アンダンテのだんだんと日記

ごたごたした生活の中から、ひとつずつ「いいこと」を探して、だんだんと優雅な生活を目指す日記

キャラを楽しむタンゴライブ

2009年12月08日 | バイオリン
これまで「タンゴ」という音楽ジャンルをあまり意識したことがありませんでしたが、昨日は初めてのどっぷり一夜タンゴ漬けです。強烈でした。

そういえばピアソラの「リベルタンゴ」ならピアノ連弾でやったことがあります…題名に「タンゴ」ってついてますね。でも、タンゴって何だかわかってなくてやってたので偽タンゴです。そんな偽連弾でも、ガンガンに攻め攻めで気持ちよく弾けた、懐の広い曲です。

今回は本物のタンゴバンドで聴く「リベルタンゴ」ですから、こりゃすごいかっこいいです。事前に、今回のバイオリンオフ会主宰者であるVNYOさんから入れ知恵されて、この曲の終わった瞬間にみんなでブラボー!!って叫ぼうという口裏合わせがされていましたが、それがほんとに自然に出ちゃう盛り上がりでした。

実はこの直前の曲、「Celos(ジェラシー)」というのがまた、バイオリンのソロがめっちゃ派手で、ブラボーはこっちの曲だったか!? というみんなの逡巡が感じられましたが、根回しが済んでないと一人では飛び出せない日本人でした、みんな(^^;;

クラシックのアンサンブルでも、ソロというかそれぞれの見せ場みたいなものはあると思うんですけど、タンゴや、それから前日聴いたジャズではもっと明確にあります。(それにしても二日連続こんな間近でコントラバス聞いちゃいました)

ayucoさんの「私いくわよ!!」みたいな、スタンドマイクにぐっと寄ったときの弓さばきはそりゃもう惚れ惚れします。バイオリンの肩当てにまず小さいマイクが付いているのですが、ソロのときはそれとは別にスタンドマイクに近寄って迫力最強でいくものらしいです。ブーツを履いた足がカツッといくとまたこれが納得のタイミングなんですよ。

タンゴは、ものすごくメリハリのあるリズムが特徴なので、弓の動かし方も大胆です。あんな勢いで弓を動かしてもあんなきれいな音がでちゃうんだ…と思ってしまいそうですが、自分でやってもただの雑音にしかなりませんね。VNYOさん曰く、タンゴライブのあとはつい弓をぐいとか動かしてみたりして、あれー、ああならないー…とだんだん平常に戻っていくんですって(笑) しかも駒のこっち側を弾く特殊な奏法の真似とかやけに練習しちゃったりして。はは。

バイオリンに限らず、タンゴバンドのみなさんはきっかりとキャラが立っていて、とりわけバンドネオンの方は強烈な天然電波を飛ばしています。脱力系トークが絶妙で、それをふんわりと背後のベースの方が支えています。

バンドネオンという楽器は、ちょっと小さなアコーディオンという雰囲気ですが、アコーディオンと違って鍵盤がありません。右側も左側もボタンが並んでいます。しかも、蛇腹を引っ張るときと押すときで、同じボタンでもぜんぜん違う音になるし、ボタンは歴史的に継ぎ足し継ぎ足ししていったもんだから、音の順に並んでるわけでもないという、かなりありえない楽器です。しかし、旋律もいけて和音も出せるこの楽器の歌いっぷりは、心にずんと響くものがあります。

特殊な楽器ですので、ピアノなどと違って、その奏者を目指すということ自体思いつきませんから、たいていはタンゴ奏者の二代目だったりするものらしいのですが、彼はまったく違うそうです。中学生のとき、修学旅行先で雨に降られ、たまたま見たNHKの番組でピアソラを聴いて運命の出会い。それでもうビビッと来てしまって、数少ないバンドネオン奏者を探して弟子入りしたというからすごいですね。

VNYOさんは何度かこのタンゴバンドの演奏会は経験ありで、今回のオフのためにかぶりつきの席を予約してくださいました。六人で、最前列しかもバイオリンの側をしっかりキープして、よしぞうの座ったところなんて譜面台から30cmくらいです。「譜面見ようとするとなんだか目が合っちゃうんで、なるべく暗譜で弾いてた」とayucoさん。

VNYOさん以外の五人(私含む)はタンゴ初体験、とにかく来てよかったぁと口々に言ってました。それにしても、VNYOさんもですがみなさんほんとに初めてお会いした気がしません。ブログ上で拝見している記事やコメント、それからピグと印象がきっちりつながってます。VNYOさんなんか、わざわざピグに合わせて、しましまシャツで登場です。

タイトルに「キャラを楽しむタンゴライブ」と書きましたが、キャラが立ってるのはバンドの方だけではなくて、このオフ会の面子もです。というか、どうしてただバイオリンのブログ書いてるというだけでこんな濃ゆい人々が集まるんやらさっぱりわかりませんが(とりあえず自分を棚に上げていってみる)めちゃおもしろかったです。

これからも楽しいバイオリンライフが送れそうです。引き続きよろしくお願いしますよ、部長!!
(注: VNYOさんは、アメーバのピグでバイオリン習ってます部をやっていて部長さんと呼ばれています。私はピグやってないんですけどね)

ところでタンゴのレパートリーの中に、ピアソラは重要な地位を占めているようですが、決してそれが中心というわけではなく、貧しかったり、政情不安だったりする状況にある人々の心の歌だったのですね。重い暗い感じとエネルギーが同居したような、力強い曲がたくさんありました。またぜひ行ってみようと思います。


今日の弁当:
夫婦で出かけて「日付の変わるころ」帰りだったもので、すっかり家の中が手薄で、気がついたら弁当材料がほぼ空でした。

かろうじてあったピーマンをゆで、作りおきのこんにゃくを詰め、あとはひたすら肉団子という無理やり弁当です。
コメント (10)
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