愛国者の邪論

日々の生活のなかで、アレ?と思うことを書いていきます。おじさんも居ても立っても居られんと小さき声を今あげんとす

橋下氏を持ち上げたマスコミの責任、最も批判した勢力を黙殺するマスコミの犯罪的役割に大喝!改善しろ!

2013-05-15 | 日記

橋下氏が内外の批判を受けて、いつものように弁解の挙動に出ました。呆れますが、ここでも、橋下氏無知ぶりがさらけ出されました。以下のテーマで検索すれば、学問の成果と国際的常識についての橋下氏の誤りと彼の無知ぶり、不勉強ぶり、答えがあって、その答えにとって付けた「事実」の論理の杜撰さが判ります。

http://d.hatena.ne.jp/keyword/%BD%BE%B7%B3%B0%D6%B0%C2%C9%D8#p11

従軍慰安婦とは

1. 強制連行はあったの、どうやって集めたの?

2. 軍や国は関わったの?刑法に抵触するの?

3. 国際法に違反することはしてない?

4. 強制連行などの証拠はあるの?

5. 元慰安婦の証言は信用できるの?

6. 強制連行を告白した吉田清治は嘘をついた?

7. 河野談話は政治決着と聞いたけど?

8. 慰安婦は高給だったと聞いたけど?

9. 慰安婦は本当はいい生活だった?

10. 従軍慰安婦への賠償は行われていないの?

11. 従軍慰安婦問題に関するWebサイト

 

同時に、橋下氏に好き勝手なことを言わせておいて、その根拠を問い質し、説明を求めることをせず、その主張を垂れ流すマスコミの犯罪的役割についても、糺していかなければなりません。

90年代自民党政治に愛想を付かせた国民が、共産党に期待して820万人もの国民が投票したことを自民党や財界が「反省」。マスコミを使って「政権交代可能な二大政党政治を」と煽りながら、謀略選挙を仕掛け、共産党を追い落とし、さらには小泉旋風を起こすことで共産党や社民党を吹き飛ばして10年、しかし、それでも、戦後自民党政治の行き詰まりは救いがたいものでした。

その結果、新自由主義的政策を掲げ自民党と競い合っていた民主党が、共産党のような政策を掲げることで、自民党に愛想を付かせていた国民の要求の受け皿となり、ここでも共産党を吹き飛ばし、政権を獲得。「政権選択」の嵐の枠外の追いやられてしまったのでした。

そして最終的には、マスコミが「政権交代」選挙と吹聴し、国民の期待を「政権交代」一点に集めたことが大きな要因でした。しかし自民がダメだったから、民主を持ち上げたが、その民主もダメだった。しかし、その自民もダメだから、どうするか、そこで登場させたのが、坂本龍馬の維新八策を真似した橋下「維新」だったのです。

自民と民主の二大政党政治に不満を持つ国民にとって、意図的に敵をつくって過激な言葉(挑発的言動)を発して煽る橋下氏の挑発的言動は、期待満載の格好の材料でした。総選挙直前に立候補した維新の候補ですら、共産党の獲得票を上回る支持を獲得したことに、政治の本質が見えてきます。このことは政権交代前の都議選や政権交代時の民主党候補への国民の期待度と同じでした。ここにマスコミの犯罪的役割が見えてきます。

その際のポイントは、自民民主の「既成」に対して「維新」という偽りの対立構造を作り、「既成」の中に「共産党」を入れてしまうというトリック、マジックによって、共産党を追い落とす作戦に出ていたのです。これは現在も成功しています。共産党も、こうした作戦に有効な手を打てていません。内向きの「自力回復」論に陥っているからです。これについては、別項で記事にします。

昨年の総選挙の際にも、政権公約を守れない民主はダメ、それを追及する自民も同じ。ではその二大政党に変わるのは?共産党になってしまっては・・・。ということで、「第三極」として登場させたのは偽りの「維新」を持ち上げること、その最大のトリックは、消費税や原発・普天間などの政策論争、日本のあるべき改革論争ではなく、総選挙後の「政権枠組み」論を作り出し、ゴマカシ、実は超復古政党である橋下維新を持ち上げたのです。

これは「自民党をぶっ壊す」論、「政権交代可能な二大政党政治」論、「政権選択選挙」論、「政権交代選挙」論の焼き直しです。かつての「保革逆転・保革伯仲」論から、「与野党逆転・与野党伯仲」論、「非自民非共産の政権」論と同じです。

