アンダンテのだんだんと日記

ごたごたした生活の中から、ひとつずつ「いいこと」を探して、だんだんと優雅な生活を目指す日記

愛着ピアノ

2009年12月15日 | ピアノ
我が家のピアノは、「我が家」とまったく同じ年齢。結婚のときに、「立派な箪笥を買う代わりに」といって私の親が買ってくれたもの。

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ちなみに、箪笥は近くの古道具屋で4000円だったから自分たちで買った(笑)

そのころの私は、別にピアノを習っているわけでもなく、ピアノはときどき弾いていたけどそんなに頻繁ではなく…はっきりいって、ピアノはずいぶんと身分不相応な品だった。

ヤマハのごくふつうのアップライトピアノの、真ん中くらいの価格の品で、デザイン重視で買ったので(茶色の木目調、ネコ足)、ピアノそのもののランクとしては中の下くらいか?? 背はあまり高くない。

始めは、調律のたびに「もっと弾いてあげてくださいね~」といわれつつ、弾く頻度もさっぱり上がらないのでなかなかこなれてくれなかった。とはいえ、最初から弾き心地といい響きといい、素直な感じのピアノだったと思う。

そして、結婚後二年たったとき、ピアノの置けないアパートに引っ越すため、よしぞうの実家に二年間預けることになった。これはとても残念なことではあったけれど、同時に腕のよい調律師さんとの素敵な出会いのきっかけにもなった。

よしぞうの兄のピアノを長年調律してくれていた調律師さんに「ついでに」お願いしたところ、これがことのほか具合よく、とても気持ちよく弾けるので、我が家に再び引き取ったあとも、継続的にお願いするようになった。

ピアノを引き取った新しい家は、マンションの中層階。邪魔な大きな梁のあるリビングに、このピアノはぴたりと測ったようにおさまった。また、この置き場所は湿度と温度も比較的安定しているためか、よい調律師さんと環境に恵まれてピアノはすくすくと育ってくるようだった。

私がピアノを習い始めて、弾く頻度が上がってくると、さらに調子がよくなってきた。調律師さんがピアノを褒めてくれると、なんかわが子を褒められているようで、うれしい。

そうやって長年信頼してピアノを任せてきた調律師さんだけに、ある年に「玄関を開けたら知らない人」だったときはぴっくりした。いつものとおり電話をかけ、いつものとおり日時の予約をして、そして来た人は別人だったのである。

別人といっても、元の調律師さんの息子さんだったそうなのだが、別人であることに変わりはない。しかもその息子さんは、今回突然代わりに自分が来たことについての説明も、自己紹介もなく、ただ黙々と調律をして帰っていった。息子さんであることでさえもクレームの電話をかけたときに初めてわかったのである。

その人の調律は、音程という意味ではいちおう合っていたのだが、音色や弾き心地からいえばまったく話にならず、しかも調律してから一ヶ月もたたないうちにどんどん狂ってきた。

クレームの電話をかけたら、次回は元の調律師さんが来てくれるということはいってくれたのだが、何の相談もなく別人を派遣したことの謝罪はなく、調律の品質が劣ることを認めるセリフもなかった。私はもう再び信頼できないような気がしたので、子どもたちのピアノの先生を通じて、まったく別のルートから「凄腕」折り紙つきの調律師さんを紹介してもらった。

この調律師さんは、プロピアニストのコンサートや国際コンクールのチューナーとしても活躍している人で、値段はやや高くなったけれど、納得の出来栄え。もっとも、ピアノの表情はちょっと変わったかな?? という印象だった。ただし、一度下手な人が調律して二ヶ月くらいたったところだったから、そんなに自信を持って比べることはできなかったのだけど。

それからはずっと安定して同じ方に調律していただくことができ、我が家のピアノとはとても仲良しになれた。

ときどき、友人宅や楽器店のフェアで、ベヒシュタインや、ベーゼンドルファーや、スタインウェイのピアノを弾く機会があって、もうそれはそれは惚れ惚れするくらいすばらしくても、それでも我が家のピアノは愛着ピアノ

高級ピアノを「いつか」買うための貯金はしても、今のピアノと置き換えようとは思わない。いつも安心の我が家のピアノは今のまま、信頼のアップライトを置いといて、まったく別の個性が楽しめるピアノがあったらどんなにすてきでしょう(^^)

よしぞうは、私が買い替えじゃなくて買い足しをもくろんでいることについて、信じられない気持ちで見守っているが(現実問題、置き場所もないし、いくらなんでも邪魔だろう??)、私は、子どもたちを追い出して広くなった我が家に二台目ピアノを置く線を狙って長期戦の構えである。

でもほんとに、高いピアノじゃないのにいい具合に育ったんですよ。ホームコンサートに弾きにくる、ピアノにはなかなかうるさそうな方々にも、「とても弾きやすい」と評判です。まだまだがんばってもらいましょう(ただ今20歳)。


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今日の弁当:
なんか無理やり、焼きがんもで埋めた弁当。冷蔵庫すっからかんです。

豆腐入り肉団子、焼きがんも、枝豆、プチトマト、昆布煮、ピーマンじゃこ
コメント (8)
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