「老人タイムス」私説

昭和の一ケタ世代も高齢になりました。この世代が現在の世相をどう見て、考えているかーそのひとり言。

          旅の土産と羊羹(ようかん)

2009-01-18 06:28:52 | Weblog
昨日、老妻が町会の日帰りバス旅行(5000円)で成田山新勝寺と鹿取神宮へ出か
けてきた。昼食はホテルでのバイキングという、老人には手ごろな値段だ。残念な
がら僕は参加できなかったが、土産に成田さんの羊羹、それも米屋の栗羊羹を買っ
てきてくれるよう所望した。

米屋の栗羊羹は戦前の東京では、成田さん参りの土産の定番だった。僕の記憶が
間違っていなければ、濃い緑色の包装紙の下に木箱に入り銀紙に包まれて羊羹が
入っていた。僕は栗の大きいのがある部分と端の砂糖が吹き出た部分が好きだった。
こんな少年時代の”郷愁”が老妻への所望となった。

想い出すと戦前(昭和10年代の初め)は、東京でも庶民はあまり旅行をしなかった。せ
いぜい地域社会の講旅行とか学校の修学旅行であった気がする。その旅行の土産に
は、必ず定番があり、成田さんなら米屋の栗羊羹、お伊勢旅行では御幣型の生姜糖、
京都では八つ橋(生ではない)大阪では浪速おこしといったように。子供心にそれがと
ても嬉しく待ち遠しかった。

土産は味もさることながら、入っていた箱や包装も懐かしい。八つ橋はブリキの箱に入っ
ていて食べた後もものいれに使った。土産ではないが、日常食べていたたキャラメルやド
ロップのデザインもその味と共に老人には懐かしくなった。昭和20年代後半から30年代
大流行した「紅梅キャラメル」やママの味がした「ペコちゃんのミルキー」もある年代の人に
は味と共にパッケージも懐かしいはずだ。老舗のヒット食品は、そのパッケージ、デザイン
を残してもらいたいと思うのだがー。