アンダンテのだんだんと日記

ごたごたした生活の中から、ひとつずつ「いいこと」を探して、だんだんと優雅な生活を目指す日記

一日でバイオリンを作って、弾いちゃう!?(午後編)

2009年12月21日 | バイオリン
午前中は、「箱」の形ができたところまででした。(まだお読みになっていない方は「午前編」からご覧ください)

近くのパン屋さんでサンドイッチなどを買って、公園でお昼ごはん。寒いんですけど、ひなたはけっこうぽかぽかといい気持ちです。天気がよくてよかったです。雨の中、バイオリンを持ち帰るのもたいへんですしね。

部屋に戻ると、先生が自作のバイオリンを弾いています。私たちが作っているものと基本的には同じものなのですが、色がちゃんと塗ってあるので一見「ふつうの」バイオリンです。というかかなりいい音ですね…。先生は、バイオリンをちゃんと習ったことはないそうで、全部自己流です。弓の上げ下げは適当(^^;; ですが、「タイタニック」とかをいい雰囲気で弾いていらっしゃいます。

ぐるぐるまきを取ってみると、バイオリンですねこれは…。
指板を乗せると、ぐっとそれらしくなります。指板がまっすぐセンターラインに沿ってついていることが重要で、これが曲がっていると弦が指板からはずれて押さえられなくなります。

また、指板の下端が、本体からどのくらい浮いているか(高さ)も重要なポイントで、これと駒の高さのからみが、うまくバランスがとれていることが弾きやすさの条件になります。高さが低めの場合は、ちいさな木片を挟んで調節します。

当たり前ですが、指板は曲がっていて、ネックにべたっと接着することはできません。フチのところだけ、ちょんちょんと接着します。



いよいよ弦を張っていきます。エンドピンにかけたワイヤーが離れないように、お腹で押さえておいて、弦を糸巻きに取り付けていきます。糸巻きといっても金属製のネジで、六角レンチがバイオリンに「装着」できるよう、穴が開いています。ふつうのバイオリンでいうところのペグにあたる部分についている丸い木片は、単なる飾りです。




四本だいたい張れたら、駒をたてて、いよいよ調弦です。弦をだんだん巻き絞って張っていくのは、始めとても緊張します。切れちゃうんじゃないかと思って…実際、切っちゃった人がいました。部長さんがほくほくと中継しています。あと、巻いているうちに、駒がべしっと倒れて駒の足が折れちゃったという事故もあって、部長さんはものすごくうれしそうです…人の不幸をそんなに喜んではいけません…でも先生がすぐ替えを渡してくださって、事なきを得ます。

作りたてほやほやのバイオリンは、刻々と音がずれていくので、この調弦がすごくやっかいです。一本だいたいあわせて、二本目、三本目、四本目とやって戻ってくるとすごく低くなってます。また合わせて、何周も何周もやっているうちに、だんだんわけがわからなくなります。というか、通常は、一本を合わせるとそれをリファレンスにして次のを合わせるわけですけど、そのリファレンスが刻々と狂っていくもんだから頭がウニになるんです。先生が、「ソーレーラーミー」を延々と入れたCDをかけて混乱するみんなをサポートしてくれます。



めげずに何度も合わせていくと、徐々に落ち着いてきます。顎あてをつけて完成!! 先生お手製の弓が配布されます。弓は、木製でなくプラ製、馬の毛ではなくナイロン製です。変な弓ですが毛を張ったりゆるめたりするネジも付いててすごく工夫されています。



おおっ、鳴ったよ!!(o_o;;
思っていたよりずっとまともな音です。みんな夢中で弾いています。

この教室はふだん、まったくバイオリンを触ったことがない人対象でやっているので、完成するとそこから指板に目印のシールを貼り、指の押さえ方を教えてみんなでキラキラ星を演奏して終わりになるそうです。「今日はみなさん調弦もご自分でできたし、キラキラ星を教える必要もないから楽です」と先生。

さてここからVNYOさん専用スタジオ(別名カラオケボックス)に移動です。つづく。
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一日でバイオリンを作って、弾いちゃう!?(午前編)

