「老人タイムス」私説

昭和の一ケタ世代も高齢になりました。この世代が現在の世相をどう見て、考えているかーそのひとり言。

        みんなが参加した学校の夏休みラジオ体操

2012-07-25 05:06:28 | Weblog
夏休みに入ってから首都圏の天気は今一つだったが、ようやくよくなり、昨日から僕も恒例の町内会主催のラジオ体操に参加し始めた。膝の痛みから出不精になりがちなのだが、やはり早朝のすがすがし空気を吸って身体を動かすのは健康によい。そして、ふだん無沙汰がちな町内の人たちと挨拶を交せるのも、ラジオ体操ならではの楽しみだ。

戦前、東京のラジオ体操会は小学校の校庭で催された。”踊る旭の光を浴びて”で始まるラジオ体操の歌を歌い首からカードを下げて校庭で手足を動かしたのが、つい昨日のような気がするが、もう70年も昔のことなのだ。出席の「出」の印のハンとスタンプのインクの匂いがいまだに鼻に残っている。会場は子供だけではなく、ステテコに腹巻姿の近所のお年寄りもいた。夏の風物詩であった。

ラジオ体操に限らず、昔は小学校と社会との”敷居”が今のように高くなかった。運動会でも学芸会(いまでもあるのかな)でも、自由に参加できたような気がする。戦後いつの頃からか、学校の正門は固く閉ざされ、”御用の方は○○に”といった張り紙がしてある。子供をめぐる犯罪が多くなってきたため、警備のため止むをえないのだろう。

ラジオ体操は戦後昭和25年まで中止された。”進駐軍の命”かあるいは、それを気遣ったのであろう。それにつれて学校での開催もなくなった。わが町のラジオ体操は昭和30年代の初めごろから、町内の道の一角を体操の時間だけ交通を遮断し開催している。もう半世紀以上の歴史がある。多分、その当時の方が学校に代って町内会の道路での開催を企画したのであろう。子供たちにとっては、身体を動かすだけでなく、家族以外の大人と接触できる機会である。