「老人タイムス」私説

昭和の一ケタ世代も高齢になりました。この世代が現在の世相をどう見て、考えているかーそのひとり言。

         ロシアの狸外交にだまされるな!

2009-01-30 07:39:37 | Weblog
東京のど真ん中に麻布狸穴(あざぶ・まみあな)という地名がある。町名の由来は
江戸時代の中ごろまで、このあたりは狸が住んでいた寂しい場所だったからという
のが定説だ。冷戦時代の昭和47年まで、ここにソ連(当時)の大使館があった。今で
は住所変更で麻布台と名前がかわり、国名もロシアになったが、依然同じ場所に大
使館の建物はある。

北方四島のロシア住民に”ビザなし交流”の一環として、外務省職員など5人が医療
器具など(1280万円相当)を届けに行ったところ、出入国カードの提出を求められこれを
拒否したところ、上陸が許されなかった。

1991年の日露両国の合意により、支援物資を運んだり、元島民の墓参はビサなしで
自由に渡航できることになり、今回のように出入国カードの提出が求められたことはな
かった。同じ頃、境港のカニかご漁船が自由に航行できる水域で操業中、ロシア側に
拿捕され、乗組員10名が貝殻島に連行されて抑留されている。

昭和20年8月6日、ソ連は米国の原爆投下のドサクサにまぎれて、わが国との中立条
約を一方的に破棄して宣戦を布告してきた。そして、戦後国際条約に反して、日本の
軍人軍属65万人がシベリアに連行されて強制労働に従事され、うち少なくとも6万人が
死亡している。今に至るまでこれに対する補償はない。

北方四島も不法に占拠して返そうとしない。麻生総理は2月中旬、メドベージェフ大統領
の招きで、サハリンの日露共同事業である液化施設稼動を祝う式典に列席する予定だ
という。相手は狸のようにしたたかな外交の持ち主である。眉に唾をつけ、くれぐれもだま
されないようにご用心を!