「老人タイムス」私説

昭和の一ケタ世代も高齢になりました。この世代が現在の世相をどう見て、考えているかーそのひとり言。

御開帳 「三丁目の夕日」の世界

2015-05-30 06:33:48 | Weblog
突然の義弟の死で困ったのは、御開帳の最中でホテルがとれないことであった。ネットの「格安ホテル}で探し、やっと外国の大手ホテルの名前を冠しながら、比較的低料金の宿が見つかり、とびこみで二泊してきた。駅からも遠く、歩いて善光寺にも行けない立地条件から、御開帳にも関わらず宿泊できた理由かもしれない。ネット上でのホテルの魅力は”手造り”の朝食とあり、写真が載っていたが、僕ら老夫婦にとっては、まさに「三丁目の夕日」時代に回帰出来たようで嬉しかった。紹介してみよう。生卵に海苔、小さな塩鮭の焼いた切り身、野沢菜の漬物、焼豆腐の煮つけ、それに味噌汁とご飯―ただそれだけの簡素なものだ。想い出せば「三丁目の夕日」の昭和30年時代には、これで充分ご馳走だったような気がする。

義弟の葬儀の合間を見て、御開帳中の善光寺参を詣でてきた。七年目に一回のお祭りで、しかも今月一杯で終わりということもあって参詣客でいっぱい。とくに回向柱に手でさわれば、御利益があるというので、その周りの道は長蛇の列であった。やっとの思いで石段を上り、本殿に参詣できたが、とても回廊巡りは足が弱くてできず、お坊さんから、ご掌判という頭に布で触って頂けば、長生きできるという儀式を授かってきた。

”おらが善光寺さんは常夜灯の灯り”(「信濃よいとこ」新民謡)の昔から、善光寺さんは善男男女に親しまれてきたが、今年は外国人の観光ブームにのって、ここでも多くの外国人観光客が目立った。思えば、回向柱やご掌判など多分に、最近失われてきた「三丁目の夕日」的な世界である。ホテルのサービスも「三丁目の夕日」時代の人間らしすを感じてよかった。