アンダンテのだんだんと日記

ごたごたした生活の中から、ひとつずつ「いいこと」を探して、だんだんと優雅な生活を目指す日記

コントラバスはパgani蟹の夢を見るか!?

2009年12月24日 | ピアノ
主役楽器というイメージはあんまりないコントラバスだが…

Aniaさんの「カヴァレリア・ルスティカーナ間奏曲」を伴奏するとき、その曲を知らなかったのでいろいろ検索していて、池松宏さんのCDに辿り着いた。そして試聴は各曲の頭40秒だかしか聞けないんだけど、それでもぅグワシとつかまれて、即クリック。

コントラバスってこんなにかっこよく、こんなにしっとりと歌える楽器なんだ!! というのが新鮮で、これはもう絶対生で聞いてみたいと思ってコンサートまで予約。それがずいぶん先の日にちだったもんでようやく昨日行ってきた。もちろんAniaさんもいっしょ(^^)

会場は、パイプ椅子ぎっしり並べて100人くらい入れる小さなスペースで、こじんまりした一体感が魅力だが、すわり心地がよくないのと、女子トイレが少ないところが難点。途中から合議により(^^;; 男子トイレも併用しましたが長蛇の列がはけるのにだいぶかかりましたよ。

プログラム前半は、ラフマニノフのチェロ・ソナタ。コントラバスのために書かれた曲はたいへん少ないので、なんらか編曲されたものが多くなるけど、チェロの曲を使うというのが一番素直。この曲は池松さんのCDでも聞いたけど、そしてチェロでも聞いたことがあるけど、めちゃめちゃ切ないくらいかっこいい曲なんだよねぇ。

んっ?? ピアノがどうも、うまくのれていないようで、ちょっとずれたり落ちたりしている。さすがプロなので落ちたときのリカバリーは早いけど、ちょっとこれはないんじゃないのかな。おかしいな。CDでは完璧だったけど。そりゃ取り直しとかできるけど、同じ人には見えないな、いや聞こえないな。
(休憩時間になってから、さっきAniaさんに返したばかりのCDを見せてもらい、伴奏が別人であることを確認)

池松さんも最初ちょっと弾きにくそうにしていた(ような気がする)けど、途中からはそれなりに合わせてノリノリの演奏を聞かせてくれた。やっぱ生はいいわ~コントラバスの深みのある音色も素敵なんですけどアナタ、池松さんがめちゃイイ男なんですわ。

20分の休憩時間には、一階のギャラリーに移動して、グラスワインのサービス。あ、ワイン以外にもあったけど…お茶とか?? Aniaさんと私はワインしか目に入ってなかったもんで。よしぞうはコーヒーを飲みながら私に、「池松さんもろ(イイ男の)ツボでしょ??」と聞いてくる。さすがよくわかってらっしゃる。「だってすごい乗り出して聞いてる、いや見てるんだもの」

平らな床に椅子を並べているスタイルなので、舞台がちゃんとあるのと違ってコントラバスが見えにくいのである。Aniaさんは手元が見たくてもっと乗り出してたんだけど、私は手元はともかく顔とか見たいので(笑)いっしょうけんめい前の人の頭の隙間を狙っていたのだ。

休憩が終わって、次の曲は「パgani蟹」←タイプミスじゃないです。この曲は、強いて言えば、かの有名なパガニーニの主題による変奏曲…なのかもしれないのだが、コントラバスを素直に弦楽器として使っている部分のほうが半分以下というほど、特殊奏法てんこもりなのである。

コントラバスの胴体を叩く音も、「こぶしで叩く」「指で叩く」などいろいろあり、楽譜には叩く指の番号まで指定されているというから恐れ入る。まぁそれはいいとして、コントラバスはたいていの場合、弦を押さえる左手で音程を作り、弓を持つ右手で音を作るものなんだけど(っつかそれ以外ふつう考えないっスね)、右手の弓で弦を叩く叩き方によって音階を出す奏法まであり(説明が変ですがよく理解できなかったので略)、超絶技巧の連続になっている。

その他、どうも弓の背(毛の逆側、木の部分)で弾いているようなところとか、全貌はよくわかんなかったけど、弦楽器的部分と打楽器的部分と半々くらいの曲(といってもコントラバス一台)。池松さんが言うには「この曲は10回以上弾いているのですが、そのたびにものすごく練習しないと、まったく変奏曲に聞こえないんです。しかもそれだけ練習しても他の曲にはまったく生きないんですよね。この曲で人生無駄にしているというか、この曲にさえかかわっていなければその時間で釣りでもなんでもできたんじゃないかと」

いや、その曲にわざわざ付き合っていらっしゃる池松さん、かなりお好きなんじゃないですか?? 左手の甲に「蟹」をつけて、鮮やかなピンクの毛を張った弓(*)で登場です。曲の中には表情や手の動作など、演技っぽいところもあるけどすごい堂に入ってますよ…で、確かにパガニーニの変奏曲だ。よく聞くと。

このコンサートのポスターには、コピーとして「コントラバスの限界に挑戦」(記憶不正確)てなことが書いてあったんだけど、確かに限界に挑戦している。単なるキワモノなのか芸術なのかぎりぎりなうえにただひたすら難しいという、いったい池松さん以外にこの曲を演奏している人がいるのかどうか??

とてもおもしろかったんだけれども、でも、シューベルトのアヴェ・マリアとかカッチーニのアヴェ・マリアのほうもある意味「限界に挑戦」というのか、独奏楽器としてのコントラバスの魅力を限界まで引き出そうとしているように感じられる。私としてはこっちのほうが余計興味あるかな。

コントラバスなのでとても低い音が出るわけで、これがオーソドックスな魅力としたら、一番高い弦の指板ぎりぎりのところまで活用するとずいぶん高い音まで出る。このへんは技術的にとても使いにくいと思うのだが(ですよね、Aniaさん??)、とにかく隅から隅までずずずいっと余裕で豊かな表現力を発揮しているところがすばらしい。

アンコールは三曲、なにしろ最初のアンコール曲を始める前に「アンコール一曲目は…」と話し始めてヤル気十分(^^;; ゆったりした曲のあとに二曲目は「チャルダッシュ」。この曲は「ミニチュアバイオリンでチャルダッシュ」の印象が強くて(私だけ??)ネタもののような気がしてしまっているが、ここでもネタものだった。

「この曲は後半の派手な部分が注目されることが多いですが、今日はむしろ前半の部分で私が自由奔放に弾きますから、ピアノがどのくらいついてこられるかにご注目ください」…で、ほんとにすんごいたっぷり「溜めて」歌いまくり、「行くのか? 行くのか?」と様子を伺っているピアノがおもしろく、お客さん大喝采。後半の超絶技巧で〆。かっこいい~(*^-^*)

「Aniaさんがチャルダッシュ弾けるようになるまでに私もピアノがんばらないと!!」というとAniaさん、「…20年待ってください」。いいですよ~待ちますよ~楽しみですね。CDを持って並び、サインをもらってほくほくで帰ってきました。

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(*) ほかの曲では、虹色の弓。叩く用(?)と分けてるのかもしれない。
コメント (2)
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