しかし、沈没する民主から脱兎のごとく離党して新党づくりのドラマなど、総選挙前の野合・離合集散の演出、「維新」に参入してきた超復古時代錯誤の石原慎太郎平沼赳夫片山虎之助西村眞悟三宅博などによって、嫌気を感じた国民は、戦後最低の投票率に診るように、政治不信の増幅のなかで、漁夫の利を得た自民党が安倍政権の奪還を実現さあせたのです。

しかし、その自民の政権奪還によって、「維新」の「革新」性は、「既成」の「復古」と同じになって、見えてきたのです。それが最近の安倍政権の憲法改悪のための超復古発言によって「維新」の存在意義が薄れ、安倍政権にお株を奪われ、その「賞味期限」「年内に消滅する」発言だったのです。

こうしたなかで、石原・橋下維新と安倍自民党の憲法改悪のための連携作業が、参議院選挙を前に、マスコミの応援を受けて徹底されようとしている時に、日本国内よりは欧米とアジアから、彼らの超復古思想に、被害国・勝利国から批判が集中しているというのが、現在の日本の政治状況ではないでしょうか?

これは歴史の前進面・進歩面、平和を求める国民の深層を読み取れない、身勝手な、自己チュー思想と言えます。

例えば、安倍首相は、憲法は「占領軍に押し付けられた」から「国民の手でつくる」と言いますが、そのデタラメさは、以下の憲法交付の際の天皇の言葉をみれば明瞭です。天皇を元首として格上げを狙う自民党の改憲案が出されましたが、その不勉強ぶり、手前勝手さ、天皇の政治利用ぶりがよく判ります。

 

日本国憲法における上諭

日本国憲法

は、日本國民の總意に基いて、新日本建設の礎が、定まるに至つたことを、深くよろこび、樞密顧問の諮詢及び帝國憲法第七十三條による帝國議會の議決を經た帝國憲法の改正を裁可し、ここにこれを公布せしめる。

御名 御璽

昭和二十一年十一月三日

内閣總理大臣兼

外務大臣       吉田茂

國務大臣   男爵 幣原喜重郎

司法大臣       木村篤太郎

内務大臣       大村一

文部大臣       田中耕太郎

農林大臣       和田博雄

國務大臣       齋藤隆雄

逓信大臣       一松定吉

商工大臣       星島二郎

厚生大臣       河合良成

國務大臣       植原悦二郎

運輸大臣       平塚常次郎

大蔵大臣       石橋湛山

國務大臣       金森徳次郎

國務大臣       膳桂之助

 

もう一つ橋下氏のウソ・不勉強ぶりを紹介しておきます。 

慰安婦「今は許されない」=安倍首相発言には反論-橋下氏 (2013/05/15-20:16)

http://www.jiji.com/jc/c?g=pol_30&k=2013051501030

 日本維新の会の橋下徹共同代表は15日、大阪市役所で記者団に対し、旧日本軍による従軍慰安婦制度を「当時は必要だった」とした自らの発言に関し、「今は人権問題としても絶対許されないような問題。他国がやっていたから、日本がやったことをいいじゃないかと言うつもりは毛頭ない」と釈明した。国内外からの厳しい批判を受け、軌道修正した形だ。 橋下氏が記者団の取材に応じたのは2日ぶり。安倍晋三首相が国会答弁で「立場が違う」と述べたことに対しては、「自民党を含め、日韓基本条約で法的に全て解決済みだと言い続けていることのほうが、慰安婦の皆さんを傷つけている」と反論。その上で「賠償は難しいにせよ、きちんとした配慮はしていかなければならない」と述べた。 一方で橋下氏は「第2次世界大戦当時、世界各国がやっていた。なぜ日本だけが特別な批判を受けるのか、考えなければならないという問題提起だ」と説明。「大反撃を食らうのは百も承知。いろんな方のアドバイスを受けて議論し、時機をみて指摘しようと思っていた」と語った。 これに関連して松井一郎幹事長は大阪府庁での記者会見で「橋下氏は人権を無視するような男でない。差別や侮辱をするような人だと誤解されているなら、説明が足らなかったということだ」と述べた。(引用ここまで)

 

どうでしょうか?各紙の記者の突っ込みはあるでしょうか?「弁解」を許しているのですから、呆れます!

