
そのポイントは、以下のとおりです。
1.韓国軍とアメリカ軍の合同の運用能力の維持のために、また寄港を通じ、地域の平和と繁栄に関心を持っていることを示すために毎年実施している定期合同訓練である米原子力空母「ニミッツ」などが、東岸浦項(ポハン)沖の日本海における韓国海軍との定期的な演習を行うことや大陸間弾道ミサイル(ICBM)ミニットマン3の発射実験などが、北朝鮮に対して、訓練や実験を口実に、挑発行動を激化させる可能性もあるとみて警戒していると、日米韓当局は、よく判って行っていることを、日本のマスコミはそのまま報道しているのです。
2.産経でさえも、以下のように報道しているのです。
北朝鮮はニミッツの寄港を「重大な挑発」と非難。「(米韓が)襲いかかってくれば、砲火で水葬する」などと強く反発している。 北朝鮮は、米軍の強大な兵力が韓国に入って実施する合同訓練に常に強く反発し、緊張を高めてきた。今回の訓練に対しても11日、「共和国(北朝鮮)に対するあからさまな威嚇、恐喝であり、(対北)侵略核戦争の火種を炸裂させるための軍事挑発だ」と非難、
3.NHKは、以下のように、アメリカ追随の報道をしています。
北朝鮮はアメリカや韓国に対する挑発的な姿勢は崩していませんが、このところ目立った言動は控える傾向をみせています。ホワイト准将は今回アメリカ海軍が空母を韓国の海域に投入したことについて、北朝鮮の反応は予測できないとする一方、「韓国軍とアメリカ軍の合同の運用能力の維持は極めて重要だ」と述べ、米韓の軍事的結束の重要性を強調し、北朝鮮をけん制しました。
4.朝日は、今回の合同訓練が、「朝鮮半島をめぐる緊張が再び高まる恐れがある」としていますが、それだけです。この訓練の持つ意味、自分たちが国民に何を煽ってきたか、不問です。
5.ところで、「北朝鮮の挑発的言動」と日米韓の軍事的「脅威」にかかわって、参考になる記事がほぼ同時に掲載されています。それは、中国の海洋監視船が領海外側にある接続水域(産経・毎日)、「領海のすぐ外側にある接続水域」(NHK)に航行しており、「5日には一時、領海に侵入」、「海上保安本部が領海に近づかないよう警告と監視を続けて」(NHK)いると報じていることです。
6.この二つの「事実」を、日本のマスコミは、深く考えることを放棄している、いや意図的に結び付けないように報道しているのです。それは、日米韓の軍事的「脅威」に晒されている北朝鮮を日本に譬えること、日米韓の軍事的「脅威」を中国海洋監視船に譬えることです。
7.このことは、日本がおかれている状況を北朝鮮になぞらえて考えてみれば、日本が犯している過ちが、どのようなものであるか、一目瞭然です。すなわち憲法の平和主義をないがしろにしているという事実です。
8.東アジアの非核化、非軍事の安全保障の枠組みの東アジア平和共同体づくりにとって、日本のマスコミの果たしている犯罪的役割を告発し、憲法遵守の立場に立つように、現在の報道姿勢の改善を求めていかなければなりません。
では、具体的に、記事を掲載しておきます。
米原子力空母など 韓国に到着 5月11日 17時45分http://www3.nhk.or.jp/news/html/20130511/k10014507161000.html
K10045071611_1305111809_1305111814.mp4
アメリカ海軍の原子力空母などが韓国海軍との演習のため韓国南部のプサンに到着し、船団を率いる司令官は「韓国軍と合同の運用能力の維持は極めて重要だ」と述べて米韓の結束をアピールし、北朝鮮をけん制しました。アメリカ海軍の原子力空母「ニミッツ」と誘導ミサイル巡洋艦や駆逐艦などからなる船団は、韓国海軍との定期的な演習のため、11日プサンにある韓国海軍の港に到着しました。アメリカ海軍によりますと、船団はプサンに数日間停泊したあと、日本海の海域で、韓国海軍と合同で作戦能力を高めるための機動訓練や救難訓練などの演習を行う予定です。