「老人タイムス」私説

昭和の一ケタ世代も高齢になりました。この世代が現在の世相をどう見て、考えているかーそのひとり言。

              鰻の蒲焼、ウナギのカレー

2012-07-28 05:15:01 | Weblog
昨日は土用の丑の日だった。丑の日には鰻の蒲焼を食べるが、なぜか僕にはあまり鰻に未練はない。昔から値段の高い食品だったのだろう。戦前、親に連れられて食べた記憶はない。戦中戦後の食糧難の時代は鰻どころではなかった。そのためなのか、丑の日に鰻の蒲焼を食べなくても僕はどういうことでもない。が、鰻好きの人の間では、稚魚の減産から鰻の値段がここ数年”うなぎ上り”し、やがては庶民は食べられなくなるのではと心配している。

鰻の生産は稚魚の減産からピーク時の昭和38年には2322トンあったのが昨年は僅か9トンと、最高時二十分の一だったという。その結果、平成19年には1トン当たり26万6千円だったのが、今年は220万円もするらしい。先日、母親の37回忌の法要の後の精進料理を浅草の鰻屋でしたが、鰻重が1人前2千6百円もして驚いた。とても庶民が普段食べられる値段ではない。

この値段の高騰を受けて鰻の生産地の浜松では、遠くアフリカのマダガスカルやインドネシアから、向こう産の鰻の輸入を始めたという。マダガスカル産のウナギは食べたことはないが、10年ほど前、スマトラのメダンに6か月滞在していた時、下宿先でウナギ(Belut)のカレー料理を食べたことがある。ウナギを輪切りにしてカレー粉などの香辛料で煮たスープだが、暑い場所だけに美味しかった。マラッカ海峡に近いメダンはサカナが豊富であまり現地の人はウナギを食べる習慣はないようだった。

米国の一部ではニホンウナギをワシントン条約で規制する自然保護の対象にしようとする動きもあるという。そうなると鰻の蒲焼はいよいよ庶民の口から遠くなる。インドネシア産のbelutを蒲焼にした場合、美味しいかどうかだ。