「老人タイムス」私説

昭和の一ケタ世代も高齢になりました。この世代が現在の世相をどう見て、考えているかーそのひとり言。

          衣替えできない 異常気象

2010-04-26 05:47:48 | Weblog
首都圏の陽気はやっと昨日あたりから春本来に戻った。桜はいつのまにか葉桜に変
わり、街路脇のつつじは咲き始めてきたというのに。だが、相変わらず気温は上がらず
うすら寒い。先日来の寒さで、再び持ち出した冬物の衣類だが、今度は収納しても大
丈夫なのだろうか。

日本人が普段家庭で着物を着ていたのは、何時ごろまでであっただろうか。あの時代
には季節がくると、あまり陽気には関係なく衣替えをしていた気がする。昭和20年、戦
争が負けた年も今年みたいに異常気象だった。東京でも1月から2月にかけて数回大雪
に見舞われた。亡父の5月20日の日記には"6月だというのに、この寒さだ”との記述が
あり、4月に衣替えした冬物の着物を持ち出している。

僕も昭和45年、札幌に転勤するまで東京の家では着物を着ていた。老妻の記憶によれ
ば春から秋にかけては単衣の袷に羽織、ただし7月、8月は浴衣を着、冬場は綿入れを
着ていた。それが札幌に転勤後は土地の風習にならって、活動的なジャージーを着用す
るようになった。

最近は日常、着物を着て生活する日本人はまず見かけなくなった。たしかに忙しい現代
生活には向いていない。が、老人の懐古趣味かもしれないが、時には和服を着て床の間
のある座敷でゆったりと三味の音を聞きながらお猪口で美酒を味会うのもよいものだ。
(昭和37年頃の着物姿)