「老人タイムス」私説

昭和の一ケタ世代も高齢になりました。この世代が現在の世相をどう見て、考えているかーそのひとり言。

中国「航海の日」の野心と鄭和の大遠征

2013-07-11 05:37:06 | Weblog
7月11日は中国の「航海の日」である。608年前の1405年、明の時代、鄭和が2万7千人を率いて南海へ大遠征に出発した記念日だという。2005年に制定され、今年も江蘇省南通市を中心に式典を催し、海洋国中国を世界にアッピールする。尖閣諸島や南沙群島など各地で領土問題を巡ってトラブルを起こしている中国である。「航海の日」といっても、何かほかに野心があるのではないかと疑いたくなる。

鄭和(1371-1408)は明の永楽帝の時代の回教徒の大監で、1405年の第一回から前後10回に渡って南海地域へ遠征し、遠くはアフリカ.ケニアのマリンディの地まで出かけている。そして、訪れた国のほとんどが明への朝貢国となり、事実上の支配下にはいっている。わが国は、鄭和の大遠征に先立つ4年前の1401年、足利将軍義満が永楽帝によって日本国王に封ぜられ、日明間の勘合貿易が開始されていた。

鄭和の大遠征時代の1408年、福井県小浜の海岸に象や孔雀,おうむなど日本国王への進呈品を積んだ南蛮船が着いている。スマトラのパレンバンの華僑の船で、船長は亜列進卿といい、鄭和のスマトラ遠征の際、功績があった人物だと明史に記されている。パレンバンからの船は11年にも九州に到来している。

鄭和の時代を振り返ってみて、同じようなことが今も行われている感じを僕はもった。中華という大国意識がなせるものかどうかは解らないが、隣国にとってはいい迷惑である。