次に、以下の記事を紹介することで、共産党はずしの実態を明らかにしておきます。

【橋下氏慰安婦発言】石破氏「国益損なう」、福島氏「激しい憤り」 各党幹部も相次ぎ批判2013.5.14 13:22

http://sankei.jp.msn.com/west/west_affairs/news/130514/waf13051413240028-n1.htm

石破茂・自民党幹事長

 日本維新の会共同代表の橋下徹大阪市長が慰安婦制度を容認するような発言をしたことに関し、与野党幹部らからも14日、批判が相次いだ。 

自民党の石破茂幹事長は「論理が飛躍している。兵士のケアが必要なのは確かだが、だからといってそういう(慰安婦)施設が必要だとはならない。政党トップとして発言によく配慮しなければ国益を損なう」と発言への懸念を示した。

公明党の山口那津男代表も「女性の人格、人権を軽視する発言だ」と指摘した。

社民党の福島瑞穂党首は「戦争遂行のためには女性の人権を蹂躙(じゅうりん)しても構わないとの発言で、激しい憤りを感じる」と非難。在日米軍に風俗産業の活用を促したことをめぐっても「買春を肯定するもので、性的暴行事件に苦しんできた沖縄をさらに傷つける。(買春を勧められ)米側もショックだろう」と述べた。(引用ここまで

 

橋下共同代表の発言 各党が相次ぎ批判  5月14日 19時59分http://www3.nhk.or.jp/news/html/20130514/k10014570781000.html

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日本維新の会の橋下共同代表が、いわゆる従軍慰安婦の問題について、「軍の規律を維持するために当時は必要だった」などと述べたことについて、各党からは批判が相次ぎました。

自民「男性の矜持(きょうじ)はどこに」

自民党の野田総務会長は記者会見で、「論外だ。『日本人の男性はほとんどが、そういうものがなければ頑張れない』ということを世界に発信したわけで、非常に見識を欠く発言だ。男性ならではの矜持(きょうじ)はどこに行ってしまったのか」と批判しました。

民主「看過できない発言」

民主党の常任幹事会が開かれ、日本維新の会の橋下共同代表が、いわゆる従軍慰安婦の問題について、「軍の規律を維持するために当時は必要だった」などと述べたことについて、「女性蔑視の発言だ」などといった批判が相次ぎました。
日本維新の会の橋下共同代表は13日、いわゆる従軍慰安婦の問題を巡って、「軍の規律を維持するために当時は必要だった」などと述べたほか、石原共同代表も14日、「軍と売春はつきもので、歴史の原理みたいなものだ」と述べました。
これに関連して、民主党の海江田代表は、14日に開かれた党の常任幹事会で、「橋下氏と、石原氏が女性の人権を無視した発言をした。こうした発言は看過できない」と述べました。
そして、出席者からは、「女性蔑視の発言で、国際問題につながりかねない」という指摘や、「人権侵害であり、公党の共同代表の発言としては極めて問題だ」などといった批判が相次ぎました。

みんな「コメントにすら値しない」

みんなの党の渡辺代表は、記者会見で、「橋下・石原両氏の発言はコメントにすら値しない。維新の会と参議院選挙の候補者調整をしているが、みんなの党に影響はないし、だからこそ、維新の会とは別々の政党でやっている。参議院選挙後も合流することはない」と述べました。(引用ここまで

NHKは、この放送の前には、「みんな」の代わりに「共産党」の記者会見の内容を放映していましたが、ネットに入れていません。何故でしょうか?ところが、共産党は記者会見を行っているのです。朝日には、写真入りで紹介されています。珍しい限りです!記者会見が掲載されるのは!?

橋下氏「慰安婦は必要」 公人の資格ない暴言 米軍には「風俗業活用」すすめる2013年5月14日(火)

http://www.jcp.or.jp/akahata/aik13/2013-05-14/2013051401_01_1.html

維新の存立が問われる 市田書記局長が会見2013年5月15日(水)

http://www.jcp.or.jp/akahata/aik13/2013-05-15/2013051501_02_1.html

どうでしょうか?共産党は以下のような記事を赤旗に掲載しますが、大丈夫でしょうか?新聞でも、テレビでも、ネットでも共産党隠しの実態はどうでしょうか?

