「老人タイムス」私説

昭和の一ケタ世代も高齢になりました。この世代が現在の世相をどう見て、考えているかーそのひとり言。

武田薬「アクトス」28000億円和解 日本では

2015-05-01 15:39:16 | Weblog
糖尿病治療薬「アクトス」を服用して膀胱ガンになったという米国の患者の訴訟を受けて、製造販売元の武田薬品が先日、原告団に対して2800億円を支払う和解に応じた。同社はこの結果、業績予想の最終損益が1450億円の赤字となり、昭和24年の上場以来初めて赤字に転落となる。僕はこのことを新聞の経済欄で読んで知ったが、医学的にはどうなのかー。新聞は触れていない。

{アクトス」と膀胱ガンとの因果関係については、すでに10数年前、フランスが疫学的に”黒”と認定し製造販売を禁止していつ。米国でも各地で訴訟が続発している。にも拘らず厚労省が「アクトス」について発売禁止したという話は聞いたことがない。今回、武田薬品は和解に応じて文書を発表しているが、依然、自説の正しさを主張しており”患者さんに対して革新的な治療薬の開発に一層注力すると述べている。つまり、今まで通り「アクトス}の発売を続けるということだ。

2010年の1月と6月、僕は膀胱ガンで2回、患部の切除手術のため入院した。2000年に初めて膀胱ガンにかかったが、抗がん剤の注入で完治し10年間再発がなかった。ところが、2009年秋ごろから血糖値が上がり始め、主治医の指示で「アクトス」をのみ始めた。その頃、新聞でフランスが発売禁止になったと報道された。僕は主治医にその旨を伝えると、厚労省からも使用上の注意の通達があったと、服用をスットプした。

大手薬品会社の赤字転落はたしかに大きな経済ニュースだが、医学的に「アクトス」が大丈夫かどうかの方が、より大きな問題だ。マスコミは何故そこまで深く突っ込んで取材しないのか。薬品会社との間に癒着があるのだろうかー。