船団を率いるアメリカ海軍のホワイト准将は、メディアの取材に対し、ニミッツが現在、FA18を中心に戦闘機など64機を搭載していることを明らかにし、攻撃力の高さを強調しました。北朝鮮はアメリカや韓国に対する挑発的な姿勢は崩していませんが、このところ目立った言動は控える傾向をみせています。ホワイト准将は今回アメリカ海軍が空母を韓国の海域に投入したことについて、北朝鮮の反応は予測できないとする一方、「韓国軍とアメリカ軍の合同の運用能力の維持は極めて重要だ」と述べ、米韓の軍事的結束の重要性を強調し、北朝鮮をけん制しました。(引用ここまで)
毎日 米原子力空母:合同海上訓練で韓国・釜山港に寄港 2013年05月11日 19時08分(最終更新 05月11日 20時02分)
http://mainichi.jp/select/news/20130512k0000m030019000c.html
韓国南部の釜山港に入港する米海軍の原子力空母ニミッツ=2013年5月11日、共同
米海軍の原子力空母ニミッツを中心とする空母打撃群が11日、韓国南部の釜山港に寄港し、報道陣に外観が公開された。米軍関係者によると、13日まで停泊した後、来週行われる米韓合同海上訓練に参加する予定。 北朝鮮は「海上訓練を口実にニミッツの打撃群が釜山港に押し寄せる」と寄港に反発していた。打撃群トップのホワイト准将は「(寄港は)定期的に実施している米韓合同訓練の一環だ」と強調。「寄港を通じ、地域の平和と繁栄に関心を持っていることを示したい」と述べた。 当初はニミッツに報道陣を乗船させる予定だったが、「安全上の理由」から艦内の公開は中止された。(釜山・共同)(引用ここまで)
米空母が韓国入港、合同訓練参加へ 北朝鮮の反発必至 2013年5月11日23時34分
http://www.asahi.com/international/update/0511/TKY201305110167.html
11日、釜山港に入港した米原子力空母ニミッツ=ロイター
【ソウル=貝瀬秋彦】米原子力空母ニミッツが11日、韓国・釜山(プサン)港に入港した。米韓の合同訓練に参加する予定で、北朝鮮は強く反発している。北朝鮮はまた、米韓が協調を確認した米韓首脳会談への批判も強めている。 韓国国防省関係者によると、ニミッツは米韓合同の海上機動訓練や捜索・救助訓練などに参加する予定。「訓練自体は例年実施されており、特別なものではない」としている。 だが、北朝鮮の祖国平和統一委員会は11日、ニミッツの入港について「我々の革命武力は、米帝が襲いかかってくれば、敵撃滅の砲火で原子力空母をはじめとする侵略武力をすべて水葬する」と警告。朝鮮半島をめぐる緊張が再び高まる恐れがある。(引用ここまで)
朝日 9面(5月12日付) 米空母、釜山に入港 北朝鮮の反発必至
米原子力空母ニミッツが11日、韓国・釜山港に入港した。米韓の合同訓練に参加する予定で、北朝鮮が反発するのは必至だ。北朝鮮は、米韓が協調を確認した米韓首脳会談への批判も強めている。 韓国国防省関係者によると、ニミッツは米韓合同の海上機動訓練や捜索・救助訓練などに参加する予定。「訓練自体は例年実施されており、特別なものではない」としている。
だが、北朝鮮の祖国平和一統一委員会は11日、ニミッツの入港について「我々の革命武力は、米帝が襲いかかってくれば、敵撃滅の砲火で侵略武力をすべて水葬する」と警告。朝鮮半島をめぐる緊張が再び高まる恐れがある。北朝鮮への抑止力強化で合意した米韓首脳会談について、祖国平和統一委員会報道官は10日、「朝鮮半島情勢を緊張させる」と批判した。(ソウル=貝瀬秋彦)(引用ここまで)
産経 接続水域に中国船3隻 尖閣周辺、11日連続 2013.5.12 10:53 http://sankei.jp.msn.com/politics/news/130512/plc13051210540003-n1.htm