因みに今日の参議院における井上VS安倍論争はどのように報道されているでしょうか?共産党隠しの実態と本質、その対策を真剣に考えないと、天安門事件以来のマスコミ戦略の枠内で、またまたやられます!大局よりも、今でしょう!庶民の暮らしを守るのは!

以下の記事のようなことを言っていて、大丈夫ですか?心配ですね。

政治考 「“自共対決”の構図は自然」二大政党制崩壊 第三極飽き飽き「政策 自民に対峙は共産」メディア関係者  2013年5月12日(日)

http://www.jcp.or.jp/akahata/aik13/2013-05-12/2013051201_01_1.html 

 

それでは、マスコミは橋下市長の人権侵害とのたたかいをどのように報道したか、検証せよ!その責任を問う!正す!ということについて、わずかな事例ですが、掲載しておきます。

横暴「橋下維新」とのたたかい 大阪  記者座談会 2012年4月2日(月)

http://www.jcp.or.jp/akahata/aik12/2012-04-02/2012040204_01_1.html

維新 兵庫2市長選惨敗大阪都に吸収” 市民反発宝塚で中川氏再選 2013年4月16日(火)

http://www.jcp.or.jp/akahata/aik13/2013-04-16/2013041601_03_1.html 

橋下市長の「思想調査」違法 不当労働行為と認定 大阪府労委 再発防止求める 2013年3月26日(火)

http://www.jcp.or.jp/akahata/aik12/2013-03-26/2013032601_01_1.html 

大阪・橋下市長「思想調査」不当労働行為 憲法踏みにじる無法  全面的に誤り認めよ 2013年3月26日(火)

http://www.jcp.or.jp/akahata/aik12/2013-03-26/2013032603_01_1.html

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挑発的言動を繰り返し国民の支持を取り付ける消滅間近の石原・橋下維新、その退廃に国民はノーを!

2013-05-15 | 日記

とうとう、化けの皮が剥がれてきました。「挑発的言動を繰り返す北朝鮮」という日米軍事同盟深化派と、その応援団である日本のマスコミのロジックが、今や石原・橋下両氏の率いる日本維新の会にピッタリとするような出来事が世界と日本を駆け巡りました。

しかし、この橋本発言のネライは、別のところにあるように思います。以下の事実に対する切り替えしとして、過激な、挑発が展開されたということです。侵略戦争の定義、慰安婦問題、憲法改悪など、戦後レジーム問題に対する米韓合同と中国の安倍包囲網に対する支援として論戦に参入してきたということです。このことで、再度注目度をあげて、維新の会として挽回し、夏の参議院選挙で、憲法改悪派の勢力拡大というネライです。

草の根を持たない政党がマスコミに注目されなければ、一気に支持を失うという構造、マスコミに取り上げられ続けるるために過激な言葉、挑発的言動を繰り返す理由、そして何よりマスコミの日米軍事同盟容認派・憲法改悪派温存の構造が、ここに見えてきます。

橋下市長「賞味期限切れ記事」でツイッターひと晩39回!週刊朝日だから許せん? 013/4/ 8 13:32

http://www.j-cast.com/tv/2013/04/08172575.html?p=all

苦境の維新、橋下氏は参院選出馬拒否 石原氏「もう賞味期限…」 2013.05.08

http://www.zakzak.co.jp/society/politics/news/20130508/plt1305081216002-n1.htm

日本維新 賞味期限”はその通り  共感ないのは確か 橋下氏2013年5月10日(金)

http://www.jcp.or.jp/akahata/aik13/2013-05-10/2013051002_03_1.html

そのような橋下氏のネライを踏まえると、国際公約である日本国憲法を活かしていくという点において、また戦争責任をはたし、国際社会の中で名誉ある地位を占めるという点において、日本国民は、安倍氏や橋下氏などの「不道徳」と「恥さらし」を、何としても日本の政治の世界から博物館へ送りつけなければなりません。その仕事を、維新の会に、安倍氏などに、できるだけ早く早く突きつけるために、何ができるか、考えていきましょう!ということで、記事を書いてみます。

発端の記事は以下のとおりです。見出しと、橋下氏の主張の本質は根本において違っています。マスコミの安倍・橋下両氏弁護論が透けて見えてきます。

読売 「侵略と受け止め反省とおわびを」橋下共同代表 (2013年5月13日13時59分)

http://www.yomiuri.co.jp/politics/news/20130513-OYT1T00657.htm?from=popin

村山首相談話について、「敗戦の結果として侵略だということはしっかりと受け止めないといけない。反省とおわびはしなければならない」…安倍首相が「侵略の定義は定まっていない」と指摘したことについては、「首相の言うとおりだ」と理解を示し…

