「老人タイムス」私説

昭和の一ケタ世代も高齢になりました。この世代が現在の世相をどう見て、考えているかーそのひとり言。

          ヒール横綱と相撲人気

2009-01-26 07:09:38 | Weblog
大相撲初場所は、横綱朝青竜が横綱白鵬を優勝決定戦で破り賜杯を手にした。場所
前、調整遅れから進退をかけての土俵などとマスコミに騒がれたが、始まってみれば
なんのその、その重圧をはねのけての見事な優勝だ。優勝後のインタービューで"私
は帰ってきました”と満面笑みでファンに語っていたが、たいしたものだ。

初場所は百年に一回という不景気なのに初日から大入りの日が続き、千秋楽の当日
売りの切符は朝8時に整理券を出すほどの盛況、行列の一番乗りは前夜10時に来て
並んだのだという。若貴時代が去って不人気な時代が続いていただけに相撲協会にと
っては、この人気はほくほくだろう。

戦前双葉山時代の旧国技館の鉄傘は連日大入り満員、札止めだったと相撲記者をし
ていた亡父の日記には書いてある。例の双葉山の連勝が69でスットプした昭和14年
初場所の時代である。当時小学生だった僕も、国をあげての相撲人気を覚えている。
ラジオの相撲中継の頃になると急いで家に帰ったものだ。

初場所もテレビの視聴率は久しぶりに高かったようだ。しかし、その人気は双葉山の連
勝が幾つまで延ばせるかーといったものではないようだ。若い人の興味は朝青竜のヒー
ル(悪役)と彼の持つオーラ(霊気)にあるのだとう。僕は格闘技といえば、プロレスの力道
山しか知らないし、オーラなど信じない。

大相撲も変わったものだ。幕の内も十両もモンゴル力士が優勝している。国技である日本
の力士はどこへ行ってしまったのか。大相撲の人気がオーラとヒールで支えられていると
すれば情けない。大草原で本場所でもやったらよい。