沖縄県・尖閣諸島周辺の領海外側にある接続水域で12日、中国の海洋監視船3隻が航行しているのを海上保安庁の巡視船が確認した。中国当局の船が尖閣周辺で確認されたのは11日連続。
第11管区海上保安本部(那覇)によると、3隻は「海監15」「海監50」「海監66」。11日午後2時ごろに接続水域に入るのが確認された漁業監視船「漁政206」は約8時間航行した後、接続水域から出た。 巡視船が領海に近づかないよう警告している。(引用ここまで)
中国監視船3隻 接続水域を航行 5月12日 17時33分
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20130512/k10014515281000.html
沖縄県の尖閣諸島の沖合では、中国の海洋監視船3隻が日本の領海のすぐ外側にある接続水域で航行を続けていて、海上保安本部が領海に近づかないよう警告と監視を続けています。第11管区海上保安本部によりますと、12日午後3時現在、尖閣諸島の南小島の南南東およそ25キロの日本の接続水域で、中国の海洋監視船3隻が航行しているということです。中国の海洋監視船は、今月2日から11日連続で尖閣諸島沖の接続水域にとどまっていて、5日には一時、領海に侵入しました。海上保安本部は、3隻に対し領海に近づかないよう警告するとともに、監視を続けています。一方、11日午後、尖閣諸島沖の接続水域で確認された中国の漁業監視船1隻は、11日午後10時40分ごろ水域を出たということです。(引用ここまで)
毎日 尖閣周辺:中国船3隻が航行、11日連続 2013年05月12日 19時31分
http://mainichi.jp/select/news/20130513k0000m030026000c.html
沖縄県・尖閣諸島周辺の領海外側にある接続水域で12日、中国の海洋監視船3隻が航行しているのを海上保安庁の巡視船が確認した。中国当局の船が尖閣周辺で確認されたのは11日連続。
第11管区海上保安本部(那覇)によると、3隻は「海監15」「海監50」「海監66」。11日午後2時ごろに接続水域に入るのが確認された漁業監視船「漁政206」は約8時間航行した後、接続水域から出た。 巡視船が領海に近づかないよう警告している。(共同)(引用ここまで)
産経 米韓海軍が合同訓練 13日から日本海で米空母投入 2013.5.12 19:44 http://sankei.jp.msn.com/world/news/130512/kor13051219460001-n1.htm
【ソウル=加藤達也】韓国の聯合ニュースは12日、韓米両軍が13、14日の両日、韓国東岸浦項(ポハン)沖の日本海で合同海上訓練を実施すると伝えた。訓練には釜山(プサン)に寄港中の米原子力空母「ニミッツ」も参加する。 米韓軍当局は「毎年実施している定期合同訓練の一環」としているが、北朝鮮は米空母の韓国入港を極度に警戒しており、訓練に反発するのは確実だ。 報道によると、訓練では韓国のイージス艦などが米海軍艦艇とともにミサイル探知や対潜水艦訓練を実施する予定。ニミッツは訓練に合わせて11日に釜山に入港しており、期間中には艦載機による強襲出撃訓練も実施されるという。 北朝鮮はニミッツの寄港を「重大な挑発」と非難。「(米韓が)襲いかかってくれば、砲火で水葬する」などと強く反発している。 北朝鮮は、米軍の強大な兵力が韓国に入って実施する合同訓練に常に強く反発し、緊張を高めてきた。今回の訓練に対しても11日、「共和国(北朝鮮)に対するあからさまな威嚇、恐喝であり、(対北)侵略核戦争の火種を炸裂(さくれつ)させるための軍事挑発だ」と非難している。 米軍は合同訓練終了後の21日にも、北朝鮮に対する過度な刺激を避けるために延期していた大陸間弾道ミサイル(ICBM)ミニットマン3の発射実験を実施する方針で、米韓両軍は北朝鮮が訓練や実験を口実に、挑発行動を激化させる可能性もあるとみて警戒している。(引用ここまで)