いわゆる従軍慰安婦問題について、「当時の歴史を調べると、いろんな軍で慰安婦制度を活用していた。銃弾の飛び交う場で命をかけて走っていくときに、休息させてあげようと思ったら、慰安婦制度が必要なのは分かる」「日本は軍を使って国家として(慰安婦制度を)やっていたと批判を受けているが、その点については違うと言わないといけない」

橋下共同代表 侵略と受け止めるべき 5月13日 17時59分http://www3.nhk.or.jp/news/html/20130513/t10014542771000.html

高市政務調査会長…に関連して、「侵略の定義については、学術上きちっと定義がないことは、安倍総理大臣が言われているとおりだが、日本は戦争をやって負けたわけで、戦勝国側からすれば、事実の評価を曲げることはできないだろう。日本が、実際に周辺諸国に多大な苦痛と損害を与えたことは間違いなく、敗戦の結果として、『侵略』だということはしっかりと受け止めなければいけない」…いわゆる従軍慰安婦問題について、「当時の歴史を調べてみれば、日本だけではなく、いろんな国で慰安婦制度が活用されていたことが分かる。銃弾が雨嵐のごとく飛びかう中で、命をかけて走り、精神的に高ぶっている集団を休息させようと思ったら、慰安婦制度が必要なのは誰でも分かる」「日本は、無理やり強制的に女性を拉致して慰安婦の職業につかせたと批判されているが、違うことは違うと言っていかなければいけない。日本政府が暴行脅迫したというのは、証拠に裏付けられていない。意に反して慰安婦になってしまった方は戦争の悲劇でもあり、戦争の責任は日本にもあるのだから、慰安婦の方の心情を理解して、やさしく配慮することが必要だ」

こうした挑発的発言(妄言)が繰り返し行われるのには、いくつかの理由があります。

それは、このような妄言をそのまま伝えるという形をとりながら、学問的・国際的に決着の付いている問題について、

1.日本のマスコミが、きっぱりと批判していないこと、

2.また日本政府と政治家が、細川・村山・河野・小泉談話などが出されても、靖国参拝を繰り返したり、教科書において戦争責任問題について曖昧にしていること、

3.尖閣・竹島・「北方領土」問題など、戦後政治における未解決が、吹き上がっていること、

4.これらが原因となって、国民の中に存在している「なんで他国にイチイチ言われなくてはいけないのか」「いつまで謝れば良いのか」などという素朴なナショナリズムを煽って、正当化していること、

などがあるからです。

それにしても、橋下氏のロジックをみてみると、極めて単純・短絡的です。この人の形式論理は、この人なりの結論があって、それを正当化するための論理が展開されているにすぎません。まるで受験勉強で覚えた答え・結論を証明するために、とってつけた「橋下氏なりの事実」を取り出して説明しているに過ぎないというものです。

 

以下の記事が、橋下氏の発言を伝えていますので、参考にします。

【橋下氏の慰安婦発言要旨】(上)高ぶる猛者集団を休息させるため…制度は必要だった 2013.5.14 00:52 (1/4ページ)[west政治

http://sankei.jp.msn.com/west/west_life/news/130514/wlf13051400540000-n1.htm

橋下氏の慰安婦発言要旨】(下)建前論ばかりでは人間社会は回らない 2013.5.14 01:20 (1/3ページ)http://sankei.jp.msn.com/west/west_life/news/130514/wlf13051401230001-n1.htm

(安倍晋三首相が国会質疑で「侵略の定義は国によって異なる」などと発言したことについて)侵略の定義については、学術上、定義がないことは安倍首相が言われている通り。ただ、学術上定まっていなくても、敗戦の結果として侵略したということは受け止めないといけない。実際に、多大な苦痛と損害を周辺国に与えたわけだから。 その事実はしっかり受け止め、反省とおわびをしないといけない。当事者が「終わりだ、終わりだ」といって時間をくぎって終わりにすることはできない。だから、戦後60年、70年たったから「チャラにしてくれ」ということではない。 (戦争に)負けたんだから、当時の為政者に重大な責任がある。負けるような戦争はやってはいけないし、そもそも戦争はやってはいけない。

