「老人タイムス」私説

昭和の一ケタ世代も高齢になりました。この世代が現在の世相をどう見て、考えているかーそのひとり言。

     パレスチナ人のストレス、フラストレーション

2009-01-19 06:00:50 | Weblog
イスラエルがパレスチナのハマス組織に大打撃を与え、所期の目的を達成したと
として18日、一方的に停戦した。ところが僅か7時間後には、ハマスがイスラエル
領にロケット弾を発射、再びガザへの空爆を開始した。元の木阿弥である。昨年
12月からの双方の犠牲者は1000人を越えている、というのにまた、解決の先のみ
えない泥沼状態に陥ってしまった。

イスラエルが一方的な停戦宣言をしても、誰も戦闘が中止になるとは思わなかった。
僕もその一人だが、双方の歴史的な対立は根が深く、明らかに米国のオバマ大統
領就任式向けの"アドバルーン"的な停戦では、ハマスがこれにのるわけはない。

パレスチナ人のイスラエルに対する憎しみは僕らの想像を絶している。そして、半世
紀以上にわたって、一向に解決をみない情勢に苛立ちを感じている。そのストレスと
フラストレーションは、これまた想像以上のものがある。現在のパレスチナ人は産まれ
おちた時からこの感情下にある。

僕らには、この感情がなかな理解しにくい。小さな僕の経験だが、十数年前、僕は北
海道の岩見沢のウイークリー・マンションでパレスチナ難民機構からきたヨルダン国籍
二人とレバノン国籍の技術研修員と三か月間寝起きを共にした。僕は日本人の中でも
数少ないアラブを知り、イスラム教にも理解がある人間だが、彼らの屈折した心情はと
ても理解できなかった。地元との摩擦を避けるのに苦労した。

西欧諸国の自分勝手な国境策定の犠牲になって国を追われたパレスチナ難民は300
万人もいる。一朝一夕で問題が解決するとは思えないし、彼らの複雑な心境もよく解る。
20日にはオバマ政権が誕生する。新政権が従来のイスラエルよりの政策を転換し、パレス
チナに理解を示す政策展開をを期待したい。これしか問題解決はない。