「老人タイムス」私説

昭和の一ケタ世代も高齢になりました。この世代が現在の世相をどう見て、考えているかーそのひとり言。

    インドネシア人女医が施設長の老人施設

2010-04-18 07:01:02 | Weblog
40年前勤めていたテレビ局のOB会に出席した後、郡山から磐越東線に乗り神俣
(かんまた)駅近くの特別老人ホーム「聖オリオンの郷」を見学する機会に恵まれた。
ここの施設で知人のインドネシア国籍の田中リナさんが施設長をされており、一度見
学にこないか、というお誘いがあったからだ。

郡山から一時間に一本という磐越東線で45分、神俣駅は一日の乗降客が200人
という阿武隈山中の小駅である。「聖オリオンの郷」は駅から車で10分ほどの所にある。
普段なら緑に囲まれたすばらしい環境の地にあるのだが、昨日は時ならぬ大雪で、
ひっそりとたたずんでいた。が、中では約100人のお年寄りたちが幸せそうに生活し
ていた。

田中先生のお父さんは、戦争中、旧日本海軍のバリ民政部の軍属だった方で、現地
の女性と結婚、敗戦後、家族と一緒に帰国した。田中先生は日本の学校で教育を受け、
医大を卒業、医学博士号を持っている。

田中先生と施設の方の案内で,5年前に出来た広いホームの中を見せていただいたが、
お年寄りの生活にやさしく設計されており、最高齢102歳の女性が介護師のやさしい
手を受け食事をされていた。僕が最も感心したのは、施設のすばらしもさることながら
ここで働く方々の生き生きとした仕事ぶりであった。

でも、田中先生の持論は、やはりお年寄りたちの最大の幸せは、家族と一緒の生活で
あり、ここでの生活がいくら幸福であっても”終(つい)の地”にしてもらいたくないという
ことである。やさしい先生のお人柄がうかがえる。