この発言は、東條英機の発言と同じです。あの戦争は侵略ではなかった、自存自衛の戦争だった、裁かれるのは不本意である。だが、戦争に負けたと言う意味では国家的指導者としての責任があるので、その意味での裁きは受けるというものです。以下をご覧ください。

清水正義『戦争責任とは何か 東京裁判をめぐる50問50答』(かもがわ出版08年9月刊)より 

 東条が東京裁判に提出した宣誓供述書のいちばん最後に、自らの貴任について詰った部分かあります。それによれば、

 「戦争が国際法王より見て正しき戦争であったか否かの問題と、敗戦の責任㈲何との問題とは、明白に分別の出来る二つの異なった問題であります。第一の問題は外国との問題であり且法律的性質の問題であります。私は最後まで此の戦争は自衛戦であり、現時承認せられたる国際法には違反せぬ戦争なりと主張します。……中略……第二のの問題、即ち敗戦の責任については当時の総たりし私の責任であります。この意味に於ける責任は私は之を受諾するのみならず真心より進んで之を負荷せんことを希望するものであります」

とあります「川原入学編、滝沢荘太編著 正義を貫いた 東条英機東京裁判供述書」高原入学総本部、一九九八年)。

 この戦争は自衛戦争であり対外的、法律的な責任は自分にはない、ただし敗戦の責任はよろこんで認めよう、というのです。

 こうした東条の姿勢は、人生の最後の一瞬まで一貫していたようです。死刑執行数時間前に教誨師の花由信勝師と面会した東条は、花山師に口述遺書を遺していますが、その冒頭でも

 「開戦の時のことを思い起こすと、実に断腸の思いがある。今回の死刑は個人的には慰めらるるところがあるけれども、国内的の自分の責任は、死をもって償えるものではない。しかし国際的な犯罪としては、どこまでも無罪を主張する。力に屈服した。自分としては、国内的な責任を負うて、満足して刑場に行く。ただ同僚に責任を及ぼしたこと、下級者にまでも刑の及びたることは、実に残念である」と述べています。(『正義を貫いた 束条英機束京裁判供述書』)

 

こうした思想が戦犯の靖国合祀となっているのでしょう。同時に、この思想が、国民の中に沈澱し、現在の国民意識のイデオロギー状況を支えているのだと思います。しかし、これほど都合の良い思想はありません。潔さが欠落した、身勝手な思想と言えます。日本人の道徳観を汚すものと言えます。その最たる人物が現人神であり、統治権の総攬者であった裕仁天皇であったことは明瞭です。

さて、以上の思想と論理は、橋下氏に、立派に受け継がれているのです。

「(戦争に)負けたんだから、当時の為政者に重大な責任がある。負けるような戦争はやってはいけないし、そもそも戦争はやってはいけない」と述べています。東條の代弁者であることは明瞭です。「そもそも戦争はやってはいけない」と言いつつも、「負けるような戦争でなければやってもよい」と言って、「あの戦争はやむを得ない戦争だった」と言って正当化しているのです。このことは、維新の9条改悪論と合致しています。

 そのことを示す材料は、実に豊富です。次に「慰安婦」問題について検討してみます。

1.「意に反して、慰安婦に就いたことについては配慮」と言いながら、何故意に反しなければならなかったか、いっさい不問です。

2.日本の非(戦争に負けたという結果についてだけなのですが)を言いながら、「アメリカやヨーロッパの植民地政策」の非を出すことで、日本の非を軽くし、相対化してしまう手法・論理です。

3.「日本の行動だけが原因ではないかもしれないが、第二次世界大戦が一つの契機となっていろんな国が独立したことも事実」という「事実」をあげ、歴史の因果関係の連鎖を示すことで責任の問題もチャラにしてしまう思想です。これは「言い訳」論に他なりません。 

4.これでは今後起こる戦争についても、これから起こるであろう「意に反する」犯罪行為についても、全てチャラにしてしまうことになります。これは子どもの我がままと同じ思想と論理ではないでしょうか?ここにこそ戦後教育の弊害が如実に出ているように思います。

