「老人タイムス」私説

昭和の一ケタ世代も高齢になりました。この世代が現在の世相をどう見て、考えているかーそのひとり言。

                 源実朝と集中豪雨

2012-07-14 05:46:02 | Weblog
九州地方の平均的梅雨明け宣言は7月13日だそうだが、今年はここへきて連日豪雨に見舞われ、土砂崩れや河川の氾濫などで各地で大きな被害がでている。まさに”時によりすぐれば民の嘆きなり、八大竜王雨やめ給え”(源実朝)である・八大竜王とはインドの半獣半蛇の神、Nagaだが、中国経由で日本に渡来、わが国ではその第一神が難陀と呼ばれ、雨や水をつかさどる竜神として崇められている。

鎌倉幕府の最後の将軍、源実朝(1192-1219年)は、百人一首にも選ばれた歌人だが、わずか27歳の若さで公暁によって鎌倉八幡宮の境内で暗殺されている。ところが調べて見ると、その短い人生なのに天災や地震が多発している。実朝が7歳、10歳、23歳の時に鎌倉には大地震があったという記録がある(震度や被害は不明)。また9歳の時には、東国は大暴風雨に見舞われ大被害がでている。前記の歌がこの時の暴風雨を歌ったかどうかは不明だが、八大竜王に願いを乞うほどの集中豪雨だったのだろう。

この時代は天災、地震、飢饉それによる疾病の流行などもあって政治も混乱していた。実朝の死の2年後に日蓮(1220-1282)が生まれているが、日蓮上人の時代には正嘉元年(1257年)にM7.5と推定される鎌倉大地震が発生、寺社民家が全壊して2万人が死亡している。また、この年から翌年にかけて2年間大飢饉に襲われ大きな被害がでている。さらには1272年には蒙古軍が襲来してきている。日蓮上人の説く立正安国論が多くの人々に受け入れられたのもうなずける。

翻って今の日本はどうだろうか?”国民の名を勝手に使って政局が一向に安定しない。それをいいことに日本の領域を外国船がウロチョロしている。危機管理は大丈夫なのだろうか。