2009年12月21日 | バイオリン
そもそも、素人に作れるんですか、バイオリンて。
昨日は、バイオリン習ってます部の部長さん(VNYOさん)企画のバイオリン製作教室でした。

半信半疑の私たち参加者がぞろぞろと会場(区の文化センターの一室)に着くと(地図を見る自信がないため駅待ち合わせで団体行動)、もう材料や工具が各人のテーブルにきれいに揃えられている。

この、一日でバイオリンを作って、弾いちゃうというミッション・インポシブルを可能にしたアイディアマンは、静岡県在住の加藤さん。元々、音楽畑の人ではなくて、木工をする人だそうで、あるとき突然バイオリンに目覚めて、両方の良さを広めちゃおうと思い立ったらしい。

加藤さんが言うには、バイオリンってみんな高級な楽器で敷居が高いと思っているけど、昔のバイオリン(フィドル)って庶民の楽器で、むしろそのへんの木を使って自分で作って弾くというようなものだったとか。まぁピアノじゃさすがに気軽に作るわけにはいかないからねぇ。

加藤さんのキャッチフレーズは、「子ども一人に一つのバイオリンを」。要するに、リコーダー並みの値段で普及させてしまえば、日本の弦楽器人口もどっと増えるんじゃないかという趣旨です。

それでは早速いってみましょうか。

木はたいへん加工しやすい材料ですが、曲線を切るとなると素人には難しいので、あらかじめ切ってセットしてあります。直線部分だけ残っているのでのこぎりでカットします。表板と裏板をかさねて同じ形に切るのですが、私は二枚を分けて別々に切り始めてしまいました…大丈夫です、こんなのトラブルのうちに入りません…



ネックの部分を小刀で削ってかまぼこ型にするのは、慣れないとけっこう力がいります。手を切らないように注意…っていってるそばから手を切った人がいると、部長が大喜びでtwitter実況します(^^;; 部長は、各工程をすばやく終わらせては中継をしている模様。マメな人です。



一日でバイオリンを作れるというのは、なんといっても「瞬間接着剤」のおかげです。木はよく着きます。でも、付けるときは「ぐっと圧着、微動だにせず1分固定」が重要です。ネック部分がしっかり着いていなかったり、まっすぐじゃなかったりすると、弦を張ったあたりでねじまがってたいへん残念なことになってしまうので、ネックは念の為、木ネジでも固定します。

ネジはなくても基本的には大丈夫なのですが、「50人に一人くらいうまくいかなかった」とのことです。

写真下の左、表板に補強のバーをつける際、トラブル発生。今回の参加者中、ぱんださんのお子さんだけ子どもサイズのバイオリンを作っていたのですが、それ用のバーが私のところに、フルサイズ用のバーがあちらにセットされていたのです。こちらは「やや短いような…」と思いながらそのままつけてしまい、あちらが「収まる長さじゃないので」気がつき、ああこれだ!! どうしよう、もうついちゃった!!

と思ったのですが、そこですばやく先生がぐきっと私のつけてしまったバーを剥がし取り、無事交換できました。瞬間接着剤は接着後しばらくどんどん固まってしまうので、迅速な行動が鍵となるようです(!)



さていよいよ側面の板をつけていきます。これが、よく曲がる特別な木で、おもしろいんですが、バネのように戻る力があるので、望む形に手で固定して「一分」というのがけっこう難しいです。二人一組で、一人が押さえているところへ、ちょんちょんちょん…と接着剤をつけていってもらいます。接着剤はつけすぎないのがコツです。



何度か、うまく圧着できなくて失敗したりしながら、ようやく形になりました。なんか、曲げわっぱのお弁当箱みたいですね。実際、加藤先生は、お仕事でわっぱなども作るそうです。



魂柱も接着剤でつけちゃいます。表板をのせて、伸縮性のあるバンドでぐるぐる巻きにして(手で押さえなくていいように)、接着剤をまたちょんちょんつけて止めていきます。ここまでで午前中は終わりです。



バイオリンの形になった!! なんかすごい長くなっちゃうんで記事を分けます。
つづき
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