5.「精神的に高ぶる猛者集団をどこかで休息させてあげようと思ったら慰安婦制度が必要になるのは誰でも分かる」という思想と論理には呆れます。

(1)侵略戦争「やってはいけない戦争」について「休息させてあげ」るという発想

(2)そのためには「慰安婦制度が必要」という発想

(3)このことは「目的のためには手段を選ばず」論があります。これは、勝利のためには、学力向上のためには、秩序維持。精神力向上が必要であるから、体罰も、学力テストの結果公表で競争を煽り、成績を上げさせる、上げられない学校は廃校にする、選挙で勝った市長は市民から権力の行使を委任されたのだから、市長のいうことを利かない公務員は処罰するという思想と論理に通じるものです。

6.こうした思想と論理は、極めて卑俗なもので、人権と民主主義を擁護する弁護士とは思えない、憲法擁護遵守が義務付けられている市長とは思えない思想と論理です。 

体罰を容認し、煽ってきた橋下氏長は責任を取って辞職しろ!田中文科相バッシングと違う橋下擁護に喝!

http://blog.goo.ne.jp/aikokusyanozyaron/e/c621e26edcdbdcf6fe481bb2c5ccd6fa

橋下「改革」で教育どうなった 2012年5月11日(金)

http://www.jcp.or.jp/akahata/aik12/2012-05-11/2012051106_01_0.html

橋下知事「手を出さないとしょうがない」 体罰容認発言 2008年10月26日22時49分

http://www.asahi.com/special/08002/OSK200810260045.html 

7.「近代史を学ぶべき」とする橋下氏の「事実」は、自分の都合の良い「事実」のみをあげることで、先に述べた思想を正当化するものですが、百歩、いや万歩譲って、彼の言い分を認めるとして、「証拠がない」論について言えば、敗戦直後から占領軍の本土上陸までの間、証拠となる文書を大量に焼却した事実について、如何に説明するのか、知りたいものです。 

8.橋下氏や安倍首相の言いたい放題について、各紙の記者の学問的・国際的「常識」を踏まえた質問がなされないことが、最大の問題と言えます。その点で、各紙がどのように伝えたか、別項で一覧してみます。 

橋下氏の発言より

なぜ日本の慰安婦だけが取り上げられるのか

 慰安婦問題については、慰安婦になった方にはやさしい言葉をかけないといけないし、やさしい気持ちで接しないといけない。意に反して、慰安婦に就いたことについては配慮しないといけない。なぜ日本の慰安婦だけが世界的に取り上げられるのか。当時、世界では慰安婦制度を軍が持っていた。良いこととは思わないが、そういうものだった。なぜ日本だけが取り上げられたか。無理やり国をあげて強制的に意に反して職業に就かせたとして、世界は日本を「レイプ国家」として非難している。そのことを日本はもっと認識しないといけない。意に反して慰安婦になってしまった方は戦争の悲劇の結果。その責任は日本国にもある。 当時の世界の状況をみれば、アメリカやヨーロッパは植民地政策をやっていた。日本国の行為を正当化はしないが、当時はそうだった。そういう状況の中で、日本は戦争に踏み切って負けた。負けた以上は受け入れないといけないところはあるが、違うところは違うと言っていかないといけない。日本の行動だけが原因ではないかもしれないが、第二次世界大戦が一つの契機となっていろんな国が独立したことも事実。

近現代史を学ぶべきだ

 日本の歴史認識について、政治家のメッセージの出し方が悪いところは、歴史問題に関して「謝るところは謝って、言うべきことは言う」ということができないこと。一方では、言うべきことは言わないで、すべて言われっぱなし。もう一つの立場は事実全部を認めない。あまりにも両極端すぎる。 当時の状況はどうだったか、もう少し近現代史を学ぶべきだ。慰安婦と聞くと(日本が)とんでもない悪いことをしていたと思うかもしれないが、当時の歴史を調べれば、旧日本軍以外にいろんな軍が慰安婦制度を活用していた。あれだけ銃弾が飛び交う中で、命かけてそこを走っていくときに、精神的に高ぶる猛者集団をどこかで休息させてあげようと思ったら慰安婦制度が必要になるのは誰でも分かる。 韓国やいろんなところの宣伝効果もあって「レイプ国家」とみられている。証拠があるなら認めないといけないが、平成19年の(第一次安倍内閣の)閣議では証拠がないという状況になっている。今のところ、軍が暴行脅迫して拉致して慰安婦にしたという事実は証拠で裏付けられていない。ここはしっかり言っていかないといけない。ただ、真摯(しんし)に考えるべきところは考え、反省すべきところは反省しないといけない。(引用ここまで) 

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