先日民放で番組制作していて今は独立のプロダクションの社長をしている若い人と
話し合う機会があった。親子以上に年の違う二人だが、最近の民放番組の”堕落”と
一方でののNHKの"健闘”ぶりという点で意見が一致した。例えば1月5日から13日
の週間視聴率(ビデオリサーチ関東地区)をみると、ベスト30のうち半分以上の13が
NHKの番組で、残りの7つを民放5局で分け合っている。
民放勤務10年の経験を持つ僕でも最近のテレビは見ない。面白くないし下品である。
BPO(報道倫理向上機構)がTBS系の「リンカーン」のセクハラを問題にしていたが、こ
の番組に限らない。僕と意見があったプロダクションの社長によれば、各局の深夜番
組はほとんどエロ、グロ、ナンセンスのようだ。
かって僕の上司だった民放番組制作出身者がよく言っていた。"君たちの感覚で番組
を作ってはいけない。ミーハーが対象なのだから”ー。どうも民放にはこのようなおかし
な伝統が引き継がれている。視聴率によって商売がなりたっている世界だから仕方が
ないといえば仕方がないのだが。
それにしても最近の民放番組はひどい。経済不況を反映してか、視聴率獲得により拍
車がかかっているのだろうか。しかし、"良貨は悪貨を駆逐する”の経済原則通りである。
視聴者は、やはりNHK路線を望んでいる。今の民放番組は視聴者のディマンドを受け
入れていない。その距離が離れているみたいに感じる。