「老人タイムス」私説

昭和の一ケタ世代も高齢になりました。この世代が現在の世相をどう見て、考えているかーそのひとり言。

     後期高齢者からみた社会保障費の世代間格差

2012-07-19 05:09:20 | Weblog
参院の「社会保障と税の一本化改革」特別委員会で民主党の鈴木寛議員が社会保障をめぐる世代間格差を是正すべきだ、と質問していた。まったく僕もその通りだと思う。しかし、最近の国会質疑を聞いていると、何か高齢者が不当に高い年金を貰っており、しかも1割という安い窓口負担によって全体の医療費増の原因だという批判さえあった。そして、こういった批判が高じて、年寄りを”厄介者”視する風潮が社会に出てきた。これが年寄りの僻みでなければよいのだが。

先週僕ら老夫婦宛に後期高齢者医療保険と介護保険の今年度決定通知が届いた。二人合わせて後期高齢者医療保険が年、30万円以上、介護保険も10万円をこす。月になおすと3万円以上になる。このほか、僕らの場合、厚生年金のほかに僅かな収入があるため、医療費の窓口負担が”現役なみ”に3割だ。正直言って80歳の後期高齢者にはかなりの負担である。しかし、保健の性格からいって収入に応じて支払うのは当然である。これに文句を言っているのではない。

若い世代からの批判の中には、年寄りは昔僅かな保険料を支払いながら今高額な年金を貰っているというのがある。僕の場合、昭和28年から厚生年金を支払っているが、たしかに給料が1万円台だったから年金の額も今の額になおせばたいしたものではない。しかし、今でも覚えているのだが、給料明細書を見るたびに”なぜ年金をこんなにひかれるのか”と文句をいったものだ。若い時には老後の生活なんか考えないものだ。

国民保険の未納率が四割を超え問題になっている。払えないのか、払っても将来貰えるかどうかわからないから支払わないのか。これでは年金の格差以前の問題である。社会保障全体の問題は、将来「国民会議」で検討されることになるらしいが、世代格差の不公平についてお互いに文句を言っていても始まらない。次期世代がいかに安心して暮らせるかが問題である。